清水理史の「イニシャルB」【特別編】
「Wi-Fiが遅い」は混雑のせい!? 快適なWi-Fi 6Eが+3000円ほどで手に入るバッファローの決定版「WSR-5400XE6」
- 提供:
- 株式会社バッファロー
2023年8月28日 06:00
日本解禁からもうすぐ1年、ついにWi-Fi 6Eを取り巻く状況が変わってきた。
PCやスマートフォン、タブレットなどのWi-Fi 6E対応が進み、つながる機器が身の回りで増えてきたほか、Wi-Fi 6E対応ルーターの価格が下がり、ミドルレンジのお買い得なモデルが登場してきた。
なかでも注目は、今回発売されたバッファローの「WSR-5400XE6」だ。実売価格1万7000円前後なので、Wi-Fi 6モデルに2~3000円ほどプラスするだけで、+6GHzのトライバンド対応機を手に入れることができてしまう。5GHz帯の混雑に悩まされているなら、一足先に、空いている6GHz帯へと避難してしまうのはいかがだろうか?
混雑が課題になり始めた5GHz帯
もしかして5GHz帯は、もはや快適とは言い難い状況なのでは……。
そんな状況を敏感に感じ取っている読者の方もいるのではないだろうか?
かつては2.4GHz帯に比べて空いていて快適と言われていた5GHz帯だが、2021年ごろからのテレワーク需要によって、Wi-Fi 6対応ルーターへの買い替えが進んだ結果、今やWi-Fiの接続に利用する電波の周波数帯の主流はすっかり5GHz帯となった。
玄関先やベランダなど、見通しのいい場所で、Wi-Fiの接続先を探してみれば分かるが、画面の一覧には、2.4GHz帯に加えて、5GHz帯のSSIDが多く表示される。
これら周囲のアクセスポイントが、在宅ワークによって平日昼間であっても、ビデオ会議や動画配信などで連続的に通信しているのだから、もはや5GHz帯であっても、空いている快適なチャネルを探す方が難しい状況と言える。
近ごろ、ゲーム機のWi-Fi接続が切れたり、つながったりすることがあるとか、動画配信の画質が自動的に低く設定されてしまうことが増えたとか、じわじわと混雑の影響が現実の利用シーンに表れていることを感じ取っている人もいることだろう。
対応機器が増え現実的な選択肢となったWi-Fi 6E
そこで選択肢として考えられるのが、昨年9月に国内解禁された6GHz帯が利用可能なWi-Fi 6Eだ。
利用者が急増している5GHz帯と異なり、Wi-Fi 6Eでは、現状、ガラガラに空いている6GHz帯を利用できる。これにより、近隣との干渉を気にすることなく、快適なWi-Fi環境を利用できる。
解禁された当初は少なかった対応機器の状況も一変し、すでにIntel系のWi-Fiアダプター(Intel AX211)搭載機はドライバーのアップデートでWi-Fi 6E対応となっている上、Google Pixel 7/7 pro/7a/Fold、Samsung Galaxy S23/S23 Ultra、SONY Xperia 5 IV/1 IVが対応済み。国内利用者が多いApple製品も2023年モデルのMacBook Pro、Mac mini、Mac Studio、Mac Pro、iPad Pro(11インチ第4世代と12.9インチ第6世代)が対応している。
今後登場の新型スマートフォンでも、モデルによる違いはあるかもしれないが、Wi-Fi 6E対応が当たり前になることが予想される。
次世代のWi-Fi 7の動向が気になる人もいるだろうが、国内登場は2024年以降になる見込みで、そこから同様にPCやスマートフォンの対応が始まり、さらにリーズナブルな価格設定になるのを待つとなると、本格的な普及は2~3年後ということになる。
そう考えると、「Wi-Fi 6Eを使う」、いや、「堪能する」のは、まさに今しかないと言ってもいいだろう。
Wi-Fi 6Eの普及に舵を切った国内市場のリーダー「バッファロー」
こうした市場の状況やユーザーの声を、いち早く汲み取ったのが、家庭用Wi-Fiルーターの国内市場をリードするバッファローだ。
昨年、Wi-Fi 6Eが国内解禁されたときも、いちはやく製品を市場に投入した同社だが、今回は、こうした5GHz帯の混雑状況と、Wi-Fi 6Eの本格普及の波をいち早く捉え、今回「WSR-5400XE6」というWi-Fi 6E対応ルーターの最新モデルをリリースした。
最大2401Mbps(6GHz)+2401Mbps(5GHz)+573Mbps(2.4GHz)の速度に対応したトライバンドのWi-Fi 6Eルーターで、前述したように、今までの2.4+5GHzはそのままにさらに6GHzをプラスで使えるのが特徴となる。
