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【警告】その節税、間違ってます――個人事業主の節税を考える[実践編]

 前回の[心構え編]では、節税のための節税を避けるため、節税の“心構え”についてお伝えした。それを踏まえ、今回は具体的な手法について説明をしたい。

生命保険と同じく、iDeCo、小規模企業共済も証明書が送られてくる
「INTERNET Watch」ではこのほかにも、サラリーマンと個人事業主がぜひ読んでおきたい税金に関する記事を多数掲載しています。まとめページ『サラリーマンと個人事業主の税金の話』よりご参照ください。

長期的な視野で事業の山・谷を判断しよう

 個人事業主に限らず業績には好不調がある。要因は様々。外的要因ならリーマンショックのような世界的な出来事の影響もあれば、消費税率アップによる駆け込み需要のような国内事情もある。個別には業界の変化や地域の変化による変動もある。例えば筆者はデジカメのレビューを頻繁にしていた時代もあったが、スマホの普及でコンパクトデジカメの市場が縮小し、コンパクトデジカメのレビューの仕事は消えていった。店舗経営をしている人なら、近所にライバル店ができて売り上げが減ったとか、道路が開通して来店客が増えたとか様々だろう。

昔はコンパクトデジカメのレビューを書いていたが……

 事業の業績、収支を少し先まで予測できると、節税の方向性が見えてくる。「先々の収支が簡単に予測できたら苦労しないぜ」と思った読者もいるだろう。正解。筆者もそう思っている。突然オイシイ仕事が舞い込むこともあれば、ずっと続いていた仕事がなくなることもある。予測不能だ。

 とはいえ、売り上げ、経費、控除の推移を把握すれば課税所得の金額が算出できる。経費に関して言えば、何年も事業を続けていると「電気代は1年で8万円、交通費は……」と過去の実績から、みなし金額を算出できるものもある。控除なら配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、社会保険料控除などの予測はそれほど難しくない。

 課税所得の金額が算出できたとしよう。その課税所得は所得税の税率表のどの区分で、その区分の上か下かを確認したい。例えば課税所得が400万円だったとしよう。税率表の「330万円超 695万円以下」なので税率は20%。20%の区分の中ではやや下の位置にある。課税所得が220万円なら税率表の「195万円超 330万円以下」で税率は10%。10%の区分の中ではかなり下の位置だ。

 税率の区分で節税を考えるなら、所得税の税率が20%を超える人は積極的に節税、税率が10%の人は少し節税、税率が5%の人は節税より売り上げを増やすことを考えたい。

自分に合った節税を見つけよう

 過去の課税所得の推移、今年の課税所得、来年以降の課税所得の予測を並べて比較すれば自分にあった節税方法が明らかとなる。節税対策には様々な手法があり、即効性があり年末の節税に有効なものもあるし、年間を通して有効な節税対策もある。ここでは自分に合った節税対策を考えてみたい。

<突発的にもうかった人>
 大きな案件が舞い込んで突発的にもうかったとしよう。例年は課税所得が250万円ほどなのに、今年の課税所得は350万円。ただし来年以降は元に戻る可能性が高い。この場合は年末の節税対策が有効だ。上限は20万円。経費が20万円増えると課税所得は330万円となる。それ以上の経費は今年でも来年でも経費に対する節税の割合は同じとなるので、今すぐ必要でなければ来年以降の経費にしよう。

<業績が伸び続けている人>
 順調に売り上げが伸び、年々課税所得が増えている人は年末に節税する必要はない。課税所得が増え税率が5%→10%→20%と上がっていくなら、今年よりは来年、来年よりは再来年に経費を積み上げた方が節税効果が高くなる。年末の節税よりも年間を通して有効な節税対策を心掛けたい。

<収支が安定している人>
 収支が安定している人は税率の区分も一定となるので、年末に節税対策をする必要はない。この場合も年間を通して有効な節税対策を心掛けたい。年末に節税対策で経費を積み上げると翌年の経費が減る。それを補うために翌年の年末も経費の積み上げをすると、節税の負のスパイラルに陥るので注意しよう。

