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DルートサーバーのIPアドレス変更、キャッシュDNSサーバー運用者は対応を

 D.root-servers.net(Dルートサーバー)のIPアドレスが1月3日に変更された。新しいアドレスは「199.7.91.13」となる。従来のアドレス「128.8.10.90」も6カ月間は運用を継続するが、最終的には運用を終了する予定となっているため、キャッシュDNSサーバーの運用者は対応が必要だ。なお、変更はIPv4アドレスのみで、IPv6アドレス「2001:500:2d::d」に変更はない。

 Dルートサーバーは、世界に13あるルートサーバーのうちの1つで、米メリーランド大学が運用している。

 ルートサーバーとは、ドメイン名空間の最上位にあるDNSサーバーで、ドメイン名をIPアドレスに変換する名前解決の処理を行う際に、キャッシュDNSサーバーが最初に問い合わせを行う先となる。例えば「www.impress.co.jp」「www.google.com」といったドメイン名の場合、まずはトップレベルドメイン(TLD)である「.jp」や「.com」を管理しているDNSサーバー(権威DNSサーバー)のIPアドレスを知る必要がある。ルートサーバーからは各TLDの権威DNSサーバーのIPアドレスが回答されるため、キャッシュDNSサーバーはそれらに対して順次、同じ問い合わせ繰り返し、最終的に個々のドメイン名のIPアドレスの情報を得るというがDNSの仕組みだ。

 キャッシュDNSサーバーにおいては、各ルートサーバーのIPアドレスなどの情報が「ルートヒントファイル」というファイルに記述されている。前述のようにルートサーバーは、名前解決を行うにあたって必ず問い合わせに行く先となる。また、13あるルートサーバーのどれに問い合わせるかはキャッシュDNSサーバーの実装に依存するため、古いルートヒントファイルのままだとDルートサーバーへの問い合わせが失敗してしまうことになる。それを避けるために、キャッシュDNSサーバーでは常に正しい内容のルートヒントファイルを保持しておく必要がある。

 DルートサーバーのIPアドレス変更後のルートヒントファイルは、Internicのサイトで公開している。また、株式会社日本レジストリサービス(JPRS)でも、代表的なDNSソフトである「BIND 9」「Unbound」におけるルートヒントファイルの更新方法について説明している。キャッシュDNSサーバーの運用者は、Dルートサーバーの新旧IPアドレスが並行運用されている移行期間中にルートヒントファイルを更新しおく必要がある。

(永沢 茂)