「Wi-Fi 6E」「トライバンド」と聞くと、これまではハイエンドモデルのうたい文句だったが、今回のWSR-5400XE6は、より広い層が手軽に手に取ることができるミドルレンジの普及モデル。実売価格も1万7000円前後と手に取りやすい価格設定がなされており、後述する機能の充実ぶりを考えると、かなりコストパフォーマンスが良好な製品となっている。
外観は、これまでのバッファロー製品の文脈を受け継いだオーソドックスなものとなっており、シックなデザインで、どのような環境にもなじむ印象だ。サイズも59×117×175mmと比較的コンパクトで、かつアンテナ内蔵、縦置きのスリムなスタイルなので、置き場所にも困らない。
こういった日本の環境になじむデザインは日本メーカーのバッファローならではと言っていいだろう。
もちろん、国内で主流になりつつあるIPv6 IPoE方式の回線に対応しており、つなぐだけで回線の種類などを判別して自動設定してくれる。セキュリティ機能も対応しており「ネット脅威ブロッカー2」がファームウェアのアップデートで後日対応予定となっている。
機能面では、全く不足を感じないどころか、後述する設定引っ越し機能なども含めると、かなり充実していると言っていいだろう。
また、ハードウェア面では、2.5Gbps×1のWAN/LANポートを備えている点も見逃せない(標準ではWAN側で使用。LAN側使用はアクセスポイントモードに切り替え)。1Gbps以上の回線を利用している場合に、高速な回線でゲーミングなどを楽しむことができる。
価格 | 1万7000円前後 |
CPU | - |
メモリ | - |
Wi-Fiチップ(5GHz) | - |
対応規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
バンド数 | 3 |
160MHz対応 | 〇 |
最大速度(2.4GHz) | 573Mbps |
最大速度(5GHz) | 2401Mbps |
最大速度(6GHz) | 2401Mbps |
チャネル(2.4GHz) | 1-13ch |
チャネル(5GHz) | W52/W53/W56 |
チャネル(6GHz) | 191-283ch(1-93ch) |
ストリーム数(2.4GHz) | 2 |
ストリーム数(5GHz) | 2 |
ストリーム数(6GHz) | 2 |
アンテナ | 内蔵 |
WPA3 | 〇 |
メッシュ | Wi-Fi EasyMesh |
IPv6 | 〇 |
IPv6 over IPv4(DS-Lite) | 〇 |
IPv6 over IPv4(MAP-E) | 〇 |
WAN | 2.5Gbps×1 |
LAN | 1Gbps×3 |
LAN(LAG) | - |
USB | - |
セキュリティ | ネット脅威ブロッカー2(後日対応) |
USBディスク共有 | - |
VPNサーバー | - |
動作モード | RT/AP/BR |
ファーム自動更新 | 〇 |
LEDコントロール | 〇 |
本体サイズ(mm) | 59×177×175 |
当然Wi-Fiでも1Gbps越え! 6GHzなら長距離でも約300Mbpsを実現
それでは気になる性能をチェックしていこう。以下は、木造3階建ての筆者宅でのiPerf3による速度測定結果だ。1階にWSR-5400XE6を設置し、1~3階の各地点で速度を計測している。
周波数帯 | 上り/下り | 1F | 2F | 3F入り口 | 3F窓際 |
5GHz帯 | 上り | 1130Mbps | 412Mbps | 202Mbps | 142Mbps |
下り | 1510Mbps | 621Mbps | 316Mbps | 259Mbps | |
6GHz帯 | 上り | 1360Mbps | 452Mbps | 221Mbps | 107Mbps |
下り | 1520Mbps | 680Mbps | 326Mbps | 298Mbps |
※サーバー:Ryzen3900X/RAM32GB/1TB NVMeSSD/AQtion 10Gbps/Windows11 Pro
結果を見ると、1階の同一フロアで下り1.5Gbpsを実現できており、1Gbpsを超える回線などを利用した際に、回線速度を生かせるようになっている。
床を1枚隔てた2階でも実効速度は下りで600Mbpsを超えており、十分な帯域が確保できている。これなら、複数台のPCやスマートフォンなどを接続しても、十分な速度が得られるだろう。