消耗品を購入して節税

 ここからは節税方法を具体的に説明していこう。まずは経費を増やす節税だ。

 損益計算書の経費の科目には荷造運賃費、水道光熱費、通信費、地代家賃など様々な科目がある。どの経費を増やしても納税額は減るが、支払った経費以上に税金が減ることはない。経費科目の中で、積極的に増やせそうな経費は旅費交通費、接待交際費、修繕費、消耗品費あたりだろう。

損益計算書には「荷造運賃費」「水道光熱費」「旅費交通費」「通信費」といった経費科目が並んでいる

 旅費交通費なら、遠方の取引先にあいさつに行って、今後の取り引きの増加につながれば有効な経費の使い方と言えよう。接待交際費も同様で、取引先との関係を良好に保つためには有効だ。仕事道具のメンテナンスも修繕費として経費となる。スマホのバッテリーの持ちが悪くなっていればバッテリー交換も有効な投資だ。

 魅力的であり、無駄遣いの温床とも言えるのが消耗品だ。経費科目の消耗品費にあたるのは10万円未満または使用可能期間が1年未満の少額減価償却資産のことで、簡単に言うと10万円未満の備品が対象となる。10万円未満の判定は、消費税の免税事業者であれば税込の購入価格で行う。通常、開業から2年間は免税事業者。そのあとで「消費税課税事業者選択届出書」を提出した記憶がなければ、税込で10万円未満なら消耗品費となる。

 対象となる品目は業種により様々。文房具などの一般的なものでもよし、IT系の人なら10万円未満のパソコン、スマホ、NAS、Wi-Fiルーターなどを新調すれば消耗品費の対象となる。

 「自分へのご褒美」と言い訳をして、過度に消耗品を購入して節税を行うと、現預金が減り、無駄遣いの可能性があることは前述したとおり。本当に必要なのか、今必要なのかをよく考えてから踏み出してほしい。

固定資産は全額経費にはならない(条件付きで例外あり)

 突発的にもうかったから、2万円、3万円じゃなくドーンと高額なものを買って経費を増やしたい、という人もいるだろう。残念ながら10万円を超える機械、器具などは固定資産となり、買った年に全額を経費することはできない。

 例えばクルマの場合は、長期に使用するため6年に分割して経費とする。6年=72カ月で分割するので12月に360万円のクルマが納車されても、その年に経費にできるのは1カ月分の約5万円だ。製品ごとに分割する期間=耐用年数が定められていて、クルマは6年、パソコンは4年、テレビとカメラは5年などとなっている。このように価格=価値を分割して経費にしていくことを減価償却という。

今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーはトヨタ「RAV4」

 「10万円以上のもの(=固定資産)を買っても、今年の経費になるのはわずかな金額なの?」と諦めることはない。減価償却には特例があり、10万円以上20万円未満の資産は、一括償却資産として3年で均等に割って償却することが可能だ。例えば15万円のMacBook Proを通常の4年(=48カ月)で償却すると12月に経費となるのは3000円程度、節税効果はほんのわずかだ。これを一括償却資産とすれば5万円ずつ3年で償却できるので、12月に買っても5万円をその年の経費とすることができる。

MacBook Proを15万円で買い、一括償却資産とすれば5万円ずつ3年で償却できる

 さらに青色申告を行っている個人事業主は、10万円以上30万円未満の資産を「少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(措置法28の2)」により、その年に全額経費として処理することが可能だ。これを摘要すれば30万円未満の固定資産を年末に買っても、全額をその年の経費にすることができる。

経営セーフティ共済のメリット/デメリット

 一時的に大きな節税が可能だが、解約するタイミングが難しいのが「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」だ。経営セーフティ共済は、取引先が倒産した際に、連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度で、掛けた金額の最高10倍(上限8000万円)まで無担保・無保証人で借入れができる。掛金は必要経費に算入できるので節税対策の1つとなっている。

