清水理史の「イニシャルB」【特別編】

家族全員のiPhone写真のバックアップはまるごとおまかせ!! 「UGREEN NASync DXP6800 Pro」が家族で使うのに最適な理由
正式発売記念の割引キャンペーンを実施中
- 提供:
- 株式会社ユーグリーン・ジャパン
2025年6月9日 06:00
「UGREEN NASync DXP6800 Pro」は、6つのHDDベイを搭載するUGREEN NASのハイエンドモデルだ。NASとしては過剰とも思える10コアのCore i5プロセッサー、10Gbps対応のLANポート×2、大容量のストレージを高速で利用できる環境を自宅に用意できる。
現代的な「パーソナルストレージ」を標榜するUGREENのNAS用OSを、このパワフルなハードウェアで動作させると、「自宅サーバー」なんて古典的な発想ではなく、まるで家族や関係者のためのクラウドサービスを自宅で運営する「自宅クラウドプロバイダー」が実現できる。
特徴の1つでもあるThunderbolt 4は、Windowsとの相性を解決するための設定が必要になるが、10GbEを上回る1500~2000MB/s(12〜16Gbps相当)の転送も可能で、家庭向けにこそ高性能、という新しい発想の製品だ。
このUGREEN NASync DXP6800 Pro、ご存じの方も多いと思うが、先行して2月からクラウドファンディングで販売されていたもの。そしてこの6月から正式発売となった(クラファン時にはなかった8ベイモデルも加わっている)。なお、今なら正式発売記念のキャンペーン価格(15%オフ)にて販売中だ。
「パーソナル=小規模」だとは限らない
クラシカルなSMBベースの共有型NASとは異なり、ユーザーそれぞれにパーソナルなストレージ空間を提供する、それがUGREEN NASに共通する考え方だ。
SMBは標準で無効、NASの利用は同期がメインで、NASへのアクセスにはアプリを使用し、自宅内だけでなく、外出先からも簡単に利用できるという、現代的な発想の製品となる。現状、OneDriveやGoogle ドライブ、iCloudなどのクラウドストレージサービスを利用している人も多いかと思うが、こうしたサブスクリプションサービスを、買い切りのNASで置き換えようというわけだ。
中でも、今回紹介するUGREEN NASync DXP6800 Proは、日本で発売されるUGREEN NASシリーズでも上位に位置するモデルとなっており、HDD用のベイが6つに2つのM.2スロットを備えているほか、10コア(!)のCPU、最大64GBのメモリ(標準8GB)、10Gbps×2のネットワーク、PCIe x4スロット、最大40Gbps対応のThunderbolt4ポート×2という豪華な構成となっている。
一見、過剰なスペックのように思えるが、このハイスペックな製品も「パーソナル」という考え方から外れていないのが、UGREEN NASの面白いところだ。
「パーソナルクラウド」というと、2ベイの小型のNASを思い浮かべるかもしれないが、果たして「パーソナル=小規模」と単純に考えていいのだろうか?
スマートフォンに貯まった写真、高画質モードかつ連写で膨大な容量にもなり得るデジタルカメラの写真、趣味で始めた動画配信用のギガバイトクラスの録画データなどなど、今や個人で扱うデータは膨大になる。
むしろ、効率も求められるプロと違って、失敗や無駄も楽しみ方の1つとなる趣味のデータは、プロよりも容量が多くなりがちだ。後から冷静に眺めて、「なんでこんな連写したんだろう」とか、「なんでこんな長まわししてるんだろう」と思ったことがある人も少なくないだろう。しかし、それも含めて、データはすべて保存しておきたいという人も多い。
しかも、そんな効率度外視の使い方で、データをためまくるのが自分だけでなく、家族もとなれば、「2ベイのNAS?」なんて苦笑してしまうほど、膨大なデータの山に悩まされているケースすらある。
かといって、こうした、膨大なデータを持つパーソナル志向の強い集団向けのストレージとして、クラシカルなSMBのNASは相性が悪い。
共有フォルダーとユーザーフォルダーなんて話が通じないこともあるし、「¥¥サーバー名¥共有名」なんて理解してもらえない。かといって、ショートカットを作成するために家族のPCを触らせてもらえるとも限らない。