3階の長距離も優秀で、もっとも遠い3階窓際でも200~300Mbpsを実現できている。筆者宅の計測の場合、この地点で200Mbpsオーバーなら、優秀なWi-Fiルーターに分類できる。
肝心の5GHz帯と6GHz帯の違いだが、今回の検証ではほぼ同等となった。6GHz帯が若干有利で、下りは3階端で5GHz帯が259Mbpsなのに対して、6GHz帯が298Mbpsと6GHz帯が有利だったが、上りは逆に6GHz帯の107Mbpsに対して5GHz帯が142Mbpsと有利になった。
空いている6GHz帯の有利な面が下りで表れたものの、6GHz帯の長距離での通信が苦手という電波の特性が上りの結果につながった印象だ。
しかしながら、筆者宅の環境では、時間帯によっては、5GHz、特にW52(36~48ch)は混雑の影響で速度が落ちやすく、特に2階と3階で上記の結果の半分程度にまで速度が低下してしまうことも珍しくない。
一方で、6GHz帯は空いているため、時間帯に関係なく、上記の速度を実現できる。今回は、混雑していない早朝の時間帯に計測したため、差があまりないが、時間帯によっては混雑を避けられる6GHz帯の優位性がより現れる結果になるはずだ。
知人にも安心してオススメできる3つの「つながる」安心
このように、WSR-5400XE6は、ミドルレンジモデルとして充実した性能と機能を搭載しており、非常にお買い得感が高いモデルだが、もうひとつ特徴的な点がある。
それは3つの「つながる」安心だ。
ネットにつながる
1つめは「ネット」がつながる安心だ。同社の製品は、日本で設計された日本の環境のための製品だ。回線事業者との連携でさまざまなインターネット接続環境に対応できるほか、実利用環境での検証やチューニングが実施されており、日本の住宅事情、つまり実際にユーザーが使う環境に合った設計になっている。
今までどおりつながる
2つめは「今までと変わらず」つながる安心だ。本製品には、スマート引越し機能が搭載されており、今まで使っていたWi-Fiルーターから、Wi-Fiの設定(SSIDやパスワード)に加えて、インターネット接続、LAN、DHCP、セキュリティ機能などほとんどの設定を引き継ぐことができる。
このため、新しくWSR-5400XE6に買い替えても、自分や家族のPC、スマートフォンの設定を変更しなくていいばかりか、今までどおり、意識せずインターネットにつながるわけだ。
手間なく交換でき、手間なくワンランク上のWi-Fi環境にアップグレードできるのは、ほかにはない本製品ならではの特徴だ。
サポートにつながる
3つめは「困ったときに頼れるサポート」につながる安心だ。ここ数年、同社はサポートを強化する取り組みを進めており、電話でのサポートだけでなく、ウェブのチャット、LINE、X(Twitter)での問い合わせなど、ユーザーがアクセスできるチャネルを積極的に増やしている。
なかでもLINEによるサポートなどは、24時間365日、外出先など、どこでもつながることから、ちょっとした問い合わせをするための「待ち時間」を大きく短縮できるメリットがある。サポートの多チャンネル化によって、相対的に電話でのサポートもつながりやすくなる傾向にあり、ユーザーの困りごとが迅速に解決できるように工夫されている。
こうした「つながる」工夫によって、WSR-5400XE6は、価格面だけでなく、使い勝手の良さから万人におすすめできる本当の意味での「普及モデル」となっている。
本誌の読者の多くは、知人などからいろいろなIT機器の「オススメ」を聞かれることがあるかもしれない。知り合いや友人が手厚くサポートされ、困った状況になりにくいとなれば、製品を薦めた側としても安心だろう。スペックや性能ももちろんだが、こうした点からも、「オススメ」としてWSR-5400XE6を挙げて裏切られることはないはずだ。
Wi-Fi 6Eルーターの正統派本命モデル
以上、バッファローのWi-Fi 6E対応ルーター「WSR-5400XE6」を実際に使ってみたが、5GHz帯の混雑と、整いつつあるWi-Fi 6Eの状況という、ユーザーの声や市場動向を非常にうまく捉えた製品と言える。
製品としての性能も高く、コンパクトで日本の住宅に合っているのはもちろんだが、ユーザーが困っていること、悩むであろうことに対して、設計段階からサポートまで、いろいろな角度で手を当てているのはさすがと言える。
現状、Wi-Fi 6ルーターは、1万5000円前後が性能的にもお買い得な製品が揃っているが、たったプラス2~3000円で、このモデルが手に入るのだから、お買い得感も高い。自分で買うもよし、人に薦めるもよし、Wi-Fi 6Eルーターの正統派とも言える本命モデルと言ってよさそうだ。