 例えば月5万円、年に60万円預けたら(掛けたら)その年の経費を60万円増やすことができる。累積して200万円掛けてあれば、取引先が倒産して売掛金が回収ができないときは、細かな条件はあるが掛金の10倍の2000万円まで貸してくれる、ということだ。

「経営セーフティ共済」は連鎖倒産を防ぐことに加え、節税対策にも利用できる

 節税の側面に注目してみよう。経営セーフティ共済の掛金は毎月5000円から20万円まで5000円刻みで選択できる。年額にすると6万円~240万円を経費として計上できる。掛金の合計の上限額は800万円。掛けた金額に利子などは付かない。加入から40カ月(3年4カ月)以上経って解約すれば、掛けた金額が全額戻ってくる。

 もうかった年の12月に1年分(今年12月~来年11月)を前納すれば、最大20万円×12=240万円もの経費を増やすことができる。12月に前納する場合の注意点は、前納方法を「口座振替」ではなく「振込」を選択すること。年内に振込が完了すれば、全額がその年の経費となる。契約申込書の記入例(PDF)に、必要書類や前納の記入方法が記載されているのでよく読んでおきたい。

契約申込書の記入例(PDF)をよく読もう

 書類がそろえば銀行の最終営業日(2019年は12月30日)でも手続きは可能だが、書類の不備で出直しになることを考慮し、数日前に手続きをしたい。

 経営セーフティ共済は控除ではなく経費となる点にも注目したい。後述する「小規模企業共済」や「確定拠出年金」は所得税・住民税では掛け金の全額が控除となるが、国民健康保険は「小規模企業共済」「確定拠出年金」の掛け金は控除の対象とならないのが一般的。掛け金が経費となる「経営セーフティ共済」は、国民健康保険料も減らすことができる。

名古屋市の住民税の課税明細書。小規模企業共済が控除されている
名古屋市の国民健康保険料の計算式。控除されるのは基礎控除のみ

 デメリットは、解約時に所得となること。収支のよいときに解約すると課税所得が増え、かえって納税額が増えることとなる。「掛け止め」という制度があるので、収支が悪化したときに解約するとか、廃業するときに解約するとか、解約するタイミングを事前にシミュレーションしておきたい。

小規模企業共済は個人事業主の節税の切り札

 サラリーマンも個人事業主も共通な配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除などは、ある日突然ポンッと増やすことは難しい。個人事業主が控除を増やして節税をする場合、即効性があり大きく控除を増やせるのが「小規模企業共済」だ。小規模企業共済は経営者の退職金制度と呼ばれていて、納めた掛け金全額が、小規模企業共済等掛金控除の対象となる。年払いが可能なので年末に1年分を納めれば大きな節税となる。

「小規模企業共済」は節税の切り札
確定申告書には小規模企業共済等掛金控除の欄が用意されている

 小規模企業共済の掛け金は、月額1000円から7万円まで500円刻みで選択できる。年額にすると最大84万円だ。掛けた共済金は将来、一括受け取りや分割受け取りができる。積立預金をして、事業をやめたときに退職金、あるいは年金として受け取るイメージだ。

 消耗品を購入して経費を増やすと手元の現預金を支出することになるが、小規模企業共済の掛け金は将来戻ってくるので、経費を積み上げるより安心だ。すぐに必要なもの、すぐに欲しいものがない人は年末の節税にも長期的な節税にも最適だと思われる。

 掛け金を増やせば大きな節税ができる。もし業績が落ち込んだときは、掛け金を月額1000円まで減額するこができる。その後、業績が回復したら再び増額することができるので、業績の変化に柔軟に対応することが可能だ。減額した場合は運用面でデメリットもあるが、運用自体が低率なので節税の効果を考えればメリットの方が大きいと思われる。

 申し込みは金融機関などで受け付けているので、普段使用している銀行の窓口に行けばよい。こちらも12月の最終営業日までに手続きをすれば年内に加入できるが、書類の不備なども考慮すると数日前には手続きをしたい。