自分のデータは自分だけ。使い慣れた方法で、意識することなく。といった要望を満たそうとすると、やはり「クラウドストレージ」的な発想で使えながら、大容量を実現できるDXP6800 Proのような製品が視野に入ってくるわけだ。
気分はクラウドサービスプロバイダー
実際、DXP 6800 Proは、家族、もしくは仕事の取引相手などの、身の回りの人にストレージ領域を提供するのに便利な仕様になっている。
メールアドレスによる招待制でもユーザーを追加できるので、家族などを招待して、各人でアカウントを作成してもらうことができる。承認時にユーザーフォルダーの作成を選択すれば、ユーザーごとのパーソナルなデータ保管場所を提供できる。
欲を言えば、承認後の使い方を記したオンボードメールを送れるようになったり、管理者であってもユーザーの承諾なしには個人フォルダーにアクセスできないような仕組みもあったりすれば最高だったが、このあたりは今後に期待したいところだ。
スマートフォンの連携も簡単だ。iOSやAndroidアプリをインストールして、バックアップを有効にすれば、自動的に写真が個人フォルダーの内の「Photos」配下に保管される。もちろん、アップロードした写真を見るための「写真」アプリを開いても、個人ギャラリーに表示されるのは自分の写真のみとなる。
旅行の写真など、他のユーザーと共有したい写真があるなら、「友達のアップロード管理」からアップロード用のURLを生成して招待することもできる。各ユーザーが、自分で選んだ写真のみをアップロードして、みんなで共有できる。このように、メンバーがそれぞれ自由に使いながら、必要なときは簡単に共有できるのも、クラウド的な発想だ。
写真は1枚ずつだけでなく、複数の写真まとめたアルバム単位でも共有できるほか、一般的なファイルもリンクによる共有が可能で、外部アクセスのための設定なども簡単に済ませることができ、もちろんルーターのポート転送などの面倒な設定も必要ない。
まさに、自宅に設置したDXP6800 Proがクラウドの一部になったかのような感覚で、自分、家族、関係者、任意の第三者と、広い範囲の人とデータを共有することができる。
こうした使い方は、NASの容量に余裕がないとためらってしまうが、6ベイのDXP6800 Proなら、最大で160TBもの容量を確保することが可能だ。例えば、今回の構成では、16TBのHDDを6台搭載し、RAID 6で65.4TB、RAID 10で49TBの容量を実現できる。
家庭で利用するとなると、さすがに16TBのHDDは手が届きにくいので、もう少しリーズナブルな価格の容量にしたいところだが、仮に4TBのHDD×6で、RAID 6構成でも16TB分の実容量を確保できる。シンプルにNASの性能として、ベイの数が多いというのは、大きなメリットと言えそうだ。
動画の保管も楽々な10Gbpsを生かした高速アクセス
家庭用のNASとして、DXP6800 Proを選ぶことは、快適さという点でも魅力的だ。
もちろん、本製品の実力をフルに発揮させるには、10Gbpsのネットワーク環境が必要になる。しかしながら、10Gbps対応の回線の普及、海外製を中心とした10Gbps対応スイッチの低価格化などもあり、ハードルは確実に下がっている。
また、本製品はネットワークブリッジの設定により、2ポートある10Gbpsポートをスイッチのように利用することができる。例えば、10Gbpsに対応したWi-FiルーターにDXP6800 Proのポート1を接続し、ポート2をPCに接続する。
ブリッジを正しく構成すれば、これでポート2に接続したPCは、NASにも10Gbpsで接続できるだけでなく、ポート1に接続されたWi-Fiルーターにも10Gbpsで接続でき、もちろんインターネットにも接続できる。
つまり、10Gbps対応のスイッチがない場合でも、最低限、PCとDXP6800 Proを10Gbpsで接続できることになる。
このような10Gbpsの速度をフルに生かせば、大容量データのコピーが楽になる。例えば、4GBの動画ファイルをNASからPCにダウンロードしたときの速度が以下のようになる。ストップウォッチでの計測で9秒ほどでアップロードが完了し、Windows上の転送速度の表示も0.9GB/sとなった。これは速い!
