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「パソコンを長く使いたい人」のためのPC購入ガイド ~長期保証と「今風のPC」を解説~
Windows 7のPCを買い替えるなら……
2020年1月23日 06:30
久々に買うからこそ「長く使いたい」「最新のものを買いたい」
Windows 7のサポート終了を機に「久々にパソコンを買う」という人も多いと思うが、その場合は、どれを選んだらよいのか分からない場合も多いだろう。
先週は「とにかく手軽に購入したい」というニーズに応える記事「『久々にパソコンを買う人』のためのPC購入ガイド ~格安ノートから中古まで~」をお届けしたが、「久々に買うからこそ、また長い期間使いたい」「久々に買うからこそ、“今のいいもの”を買っておきたい」という考え方の人も多いだろう。
そこで今回は、そうしたニーズに応える内容として、 重要な役割を担うPCが故障した際、手厚いサポートが受けられる長期保証サービスといった追加サービスや、最新の使い方が可能になる「モダンPC」「ゲーミングPC」といった最新仕様のPCを紹介したい。
今回のテーマはこれら「安心」と「トレンド」だ。
オプションの「長期保証」なら3~5年、訪問修理も付帯可能
一般的なPCにも、1年間の無償引き取り修理保証など「保証サービス」は付属している。ただ、故障したPCはメーカーに送付して原因を究明してもらわなければならないし、さらに修理工場で作業する必要もある。
再びPCが利用できるようになるためには、それなりに時間がかかるのだ。ビジネスでPCを利用する場合、こうしたロスタイムでチャンスを逃がすこともある。
また、個人用のPCに比べるとビジネスで利用するPCは利用頻度が高く、過酷な状況に置かれることも多い。それだけ故障の可能性は高くなるし、1年とは言わず、より長期間安心して利用できる仕組があると心強いと感じるはずだ。
こうしたニーズから生まれたのが、「有償保証サービス」である。これは、一般的なPCに付属する無償修理期間を4~5年間に延長したり、ユーザーが利用している場所に修理エンジニアを呼び、その場で修理してくれる「訪問修理」(オンサイト修理)を利用できるようにするものだ。
一般的なPCで利用できる保証サービスが無償、あるいはそのPCに付属するものであるのに対し、有償保証サービスはその名のとおり有償だ。加入できるのは基本的にはPC購入時で、必要な期間とサービス内容を確認して加入する。
以前は、企業向けPCに付帯できる企業ユーザー向けのサービスとして提供されていた。しかし最近では、個人用のPCにもほぼ同じ内容の有償保証サービスを付けて購入できるようになっている。こうした保証内容に魅力を感じるなら、加入してみるとよいだろう。
とくにモバイルノートPCなど、さまざまな場所に持ち込んで作業することが前提となっているPCでは、うっかりぶつけて落としてしまったり、コーヒーをこぼされたりと言ったトラブルにあいやすい。有償保証サービスに加入していれば、こうしたトラブルによる故障でも無償で修理が受けられる可能性が高い。
こうした有償保証サービスは、DellやHPなどの直販メーカーのほか、ASUSやレノボ、富士通クライアントコンピューティングやNECパーソナルコンピュータなど、大手のPCメーカーならおおむねサポートする。
ただ、複数年の無償修理サポートはどのメーカーも提供しているが、オンサイト修理や水濡れ、落下に対する対応は行なっていないメーカーもある。以下は個人向けPCで利用できる主な有償保証の内容の一例である。
有償保証サービスの例
メーカー名 | サポートサービス | 主な内容 |
Dell | Premium Support/Premium Support Plus | 最長4年間、引き取り修理サポート期間を延長できる。24時間365日のSupport窓口対応や、引き取り修理、ソフトウエアや設定に関する問い合わせなどにも対応する。 |
HP | HP Care Pack | 最長で5年まで引き取り修理期間を延長できる。コーヒーをこぼしたり、PCを落としてしまったりと言ったトラブルに対応できる「アクシデントサポート」や、出張修理サービスも追加できる。 |
Lenovo | 引き取り修理/オンサイト修理/プレミアサポート+翌営業日オンサイト修理 | 一般的な引き取り修理とオンサイト修理は最長で5年まで延長できる。依頼した日の翌営業日にはオンサイト修理に向かうというサービスもある。 |
ASUS | ASUS Premium Care | 購入したPCの引き取り修理期間を最長で3年間に延長できる。 |
富士通クライアントコンピューティング | 延長保証/ワイド保証 | 延長保証では、通常は1年の一般的な保証サービスを最長で5年まで延長できる。ワイド保証ではこれに加え、水こぼしや落下などといったトラブルもフォローする。 |
マウスコンピューター | 延長保証 | 対応機種は、標準1年間+2年延長の合計3年間の修理保証を付けられる。オンサイト修理は購入時に申し込み可能。 |
ここまではメーカーの保証体制を紹介してきたが、故障したらユーザーが自分で修理するのも一つの手だ。ノートPCは使われている部品や外装の固定方法が特殊で、内部にアクセスしにくいタイプが多いので自分で修理するのは難しい。しかしデスクトップPCは、意外と簡単に修理できたりする。
と言うのも、前回紹介したようなミニタワー、ミドルタワーと呼ばれる長方形の筐体を採用するデスクトップPCでは、CPUやマザーボード、メモリ、ストレージなどと言った基幹パーツについては規格品を利用している。そのため簡単に交換したり、拡張したりできるようになっているからだ。
