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確定申告超入門。無料で白色申告・青色申告を乗り切ろう

~エクセル? 会計ソフト? 確定申告ツールの選び方~

 今年も確定申告の時期がやってきた。過去に何度も経験している人は「面倒くせ~」「時間かかる~」などと思っているだろう。初めて確定申告をする人は「税金はよく分からない」「何から始めたらいい?」「自分でできるのか?」と不安を感じている人がいると思う。今回は確定申告のベテランも初心者も望むであろう「コストをかけたくない」「早く済ませたい」「簡単にできたらうれしい」を目指して、「安い・早い・簡単」をテーマに確定申告を乗り切る方法を探してみたい。

 確定申告の初心者で「税金はよく分からない」という人は、所得税の概要を理解した方が確定申告を楽に進めることができる。例えば「売上-経費=所得」「配偶者控除や生命保険料控除で納税額が減る」「課税所得×税率=所得税額」といった基礎的なことは、以下の掲載済みの記事を一読いただきたい。

税理士? 手書き? エクセル? 会計ソフト?
あなたに最適な方法は……

 初心者が確定申告を乗り切る際に考えられる、いくつかの方法を「安い・早い・簡単」で検証してみよう。

税理士の友人にタダで丸投げ

 安い ★★★★★
 早い ★★★★
 簡単 ★★★★★

 もし友人に税理士がいて、通帳、領収書、請求書などを渡して、タダで確定申告に必要な書類を作成してくれたら「安い・早い・簡単」を実現することができる。早いか否かは友人の都合によるが、自分の労力は取られない。とは言え、現実的には友人に税理士がいない人は多く、いたとしても繁忙期にタダで引き受けてくれる可能性は低い。

税理士に丸投げ

 安い ★
 早い ★★★★
 簡単 ★★★★★

 普通に(友人でない)税理士に依頼する場合の費用はピンキリだ。事業規模や業種により作業量が異なるのでそれにより金額は上下するが、すべて自分で作成してチェックだけお願いするなら数万円。領収書、請求書、入出金などを毎月送って記帳(入力)してもらい、申告時に決算までお願い(=丸投げ)すると数十万円。コストを気にしないなら、税理士丸投げは楽ができる。

自分で手書きで作成

 安い ★★★★★
 早い ★
 簡単 ★

 簿記の知識があれば自分で手書きすればコストはかからない。白色申告であれば簡易帳簿に記帳し、収支内訳書と確定申告書を提出する。青色申告であれば複式簿記で記帳し、損益計算書、貸借対照表、確定申告書を提出する。

 お小遣い稼ぎ程度の事業規模で白色申告なら行けそうな気もするが、それなりの規模で青色申告をするなら相当ハードルは高く「複式簿記って何?」という人には厳しい。目先の出費はなくても、自分の労力をお金に換算するとコスト面も安くはない。

自分でエクセルを使用して作成

 安い ★★★★
 早い ★★
 簡単 ★

 エクセルを持っていれば目先のコストはかからない。長期的にはオフィスソフトの購入に費用は発生すると思うが、普段使用しているエクセルを確定申告に流用すると考えれば追加のコスト負担はない。白色申告の簡易帳簿なら難易度は低めだが、青色申告の複式簿記による記帳や総勘定元帳などの帳簿作成まで自力で行うには簿記などの知識が欲しい。エクセルで記帳・集計ができれば国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して損益計算書、貸借対照表、確定申告書などが作成できる。難易度は低くないがコスト面は魅力だ。

 エクセルで売り上げや経費を集計する場合、件数が増えると労力も増える。筆者自身が起業したころに「手間がかかるなあ」と感じたのは交通費。カード式Suicaの履歴を券売機で印字して、エクセルに手入力して旅費精算書を作成していた。効率アップを目指し、OCRやパソリも試したがうまく行かなかった。電気代の記帳は年間12件で済むが、電車賃は1日分で10~20件を入力することもあり、1年分の入力には膨大な手間がかかった。