10Gbps環境のメリットは、ギガクラスのファイルの扱いにためらわなくなることだ。容量が大きくても、コピーに時間がかからないし、動画編集などは厳しいが、NAS上にファイルを置いたままネットワーク経由で大容量のファイルを開いたり、編集したりできる。
ちなみに、実際のファイル転送の速度は、ストレージの構成によっても異なる。アプリでの推奨はRAID 5になっているが、RAID 5は耐障害性が低いためおすすめしない。最低でもRAID 6を選択すべきで、速度を重視したいなら容量は少なくなるがRAID 10の構成がおすすめとなる。
Windows環境のThunderbolt接続は電源モードとMTU変更を推奨
本製品にはThunderbolt 4ポートが2つ搭載されている。当初はドライバーが搭載されていなかったためネットワークとして利用できなかったが、現状のファームウェアでは利用可能になっている。
Windowsの場合は、USB4対応のケーブルを利用して、PCのUSB4ポート(Thunderbolt 4ポート)と直結することで、Microsoft USB4 P2P Networkアダプターとして認識され、通信が可能になる(IPアドレスの設定などが必要)。
ただし、本稿執筆時点で、本製品のThunderbolt 4は、標準設定で利用するとNAS→PC間は15Gbps以上で通信できるが、PC→NAS側の転送速度が200MB/s前後で頭打ちになってしまう。この現象は、メーカーの開発チームでも把握しており、今後のファームウェアアップデートで何等かの対策をするとのことだ。
原因はMTUの不一致と考えられる。WindowsはThunderboltアダプターのMTUが標準で62000に設定されているが、DXP6800 Pro側は主にMac環境での利用を想定して1500に設定されている。Thunderboltは伝送媒体を占有するP2P接続なので、Windowsとしては大きなMTUを設定しているが、NAS側が1500なので、フラグメント処理が発生している可能性が高い。
このため、本製品ではMTUを手動で設定可能になっている。プリセットの値として9000を選択できる以外に、カスタム設定でWindowsと合わせた62000を設定できる。さらにパフォーマンスを向上させるには、DXP6800 Proの電源管理モード(コントロールパネルの「ハードウェアと電源」)で、「ハイパフォーマンス」を選択することで、PC→NAS間の通信速度を大幅に改善できる。
前述した10Gbps環境と異なり、Thunderboltは2000円ほどのケーブル1本で20Gbpsの通信ができるので魅力に感じている人も多いかと思うが、PC→NAS方向の速度が遅い場合は設定を変更してみるといいだろう。
SSDの使い道はどうする?
また、本製品は、M.2スロットが2基搭載されており、NVMe SSDを装着することもできる。SSDの用途に関しては、キャッシュとして利用する方法と、シンプルにストレージとして利用する方法がある。
HDDのパフォーマンスを向上させたいのであれば、以下の記事でも紹介されているようにキャッシュとして利用するのが効果的だ。
▼10GbE対応のNASはどれだけ速い? RAID 5と6と10でどれが速い? M.2 SSDはどこまで速い? いろいろ実験してみた!!(Sponsored)
しかしながら、NASで利用する場合、耐久性の高いエンタープライズ向けの製品の利用が推奨されるため、コンシューマー向けのSSDをキャッシュに利用したり、RAIDを構成した状態で利用したりすると、SSDの寿命を縮めることになる。メーカーによっては、NASでの利用を保障しないケースもある。
とは言え、個人ユーザーで利用する場合、もちろん自己責任にはなるが、価格の安いコンシューマー向けのSSDを利用せざるを得ない。この場合、キャッシュではなく、通常のストレージとして利用するといいだろう。負荷のかかるRAID構成にはせず、SSD1枚ごとにBASICでシングル構成にするのがおすすめだ。
用途としては、アプリのインストール先として利用するのもおすすめだ。これによりストレージへのアクセスとアプリへのアクセスを分離でき、アプリ側の動作速度を向上させられる。DXP6800 Proは、さまざまなアプリを利用可能だが、特に仮想マシンやDockerなどの環境で、SSDの高速性が生きてくる。
また、アプリの保存先をHDDと別のプールに構成することで、プールを再構成するときにアプリが影響を受けないメリットもある。例えば、ストレージの故障などで、最悪、プールを削除し、再作成することになっても、別のプールとなるSSDに保存されているアプリは影響を受けないため、再インストールの手間がない。