たとえばメモリが原因でPCが起動しなくなってしまったのであれば、PCパーツショップやネットショップでデスクトップPC用のメモリを購入し、挿し換えればよい。ストレージも同様だ。CPUやマザーボードを換装するのはちょっと難しいが、自作PCの知識があればなんとかなることは多い。
修理する前に、何が原因で壊れたのかを究明できる程度の知識が必要にはなるが、時間をかけてメーカーに修理を依頼しなくても自分でなんとかできる可能性がある、というのは心強い。
ただ、こうしたデスクトップPCの中でも手のひらサイズのコンパクトタイプや液晶一体型は、ノートPC向けの部材を利用していることが多く、一般的なミニタワーやミドルタワータイプに比べると修理の難易度は高い。「自分で修理できるかどうか」を基準に選ぶのなら、あまりオススメはできない。
最新の使い方を想定した「モダンPC」
せっかく新しいPCを購入するのだから、今時の最新トレンドにも注目したい。最近よく聞くのが、「モダンPC」というキーワードだ。これは、Microsoftが提唱するモダンPCの定義に従ったノートPCのことである。
モダンPCと呼ばれるための条件としては、SSDを搭載してWindows 10やアプリを高速に起動できること、薄型筐体を採用しており、軽量で持ち運びが容易であること、タッチ操作や高精度なユーザー認証機能を備えていること、バッテリーによる長時間駆動に対応することなどがある。
こうした条件に合致するノートPCとしては、1kg前後か、1kg以下の超軽量モバイルノートPCが挙げられる。このタイプのノートPCは、ビジネスユーザーやアクティブな個人ユーザー向けの高価格帯モデルが主流であり、実売価格は15~25万円前後。各メーカーも力を入れて設計している製品ばかりだ。
実売価格が高めなこともあり、Intelの最新世代Core i7やCore i5など、高性能なCPUが搭載されている。モバイルノートPCは、CPU性能を限界まで使い切るような用途には使わないことが想定されるため、あまりこだわる必要はない。
同様に、ほとんどのモデルで8GB以上のメモリや250GB以上のSSDを搭載しているため、日常的な使い勝手や使用感で困ることはない。
液晶のサイズは12~14型が主流。一部に15型前後で1kgを切るモデルもある。画面サイズが大きければ大きいほど作業は快適になるのでオススメ、と言いたいところではあるが、モバイルノートPCではやや事情が変わってくる。
オフィスや家庭内で使うならまったく問題ないが、15型ともなるとビジネスバッグに入れにくく、喫茶店や公共交通機関の小さなテーブルには置きにくい。モバイル用途にはあまり向いていないサイズ感なのだ。どのような状況で利用するかをあらかじめ想定し、PCの液晶や本体のサイズを吟味したい。
このほかデザインやキーボードの使い勝手などが自分にマッチしているか、タッチペンへの対応などといった付加機能を判断基準に加えたい。
PCゲームのためには、最先端の「ゲーミングPC」を
PCで遊べる格闘ゲームやFPSゲーム、各種スポーツゲームが競技として認められ、高額賞金がかかったタイトル戦が頻繁に開催されるようになるなど、PCゲームはかつてない盛り上がりを見せている。
こうした状況もあり、「PCゲームを快適にプレイできるPCが欲しい」と思うユーザーも増えているのではないか。
ただしPCゲームは、高性能なCPUやグラフィックス性能を要求する「重いアプリ」の一つである。前回紹介したローエンドクラスのPCでは、まったく対応できない。
プレイしたいゲームによって予算は青天井とも言えるような状態ではあるが、人気のある最新PCゲームを快適にプレイしたいということなら、おおむね20~30万円前後を予算として考えればなんとかなる。
緻密で立体感のあるグラフィックスを多用するPCゲームでは、何よりもまずグラフィックス性能が重要だ。そしてこうした高度なグラフィックス機能を利用するには、大型で高価なビデオカードが必要だ。
サイズが小さいノートPCでは、そうした大型のビデオカードや高性能なグラフィックス機能を搭載するのが難しいため、基本的にはタワータイプのデスクトップPCが最適だ。BTOメニューで、NVIDIAの「GeForce RTX 2070 SUPER」や「GeForce RTX 2080 SUPER」といった高性能GPUを搭載するビデオカードを搭載できるタイプを選ぼう。
CPUはIntelなら「Core i7」や「Core i9」、AMDなら「Ryzen 7」や「Ryzen 9」など、高性能なハイエンドクラスのCPUを搭載していることが望ましい。高性能なビデオカードを搭載していても、CPUの性能が低いと足を引っ張ってしまい、描画性能が低下してしまうからだ。
もう一つ重要なのがストレージの容量。最新のPCゲームは、1タイトルで数十GBから100GB以上の大容量ファイルをゲームデータとして利用する。
そのため、複数のタイトルをインストールしておくなら、1TBクラスの大容量ストレージを用意しておく必要がある。SSDなら読み出しが速いため、PCゲームの起動が速くなる。
また、こうした高性能PCでなければPCゲームは楽しめない、というわけでもない。ゲームによって必要なCPUやビデオカードの機能は千差万別で、ゲーム中の設定次第ではミドルクラスのPCや、ノートPCでもPCゲームは楽しめる。
GeForce GTX 1660など、ミドルクラスのビデオカードを搭載するデスクトップPCや、ゲーミングノートPCを購入するのも一つの選択肢だ。
ちなみにこうしたゲーミングPCは、CPUやビデオカードのグレードが高いため、動画のエンコードや3Dグラフィックスの処理速度も速い。クリエイティブ用途向けのPCとして利用するのもよいだろう。