自分で会計ソフトを使用して作成

 安い ★★★★★
 早い ★★★★
 簡単 ★★★

 確定申告の初心者に会計ソフトはなじみがないと思うので少し説明をしておこう。市販の会計ソフトは多くの製品がある。青色申告用が主流であり、白色申告専用のものは少ないが、ほとんどの青色申告用ソフトは白色申告にも対応している。一昔前の会計ソフトはPCにインストールして使用していたが、ここ数年はクラウド環境(ウェブブラウザーを利用)で使用する製品が増えてきた。インストール型の会計ソフトはWindows対応が主流だったが、クラウド型の会計ソフトはMacにも対応した製品が多いことも特徴だ。

 MM総研の「クラウド会計ソフトの利用状況調査」によると、会計ソフト利用者のうちクラウド会計ソフトを使用している人は13.5%であり、PCインストール型会計ソフトを使用している人(75.5%)と比べまだまだ少ないが、過去の調査結果から推移を追うと着実に増えてきている。

右の円グラフ。会計ソフト利用者うちクラウド会計ソフトを使用している人は13.5%
クラウド会計ソフトの利用者は増えている

 ここ数年、会計ソフトで注目されている機能は、インターネットバンキングやクレジットカード、電子マネーなどの明細をインターネットを利用して取り込めるアグリゲーション(集約)機能だ。銀行、クレジットカード、電子マネーなどのデータが自動的に入力(記帳)されれば、業種によっては1000件を超える入力作業が不要となるため大幅な時間短縮が可能だ。

 このアグリゲーション機能を「クラウド」と表現することもあり混同されがちだが、クラウド環境で使用する会計ソフトにもアグリゲーション機能に対応するものとしないものがあり、PCにインストールする会計ソフトにもアグリゲーション機能に対応するものとしないものがある。インターネットバンキング、クレジットカード、モバイルSuicaなどを利用している人は、アグリゲーション機能に対応した会計ソフトを選択したい。

 INTERNET Watchの読者はインターネットバンキングなどを利用している率が高いと想定して話を進めよう。「手書きで記帳」「エクセルに手入力」と比べるとアグリゲーション機能に対応した会計ソフトは圧倒的に早い。価格は年額1万円前後のものが多いが、ずっと無料や初年度無料といった製品も存在しているのでコストを抑えることは可能だ。

 簡単か、と問われると答えに苦慮する。「エクセルって簡単?」と聞かれても少々答えに困る気がする。エクセルだって使い始めたころはフィルターやピポットテーブルは理解できなかった。何を基準に判断するかが難しい。

 例えば、エクセルで作成した住所録で、年賀状の宛名印刷をするとしよう。エクセルでハガキの郵便番号の枠に郵便番号をレイアウトして、毛筆フォントで宛名を印刷するのは容易ではない。検索すると、ワードを組み合わせると可能と分かる。

 しかし読者の中には「その住所録を年賀状ソフトに取り込めばいいんじゃね」と思う人がいるだろう。年賀状ソフト(=専用ソフト)は目的に特化しているので宛名印刷は簡単だ。会計ソフトも同様で、簿記の知識がなくても複式簿記で記帳してくれるし、通信費、接待交際費、消耗品費などを自動的に集計してくれる。貸借対照表の見方を知らなくても会計ソフトが貸借対照表を作成してくれる。操作に慣れる必要はあるが、会計ソフトは確定申告を乗り切る際の強い味方になってくれるはずだ。

 「安い・早い・簡単」どれを優先するかは人それぞれだ。11年前、筆者は税理士の友人がいなかったので、会計ソフトを購入して、時間をかけて初めての確定申告を乗り切った。振り返れば自力で申告をしたお陰で税金の知識も得られたし、節税の方法も知ることができたので正しい選択だったと思う。想定外だったのは、翌年から10年もこうして税金に関する記事を書いていることだ。

ずっと無料の白色申告専用ソフト

 初めて確定申告をする人で青色申告の手続きをしていない人は、2017年分の確定申告は白色申告となる。念のために言うと、2018年分(2019年2~3月申告分)から青色申告に切り替えたい人は、今年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出しよう。

