監視カメラの今
「自宅前のゴミ荒らし」もカメラ設置で正体確認! 普通の家でも便利な「玄関先劇場」をあなたの手に
2017年11月7日 06:00
これまで、高級住宅や店舗などで使われるイメージが強かった「監視カメラ」が一般家庭でも注目され始めている。ペット用などの屋内使用はもちろん、玄関先に設置することで、今まで知らなかった玄関先での出来事を目にできるかもしれない。
玄関先劇場をあなたの手に
監視カメラを玄関先に? 「ウチにはたいした資産もないし、近所の治安もいいし、そんな大袈裟なことをしなくても……」と思う人も多いかもしれない。だが、もはや一般的な家庭でも監視カメラの利用は、決して「大袈裟」なものではなくなりつつある。
例えば、留守にしている間、あなたは自宅にどんな人が訪れているのかを把握しているだろうか?
新聞配達、郵便、宅配便くらいは想像できるかもしれないが、それ以外にも、ごみ収集、水道やガスの検針、チラシのポスティング、訪問営業、自宅近辺の工事の案内、友人の訪問、近所のネコのパトロールなどなど……。玄関先は、それなりに人や動物の出入りがある空間だ。
今まで、そんな留守中の出来事なんて全く気にしなかったかもしれないが、24時間365日、休まず玄関先に目を向け続け、人や車の通過など、動くものを検知して自動的に動画を撮影できれば、そんな留守中の出来事も、つぶさに記録することができる。
「この人、決まってこの時間にウチにセールスに来るんだよなぁ……」。「娘はこの時間に学校に出かけて、この時間に帰ってきていたのか……」。「ヤツはこのタイミングでゴミを荒らしに来るのか……」。などなど、監視カメラの映像があれば、今まで知らなかったそんな玄関先での出来事を見える化できるというわけだ。
このような監視カメラは、これまで高価なカメラや専用の録画システムが必要となるため、導入の敷居が高かった。しかし、カメラの低価格化が進み、録画システムにクラウドサービスやNASを活用することも可能になってきた。
セキュリティ対策など、配慮すべき点も多々あるが、そういった注意点も含めて、家庭へ監視カメラを導入する方法を紹介していこう。
家にいるときも、あなたの目の代わりに
具体的な製品選びや導入方法の前に、監視カメラを導入するメリットについて、もう少し整理しておこう。それは、「防犯」「不在時の記録」「在宅時のリアルタイムチェック」の3つに大別できる。
監視カメラの王道“防犯”、万が一のときは証拠に
防犯は、監視カメラの王道の使い方だ。玄関先などに監視カメラを設置しておくことで、空き巣や放火などの犯罪を未然に防いだり、万が一、以下のような被害に遭ったときは、証拠として活躍してくれる。
- 空き巣対策
- 盗難対策
- 放火対策
- クルマへのイタズラ防止
- 不法侵入対策
犯罪者にとってみれば、カメラがある場所での行動はリスクが高くなるため、設置してあるだけでも一定の防犯効果が期待できる。また、ごみの投げ捨てや騒がしい行為といった、マナーに反するような行動も、カメラの目があることを広く知らせることができれば、防げる可能性がある。
本当にあった怖い話「宅配弁当盗難&弁当箱返却事件」
数年前、筆者宅では家事の軽減とダイエットの目的で、平日の夕食のみが自宅に届く宅食弁当を契約していた。
不在時の対策と配達対応が面倒だったため、弁当は、玄関前に置きっぱなしにした専用の保冷ボックスに入れてもらうことにしていた。
ある日、弁当を取り出そうと保冷ボックスを開けると、届いているはずの時間に弁当が入っていないことに気付いた。不思議に思ったが「頼み忘れたんだなぁ」と、その日は気にしなかった。
翌日、弁当を受け取ろうと保冷ボックスを開けると、何と「空の弁当箱」が玄関先の保冷ボックスに戻されていた。弁当箱を開けると、明らかに誰かが食べた後と思われる状態であった。
とても恐ろしい思いをしたため、即座に監視カメラを設置し、宅配弁当も即座に解約した。
弁当箱だけを戻すことで、許しを請うたようにも思えたが、ただただ気持ちが悪かったことを覚えている。
玄関先で起きた不在時の出来事を記録
冒頭で触れた玄関先の記録がこれに相当する。例えば以下のように、自宅を留守にしている間の訪問者や、玄関先で起きた出来事などをつぶさに記録できる。
- 来客チェック
- 宅配便や郵便配達のチェック
- 通行人や通行車のチェック
- ゴミ収集時間のチェック(自宅前収集の場合)
- 家族の帰宅チェック(ゆるやかな監視)
録画されているのが、ごく日常的な普段の様子では、一見意味がなさそうだが、例えば筆者宅では、ヤマト運輸は通常ルートならほぼ11時30分~12時に来ることや、平日の燃えるゴミを14時までに玄関先に出しておけば回収に間に合うことが分かった。
また、以前玄関先に出したゴミが荒らされることが何度かあった。カラスかと思ったが、カメラの映像によって、その犯人が近所の野良猫であることも分かった。
以前は、平日の夕方に近所の子どもが家の前の道路でサッカーボールを蹴っていたが、年齢が上がったからか、最近はすっかり映像で姿を見かけなくなった。
さすがに、あやしい人が意味もなく自宅を訪れる映像は、今のところ目にしたことがないが、何らかの心当たりがあるなら、そうした映像も記録できることだろう。
自宅にいるときにも屋外をチェックできる
監視カメラは、不在時だけに活躍するものではない。家にいるとき、リアルタイムに屋外の様子をチェックしたいときにも活用できる。
例えば、家でリラックスしているとき、以下のようなことがあっても、窓から顔を出したり、玄関を開けて対応しなくて済むわけだ。
- 外からの子どもの激しい遊び声
- 外で誰かが大声で騒ぐ声
- 深夜の来客
- 絶対ばれたくない居留守
直接対応すると、イヤミっぽくなったり、トラブルに発展しそうなシーンというのは、意外によくあるものだ。来客対応を避けたい何らかの理由があって、気配を完全に消したいことも、場合によってはあるだろう。
そういったときに監視カメラを設置しておけば、PCやスマートフォンで映像をリアルタイムに確認できるようになる。
今回は、監視カメラ導入におけるメリットを実例に基づいて解説しました。次回11月10日更新分では、個人・SOHO向けに低価格化が進み、購入しやすくなった監視カメラ製品の選び方について解説します。