もちろん、SSD側に共有フォルダーを作成しておけば、一時的なデータ保管やNAS上にデータを保存したままネットワーク経由でファイルを編集したい場合などでも高い速度を維持できる。個人的には、容量重視の領域と速度重視の領域を分けて運用する方が効率的に思える。あくまでも一例だが、参考にしてほしい。
リッチなCPUの使い道
高性能なCPUの使い道については、仮想マシンでの利用が面白い。
標準の8GBのメモリでは少々厳しいので、Linux系で、動かせるマシン数も1~2ほどになるかと思うが、自宅クラウドプロバイダーとしてサーバーを提供するのもいいし、ファイルサービス以外の機能を提供するサーバーを構築するのもいいだろう。
何をインストールするかは考えどころだが、本稿も広告あっての媒体なので、あえて微妙な言い方をするが、「フィルタリング機能を備えたDNSキャッシュサーバー」あたりはニーズが高そうだ。最近では、ルーターでもフィルタリング機能を搭載している製品があるが、不要と思われるサイトや悪質なサイトへのアクセスをブロックすることができる。
DXP6800 Proは、高性能なCPUによる高速処理、10Gbpsの高速な通信経路を持っているため、アクセスが集中するDNS関連の処理も楽に対応できるだろう。
このほか、標準機能を活用するのであれば、画像認識の独自モデルの作成に活用したい。そもそも、本製品はAIを活用した写真の認識機能が充実しており、「人物識別」「写真内のテキストを認識」「類似・重複写真識別」「シーンとオブジェクト認識」「ペット認識」「画面識別」など、写っているものを自動的に判断して写真を分類してくれる。
これらのモデルを軒並み有効にしても、DXP6800 Proなら、CPU使用率は10%前後と大きな負担にならない。遠慮なく、AIの力を活用できるのもハイエンドモデルならではの贅沢だろう。
これ以外に「カスタムモデル」の作成が可能となっており、車、飛行機、電車、馬など、手元にある写真から被写体を認識するモデルを作成できる。試しにトレーニングを実施してみたが、こちらもCPU負荷は10%前後で大きな負担にならない。こうしたAI機能に豊富なCPUパワーを使えるのは、やはりハイエンドモデルとなるDXP 68000 Proのメリットと言えるだろう。
おそらく、多くのユーザーは、趣味で特定のジャンルの写真を楽しんでいる人が多いと思う。「馬」や「車」などといった大きな分類で写真を分類するのではなく、種類まで分類したいという場合は、この機能は非常に便利だ。写真を趣味にしている人には、非常に魅力的な機能と言えるだろう。
クラウドファンディングで異例の注目
本製品の魅力は、実際に製品を使っているユーザーの多さにもある。
先行して2月からクラウドファンディングによる支援を募集していたが、5月1日時点で、支援総額10億2254万6592円、 支援者数1万6848名と、この分野の製品としては異例の額と支援者数を集める結果となった。
この結果は、本製品の魅力を示すものでもあるが、実際に製品を使って、すでにいろいろなノウハウを蓄積しているユーザーが多いということでもある。
インターネット上で分からないことを質問しても回答してくれる人が多いことが期待できるし、独自のノウハウや一歩踏み込んだ活用方法などを紹介しているサイトや動画も多いということになる。
実際、筆者も現状は標準機能として搭載されていない外付けストレージへの定期的なバックアップ機能を実装しようとcronでryncを動かすテストをした。いろいろな事情が許せば「フィルタリング機能を備えたDNSキャッシュサーバー」の導入方法などと一緒に、そのうち動画にしたいと思っている。
また、結果的に、この支援の大きさが、製品を改善する原動力にもなっていると考えられる。今回、Thunderboltの件で同社と何度か情報のやり取りをしたが、開発チームは現状の製品の課題を真摯にとらえており、多くのファンの声に応えようと、その改善に日々努力している様子がうかがえた。
正直、本製品には、他にはない素晴らしい魅力がある一方で、まだ発展途上で足りていない部分も少なからずある。個人的には、いろいろ言いたいところはあるが、それを埋めようと開発陣が努力しているのは確かだ。
なお、すでに開始されているが、6月3日から公式サイトで割引キャンペーンも実施されている。クラウドファンディングに参加しそこねたという人も、キャンペーン価格でUGREEN NASシリーズを購入できるので、検討してみるといいだろう。
▼UGREEN NASync DXP6800 Proのキャンペーンはコチラ
家庭用NASとしては圧倒的な高性能のUGREEN NASync DXP6800 Pro。スイッチいらずで10GbEを使い倒す方法ブリッジ接続の方法や、10G以上の速度が出せるThuderboltの設定方法、高性能CPUを生かした仮想マシン構築、そして外付けHDDへの定期バックアップ方法など、DXP6800 Proの性能を最大限引き出すためのテクニックを清水理史氏が動画で紹介します。