 白色申告をする人の中には「会計ソフトを利用する規模ではない」「会計ソフトはコストがかかる」「会計ソフトを使うメリットが分からない」と思っている人がいるようだ。売り上げも経費も数えるほどしかないのであれば手書きでもエクセルでも大丈夫と思えるが、入金の件数や領収書の枚数がそこそこあるなら会計ソフトの導入を検討する価値はある。

 白色申告をする人にお勧めしたいのは、白色申告専用の会計ソフトでずっと無料で使用でき、アグリゲーション機能に対応している「やよいの白色申告 オンライン」だ。フリープランであれば、すべての機能が使えてずっと無料。電話、メール、チャットによるサポートが受けられるベーシックプランは初年度4000円(税別)となっている。

 「やよいの白色申告 オンライン」を使う最大のメリットは「スマート取引取込」というアグリゲーション機能だ。銀行、クレジットカード、電子マネーの明細を取り込んで自動仕訳をしてくれる。ピンとこない人もいると思うので、実際に筆者が取り込んだデータを見ていただこう。

 1つ目は、モバイルSuica。iPhoneでピッと改札を通過した利用履歴が「やよいの白色申告 オンライン」に取り込まれ、自動的に「旅費交通費」に仕訳されている。エクセルに手入力していたころと比較すると数十倍、数百倍の時間短縮となった。

取り込まれたモバイルSuicaの利用履歴。金額の入力ミスもなくなるし、仕訳も自動。この画面キャプチャ―の左外には日付なども表示されている

 2つ目は、ETC(高速道路)の利用履歴だ。利用した区間も取り込まれ、仕訳も自動的に「旅費交通費」となっている。

 3つ目は、WAONカードを利用した宅配便の利用履歴だ。経費は業種によってさまざまだが、こまごまとした領収書が1000枚を超える人もいると思うので、エクセルの手入力を「やよいの白色申告 オンライン」に切り替えると大幅な効率アップが可能だ。

ETCの履歴。利用した区間、料金、科目は「旅費交通費」に仕訳された
宅配便の履歴。科目は「通信費」となった。科目は通信費も正解だが、筆者は「荷造運賃」派。変更すると自動学習機能が働く

 現金で支払った経費は手入力となる。例えば100均で文房具を買った場合は「かんたん取引入力」の画面から[よく使う取引]をクリックし「文房具」を検索すると、プルダウンに[文房具の購入]と表示されるのでこれを選択する。科目が「消耗品費」と仕訳され、摘要欄に「文房具」が自動的に記入されるので、金額欄に216円を入力し登録すると現金で購入した取り引きの記帳が完了する。

「かんたん取引入力」の画面から[よく使う取引]をクリック
「文房具」を検索すると、プルダウンに[文房具の購入]と表示される
科目に「消耗品費」、摘要欄に「文房具」が自動的に記入される。金額欄に216円を入力し登録
記帳が完了する

 「スマート取引取込」で自動取り込みをして、現金支出など取り込めなかった分を手入力をすれば記帳は完了する。記帳さえ終われば、確定申告書を作成する作業は指示に従って住所や生命保険などを記入して印刷すればすべて完了となる。

確定申告は手順に従って進む
住所などを記入する
家族の誕生日などを記入する
生命保険、配偶者控除、扶養控除などは保険の種類、配偶者の所得、子の年齢などを判断して控除額を算出してくれるので、調べる必要もなく間違いもなく安心
収支内訳書が完成した
確定申告書も完成した

2回分の青色申告が無料

 開業届と同時に青色申告承認申請書を提出した人は、青色申告をすることで青色申告特別控除などの特典が受けられる。青色申告は白色申告よりも作成する書類の難易度が高くなるが、青色申告に対応した会計ソフトを使えば初心者でも乗り切ることはできる(筆者にもできた)。

