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「Opera for Android」β版公開~WebKit採用後初のバージョン

 ノルウェーのOpera Softwareは5日、「Opera for Android」ベータ版を公開した。

 Android 2.3以降に対応し、Google Playから無料ダウンロードできる。今回のリリースは、レンダリングエンジンをOpera独自のPrestoからGoogle ChromeやApple Safariで使用されているオープンソースの「WebKit」に変更する決定を行ってから初のバージョンアップとなる。

 「Opera for Android」ベータ版では、Androidネイティブなユーザーインターフェイスや、デスクトップ版ウェブブラウザーやモバイル版Opera Miniで培ってきたノウハウや機能を多数搭載している。

 注目されるAndroidネイティブ対応したユーザーインターフェイスでは、左にパンするとOperaでおなじみのスピードダイヤルが表示され、さらに左にパンすると、ブラウジング履歴が表示される。異なる3つのビューをパンするだけで行き来できるようになった。また、アドレスバーとサーチバーが統合されたほか、タブブラウジング機能やプライベートブラウンジング機能も提供されている。

 スピードダイヤルはブックマーク機能も担うようになった。ダイヤルの上にブックマークをドラッグ&ドロップすることで簡単にグループ化でき、行きたいサイトを簡単に訪問できるようになっている。

 新機能としては、パーソナル化されたニュースフィード、「ディスカバー機能」が搭載され、最新情報を常にチェックできるようになった。

 また、Opera のデザインとして特徴的な「O」ボタンは、他のAndroidアプリのデザインと整合性を持たせるために右上に移動。ここからメニューや設定を行える。メニューからは、後で読めるようにウェブページを丸ごと保存する機能や、ファイルをダウンロードして名前を変更して保存可能なダウンロードマネージャなどが利用できる。

 さらに、モバイル版ブラウザー「Opera Mini」で培ってきた圧縮技術が、Opera for Androidでもそのまま利用できるようになった。これにより、モバイル環境で通信帯域幅が狭い時は「データ圧縮モード」を使用して快適にブラウジングできるようになった。

 今回搭載されたWebKitのバージョンは「AppleWebKit/537.22」「Chrome/25.0.1364.123」だという。このバージョンはGoogleのChrome Betaと「極めて近い」と説明している。Operaではできるだけ早い開発サイクルに追従していきたい考えだ。

 なお、現在のβ版では検索エンジンの変更には対応していない。また、タブレット版については、現在ユーザーインターフェイスの最適化を行っているとしており、後日公開される予定だ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)