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カドカワ、東大を目指す全寮制個別指導塾とプログラマー養成スクール開校

 カドカワ株式会社は、個別指導塾「坪田塾」を運営する株式会社ビビッドと新会社「株式会社N塾」を設立し、東京大学進学希望者を対象とした全寮制個別指導塾「N塾」を開校する。また、「N高等学校」の提携通学コースとして、株式会社バンタンと共同でIT人材を養成する専門スクール「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール」を開校する。開校時期はともに2016年4月を予定。

株式会社「N塾」設立

 N塾の塾長は「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の著者で、個別指導塾「坪田塾」を運営する坪田信貴氏が務める。2016年度の応募資格は高校卒業資格を保有しない15~85歳の男性。費用は受講費、寮費を合わせて月額6万円/年間72万円(税込)。授業料免除となる特待生制度もある。なお、入塾には提携校であるN高等学校に入学する必要がある。選抜試験募集は2015年12月10日~2016年2月5日。

通学時間に縛られない“自由な時間”を効率的に活用
校舎は名古屋市にある坪田塾の校舎を使用
全寮制で栄養管理士による朝夕食付き、オートロック、寮母住み込み管理となる
1次試験ではアンケート・心理テスト・英語・国語・数学、2次試験では面接を行う
教師はただ答を教えるのではなく、生徒の“質問”に“質問”で返し、具体的な解決方法を示す
N高等学校では家で新しいことを学び、復習する“インプット”重視。N塾では質問・復習する“アウトプット”を重視する
入塾試験スケジュール

 バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクールは、1年間でプログラマーとしての基礎技術から考え方を習得し、即戦力になる技能を身に付ける。講師はマグネット株式会社最高技術責任者の草野翔氏で、課題制作を中心とした講義を週5日指導する。また、クックパッド株式会社、株式会社はてな、LINE株式会社、株式会社ドワンゴがインターン提携先となっているほか、基本情報処理技術者の資格を取得することができる。応募はN高等学校生が対象。費用は150万円に教材費・PC費が加算される。1次募集期間は12月10日~12月25日。

IT人材を養成する専門スクール「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール」開校
卒業後の進路例
1週間の時間割
IT人材の不足により、有効求人倍率は5倍。多くの業種の企業ではプログラマーを積極的に採用する動きが活発化しているという
講師はマグネット株式会社最高技術責任者の草野翔氏。17歳で高校を中退し、株式会社ドワンゴに入社した経歴がある。同氏はN高等学校に入学する予定
年間スケジュール
インターンシップでは、IT企業の現場研修を通じて即戦力となる人材を育成
プログラミングを身に付けることで卒業後の進路選択の幅を広げる
場所は東京・中目黒
入学までのスケジュール

将来の選択の幅を増やし、社会で生きる力を身に付ける

 N塾およびバンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクールの設立にあたりニコファーレ(東京都港区)で開かれた発表会では、カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏、株式会社ビビッド代表取締役塾長の坪田信貴氏が登壇した。

(左から)カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏、株式会社ビビッド代表取締役塾長の坪田信貴氏
N高等学校で受講できる提携通学コースとネット課外授業
今後の教育事業スケジュール

 川上氏は、N塾について「自分はできないと思っている人にチャンスを提供することが今回のメッセージとなっている。特待生制度もあり、経済的な理由などで進学をあきらめている、将来の可能性を持つ人たちにも選択肢を提供する。勉強に集中できる環境を用意して、それに対して熱意をもって挑戦してもらう」と述べた。また、バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクールについて「N高等学校は高卒の資格を取るだけでなく、社会で生き抜くための力を与えることが目的。IT産業は増え続けているが、人材不足は解消されていない。プログラミングを身に付けることで世の中で生きていける。ドワンゴでは学校に在学中の生徒・学生を採用した経験などもあり、技術さえあれば学歴は関係ないということを世の中に示していきたい」と設立に向けた意気込みを語った。また、募集人員を30名に限定した理由については「社会人も対象にするとすぐに枠が埋まる。若い人の中からエンジニアを出すことがコセンプトになっている」と述べた。

 坪田氏は、N塾について「世の中では引きこもりと言われている子供達は家庭や社会の中で負債のように捉えられているかもしれないが、実は日本の隠れた資産だという川上氏の考え方に共感した。今の教育は一方向性で、勉強についていけないと落ちこぼれのレッテルを貼られる。N塾では人それぞれのやり方に合わせた勉強で才能を引き出す教育が広がっていく契機になるのではないかと思う。そのための象徴としての東京大学進学は全力を出せる分野と考え、塾長を引き受けた」と語った。

(磯谷 智仁)