 確定申告を短時間に楽に済ませたいならアグリゲーション機能は必須だ。アグリゲーション機能と青色申告に対応した会計ソフトの価格を調べると、電話サポートなしで年額(税別)で8000円、8800円、9800円などとなっている。その中ですべての機能が使えて初年度1年間(最大14カ月)、無料で使えるのが「やよいの青色申告 オンライン」だ。

「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料
※注1:「クラウド会計ソフトの利用状況調査」MM総研調べ、2017年4月

 最大14カ月となっているので、2018年の2月に申し込むと2019年の3月末まで無料で使える。と言うことは、2017年分、2018年分の2年分の確定申告が無料でできるということだ。ちなみにそのまま2019年分の確定申告で使用する場合は年額8000円(税別)。消費税が8%の間は税込8640円と、条件を満たす製品の中では最も低価格な設定となっている。

 「やよいの青色申告 オンライン」の「スマート取引取込」(アグリゲーション機能)は、「やよいの白色申告 オンライン」と同じだ。次の2つの画像は取り込むことのできるサービスの画面だが、青色申告も白色申告も同じサービスに対応している。

「やよいの青色申告 オンライン」のサービス連携の画面
「やよいの白色申告 オンライン」のサービス連携の画面

 参考までに、銀行、クレジットカード、電子マネーなどの連携は、弥生が提供する口座連携と、外部サービスの「Money Look」「Zaim」「Moneytree」が利用できる。ほとんどの金融機関はいずれも対応しているが、銀行の法人口座と連携する場合は口座連携を使用する。

 事業資金の融資などに縁のない筆者はメガバンクを利用しているが、足袋屋さんがランニングシューズの製造に必要な設備投資で融資を受ける場合、地元信金などをメインバンクにすることがあると思う。メジャーでない金融機関は4つのサービスのどれかがデータの取り込みに対応していることを確認しておこう。

 金融機関以外にもタブレット型POSレジのデータの取り込み、クラウド請求書サービスのデータの取り込みなど、いろいろなサービスに対応しているので、うまく利用すると大幅な効率アップが可能となる。筆者の回りでも人気の高い「MISOCA」は請求書の作成サービスだ。こちらも有料プランが1年間無料というキャンペーンを実施中している。

 「やよいの青色申告 オンライン」も作業の流れは同じで、まずは「スマート取引取込」で大量にデータを記帳する。次は現金で支払った経費を手入力する。このとき、青色申告は複式簿記による記帳が求められるので白色申告よりも少しハードルが高くなる。

 複式簿記の記入例を見てみよう。借方、貸方という確定申告初心者には意味不明な表記方法で記入しなければならない。ザックリ説明すると、「文房具は現金で買った。電気代は銀行引き落としだ。」というお金の流れがより詳しく記載されているのが複式簿記による記帳だ。

 これを「やよいの青色申告 オンライン」で記帳してみよう。「かんたん取引入力」の画面から[よく使う取引]をクリックし「文房具」を検索すると、プルダウンに[文房具の購入]と表示されるのでこれを選択する。科目が「消耗品費」と仕訳され、摘要欄に「文房具」が自動的に記入される。取引手段のプルダウンから[現金]を選択し、金額欄に216円を入力し登録すると記帳が完了する。仕訳された取り引きを見ると借方に「消耗品費」、貸方に「現金」と複式簿記で記帳されたことが分かる。入力中は複式簿記を意識する必要はないが、しっかり複式簿記による記帳ができているのは会計ソフトのお陰だ。

「かんたん取引入力」の画面から[よく使う取引]をクリック
「文房具」を検索すると、プルダウンに文房具の購入」と表示されるのでこれを選択
科目が「消耗品費」と仕訳され、摘要欄に「文房具」が自動的に記入される
取引手段のプルダウンから[現金]を選択
金額欄に216円を入力し登録
複式簿記で記帳された

 売り上げ、経費などすべての取り引きを記帳したら、住所、名前、社会保険、生命保険、扶養家族……などの情報を指示に従って入力していけば、損益計算書、貸借対照表、確定申告書などが自動的に完成する。