加入者急増中の個人型確定拠出年金(iDeCo)で節税

 「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は、2017年から基本的に全ての人が加入できるようになったため加入者急増中だ。2016年12月の加入者数は30万6314人だったが2017年から急増し、2019年10月時点の加入者数は141万1397人と3年で約4.6倍に拡大している。

「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の公式サイト

 個人型確定拠出年金(iDeCo)は、毎月の掛け金が5000円から1000円刻みで6万8000円(個人事業主の場合)まで選択できる。年額では6万円から81万6000円で、小規模企業共済と同じく納めた掛け金の全額が小規模企業共済等掛金控除として控除される。小規模企業共済と異なるのは、運用方法を自分で選択できること、加入資格が60歳未満、上限額が国民年金基金、国民年金の付加年金との合計額となる、などがある。

 以前は月払いしかできなかったが、2018年1月から年単位拠出が可能となった。12月から翌年の11月までで1回から12回の拠出が可能となり柔軟性は増したが、掛け金の増減が年に1回(12月分から翌年11月分)だけという制限があることを考慮すると、業績の浮き沈みに柔軟に対応するのは難しい。年末の節税対策よりは、年間を通しての節税に有効だろう。

 筆者は月払いのころから個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入していて、半年払い、年払いへの変更を検討した。掛金納付の都度=毎月の手数料(105円)を減らす目的で検討したが、60歳までの期間が短く、それほどのメリットはないと判断して見送った。60歳まで長期的に掛け金を納付する人は、年払いなどに変更すると、手数料を減らすことができる。

加入者掛金額変更届(PDF
加入者月別掛金額登録・変更届(PDF

 60歳で払い込みが終わるので比較的若い人向けとも考えられるし、掛け金の投資先を元本保証の商品や元本保証のない国内株式、国際株式、国内債券、国際債券、不動産投信などの商品と組み合わせることができるので、日頃から投資に興味がある人向けとも考えられそうだ。

 小規模企業共済は、掛け金と納付方法を選択するだけなので分かりやすい。これに対し個人型確定拠出年金は、銀行、証券会社、保険会社などそれぞれの金融機関で選択できる金融商品が異なるため、どこの金融機関を選んで、どの商品を組む合わせるかを決めるのが難しい。加入に際しては、やや、お勉強が必要かもしれない。

iDeCoは銀行、証券会社、保険会社など金融機関の選択肢が多い

 筆者の個人的な意見としては小規模企業共済、個人型確定拠出年金、経営セーフティ共済の順に検討をすることをお勧めしたい。

やっぱり青色申告特別控除

 最後に節税の真打ちの登場だ。白色申告の人が青色申告に切り替えて得られる代表的なメリットが、青色申告特別控除だ。単式簿記による記帳を選択すると10万円。複式簿記による記帳を選択すると65万円の控除が受けられる。経費で65万円を使ったり小規模企業共済に65万円を掛けたりするには、手元資金が必要となる。青色申告特別控除は資金がなくても、頑張って複式簿記で記帳すれば65万円の控除が受けられる。

 また、青色申告には青色申告特別控除のほかにも、固定資産のところで説明した、10万円以上30万円未満の資産を全額経費にできる「少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(措置法28の2)」や、赤字の3年繰り越しなど、節税メリットがいくつもある。白色申告をしている人で節税を意識している人は青色申告に切り替えることをお勧めしたい。

 ただし、白色申告の人が青色申告に切り替えるには手続きが必要だ。今年の秋以降に開業した人は、開始した日から2カ月以内に税務署へ「青色申告承認申請書」(PDF)を出さなければならない。開業から2カ月以上経過した人は、来年から切り替えるしかない。来年から青色申告に切り替える人は3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出しよう。

青色申告に切り替える人は「青色申告承認申請書」を提出しよう

 青色申告特別控除を受けるには「複式簿記による記帳」「期日までに確定申告」という条件を満たさなければらなない。簿記などの知識がないと「複式簿記?」と不安を感じる人もいるだろう。手書きの時代に複式簿記で記帳し貸借対照表、損益計算書を作成することはかなり高いハードルだったが、日常的にパソコンを使用しているINTERNET Watchの読者であれば、申告ソフト/サービスを使うことで複式簿記による記帳は可能だと思われる。