医療費控除は新たにセルフメディケーションに対応している
損益計算書が完成した
貸借対照表も完成
確定申告書も無事に完成した

確定申告の初心者にはアラート機能がありがたい

 このように「スマート取引取込」は記帳スピードを激早にしてくれる。「かんたん取引入力」は簿記の知識がなくても記帳を簡単にしてくれる。確定申告書などの提出書類も容易に作成できるのが会計ソフトだ。MM総研の調査では会計ソフトを使用していない人が半数ほどいて、手書き、エクセルという人が大勢いるらしい。会計ソフトなしの確定申告など考えられない筆者は「皆、スゲーなあ」と感嘆してしまう。

 筆者自身は会計ソフトを使うメリットとして「早い・簡単」に加え、「間違いを指摘してくれる」アラート機能の存在があると思っている。記帳した内容に整合性が取れていないと「間違ってませんか~」と会計ソフトが発する警告でミスに気付いたことは何度もある。

 例えば、青色申告の記帳を始めるときに現金残高や預金残高を入力すると「貸借金額が一致していません」と警告が出る。初心者には「何言ってんだ?」という感じだが、指示に従うと元入金を自動計算して正しく修正をしてくれる。

「貸借金額が一致していません」と警告が出る
指示に従うと元入金を自動計算して正しく修正をしてくれる

 次は、10万円以上の備品を間違って「消耗品」と仕訳した例だ。10万円以上の備品は固定資産なので減価償却をしなければならない。このケースでは「固定資産でないか確認してください」とミスを指摘してくれた。エクセルではこのような指摘はしてくれないので、専用ソフトならではの気配りは確定申告初心者にありがたい。

10万円以上の備品を「消耗品費」と登録したら「固定資産でないか確認してください」とミスを指摘してくれた

 この辺りのアラート機能はPCにインストールする会計ソフトで10年以上シェア1位、クラウド会計ソフトでもシェア1位の弥生ならではと感じさせてくれる。

今どきの会計ソフトと仲良くする方法

 筆者は2006年に起業したので今年12回目の確定申告を迎える。ここ数年はアグリゲーション機能のお陰で、以前より短時間で申告作業が終わるようになった。最後にアグリゲーション機能に対応した今どきの会計ソフトを使う上で参考になりそうなことをいくつかお伝えしよう。

1.初期設定は大切

 PCにインストールする「やよいの青色申告」は初期設定の項目がものすごく多い。それをすることで後々の操作が楽になる。「やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」はついつい「スマート取引取込」でドバーッとデータを取り込みたくなるが、最低限の初期設定をしておくと後の処理が楽になる。

 初期設定の代表は勘定科目、補助科目の設定だ。個人事業主の経費には“按分”という考え方がある。例えば携帯電話の通話料、通信料は「通信費」と仕訳する。仕事専用のスマホ、プライベート専用のスマホと2台持ちしていれば問題はないが、1台で仕事と私用を共用する場合、仕事7割、私用3割のように按分して、仕事分だけを経費とする。

 通信費には請求書を送るための切手代なども該当する。切手代は100%仕事の経費だ。この場合、通信費の補助科目として「携帯電話代」を作り、携帯電話代だけ按分し、他の通信費は100%経費と処理する。同様に「水道光熱費」の下に「電気代」「ガス代」といった補助科目を作り、電気代は6割が経費、ガス代は1割が経費といった感じで按分することがある。

「水道光熱費」と「通信費」に補助科目を作成した

 デフォルトで用意されていない勘定科目も必要なら作成しよう。筆者の場合「取材費」という科目を作成し、デジカメのレビュー記事を書いていたころは、動物園などの入園料を取材費としていた。

 初期設定で作成した勘定科目、補助科目は「スマート取引取込」の科目に反映される。「スマート取引取込」は学習機能があるので、東京電力という経費を[水道光熱費]→[電気代]と仕訳すれば、次回の取り込みからは自動的に補助科目まで自動仕訳される。

2.「スマート取引取込」に合わせる

 読者の中にはガラケーからスマホに代わってライフスタイルが変化した、NASを導入してデータ管理が一変したなど、テクノロジーの進化の影響を感じている人もいるだろう。ここ数年、筆者は「スマート取引取込」を意識して経費の支払いをするように変化した。

 カード式SuicaをモバイルSuicaに変更し、現金払いしていた宅配便もWAONで支払うようになった。コインパーキングの支払いもカードにし、ETCも専用のクレジットカードを用意するなど、確定申告が楽になるように支払い方法を工夫している。

 筆者はこまめに記帳をしない派なので、1年分の領収書を箱に保管している。その箱も2つ用意して、現金払いなど手入力が必要な領収書と、「スマート取引取込」で取り込める領収書に分けて保管するようになった。支払い方法、領収書の保管など普段からスマート取引取込を意識しておくと、確定申告の作業は楽になるはずだ。

3.「スマート取引取込」は削除作業から

 「スマート取引取込」を使用すると、膨大なデータが取り込まれる。その中には事業と関係ない取り引きが多数ある。まずは事業に関係ない取り引きを削除する作業から始めよう。次の画面は、カード払いした国民年金の明細だ。絞り込み機能を使って検索し、[取引の登録]→[しない]とし、取り引きを確定させれば削除される。[取引の登録]→[する]を確定するとその都度、会計ソフト側に移動するが、削除は「スマート取引取込」の画面のままなので削除から始めた方が作業効率がよくなる。

経費とならない取り引きを検索し、[取引の登録]→[しない]で取り引きを確定し、削除する

4.独立を考えたら「やよいの白色申告 オンライン」

 初めて確定申告をする人に残念なお知らせをしよう。銀行、クレジットカード、電子マネーなどの履歴は、2017年分(1月~12月)のデータを取り込めない金融機関がある。例えば、筆者がメインで使用している三菱東京UFJ銀行は基本、前月の1日までしかデータ取得ができない。2018年の2月に取得できるのは2018年1月1日以降だ。ジャパンネット銀行は過去5年のデータが取得できる。クレジットカードも同様で、カード会社ごとに履歴が取れる期間は異なっている。

VIEWカードは2017年3月引き落とし分(1月使用分)まで履歴を取得できるので、2017年1月分は今ならデータ取得できる

 よって初年度は金融機関によっては半年しか取り込めなかったり、全く取り込めないこともある。しかし、今から「スマート取引取込」を設定すれば、前月1日までしか取り込めない三菱東京UFJ銀行でも2018年分の履歴を全部取り込むことは可能だ。もともと「Money Look」「Zaim」「Moneytree」を使用している人はラッキーだ。そこに蓄積された履歴は「スマート取引取込」で使用することができる。

「Moneytree」の画面。筆者の一押しはこの「Moneytree」だ

 もし読者の中に近いうちに起業しようと考えている人がいたら、とりあえず「やよいの白色申告 オンライン」を使って「スマート取引取込」の設定をしよう。起業するのが来年以降になっても、ずっと無料なので費用はかからない。同様に「Money Look」「Zaim」「Moneytree」などのサービスに銀行やクレジットカードを登録しておけば起業したときに役に立つだろう。

不安ならサポート付きプランという選択もあり

 「安い・早い・簡単」のうち、安い、早いに関しては、「やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」は多くの読者が納得できる製品だと思う。簡単に関しては「お金を払って税理士に丸投げ」以外は、そこそこ簡単 or それなりに難しいと思っている。

 筆者自身はエクセルよりは会計ソフトの方がはるかに簡単と感じているし、筆者が起業したころより多くの情報がインターネットに存在しているので、検索能力の高いINTERNET Watchの読者なら、筆者が思うより簡単かもしれない。

 もしどうしても不安な人は「やよいの白色申告 オンライン」のベーシックプランは電話、メール、チャットサポートが付いて初年度4000円(税別)。同じく「やよいの青色申告 オンライン」のサポート付きベーシックプランは初年度6000円(税別)なので、最初の1年はサポート付きプランにして様子を見ることも可能だ。皆さんの健闘をお祈りする。