青色申告ソフトは節税の近道

 前述したように、節税を行う前に課税所得を把握し、税率区分を確認したい。そのためには売り上げや経費の集計が必要だ。集計するだけなら表計算ソフトでもできるが、確定申告時に自力で損益計算書や貸借対照表、確定申告書が作成できない人は最初から会計ソフト/サービスを利用した方が近道となる。

 申告ソフトはクラウド環境で使用するものとパッケージソフトでPCにインストールするものが存在する。調査会社が2019年3月に実施したクラウド型会計ソフト利用状況調査によると、会計ソフト利用者のうちパッケージソフトの利用者は72.3%、クラウド会計ソフトの利用者は18.5%で、年々クラウド会計ソフトの比率が増えている。同調査によるクラウド会計ソフトのシェアは弥生が57.0%、マネーフォワードが21.5%、freeeが18.2%などとなっている。

 依然として利用者の多いパッケージソフトのシェアを、POSデータの集計によるBCNランキングで見ると、60%前後のシェアを持つ弥生が15年連続1位。会計ソフトのデファクトスタンダード的存在と言える。

 クラウド環境で使用する会計ソフトは、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、交通カードなどの取り引き明細を取り込むことができる。1日に10件、20件の利用回数となる電車賃は、モバイルSuicaなどを利用することで膨大な件数の運賃を瞬時に取り込むことが可能だ。公共料金の引き落とし、ネット通販の消耗品など、膨大な領収書を手入力する手間が減るので、確定申告の作業時間を大幅に短縮できる。

 パッケージソフトでシェア1位の「やよいの青色申告 20」は、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、交通カードなどの取り引き明細を取り込むことができる。クラウド型と同様に膨大な領収書を手入力する手間が減るので、確定申告の作業時間を大幅に短縮可能だ。

 個人事業主向けの代表的な会計ソフトの価格を確認しておこう。

やよいの青色申告 オンライン

 「やよいの青色申告 オンライン」は、2020年3月16日(月)までに申し込めば、セルフプランが1年間無料。2年目以降は8000円/年(税別)となっている。初年度はもちろん、2年目以降も価格メリットは大きい。

Money Forwardクラウド確定申告(個人事業主向け)

 「Money Forwardクラウド確定申告」は、2019年4月から料金プランを変更。従来のベーシックプラン(8800円/年)がなくなり、パーソナルライトプランが1万1760円/年(税別)となっている。

freee

 「freee」はスタータープランが9800円/年(税別)だが、2020年5月から1万1760円/年に値上げされる(freeeヘルプセンター)。年払いの場合は2020年5月1日以降の支払い分からとなっているので、それまでに年払いをすれば1年分は9800円(税別)で利用できる。

やよいの白色申告 オンライン

 今年は白色申告、来年から青色申告に切り替える予定の人にお勧めなのは「やよいの白色申告 オンライン」だ。やよいの白色申告 オンラインは数少ない白色申告専用ソフトで、全ての機能がずっと無料で使用でき、白色申告ソフトでは一択と言ってよい存在だ。

やよいの青色申告 20

 「やよいの青色申告 20」はパッケージソフトなので、店頭、ネット通販、弥生のオンライン販売で購入ができる。実勢価格は1万1000円~1万2000円だが、“あんしん保守サポート”を実施中で、このサポートに加入すると次期バーションが無償提供されるため、2年間を通算すれば実質は5500円~6000円程度だ。

 繰り返しとなるが節税は事業の目的ではない。節税のために勢いで衝動買いをして経費を増やしても、事業の役に立たなければ無駄遣いとなってしまう。節税のための節税に陥らないように、冷静に計画的に節税対策を検討していただきたい。

「INTERNET Watch」ではこのほかにも、サラリーマンと個人事業主がぜひ読んでおきたい税金に関する記事を多数掲載しています。まとめページ『サラリーマンと個人事業主の税金の話』よりご参照ください。