トピック

iPhoneの容量がヤバい!! 最新NASを導入したら自動バックアップ&画像はAIが勝手に整理してくれてめっちゃ便利だった

QNAPの2ベイNAS「TS-233」とデータ復旧3年付きのSeagate製HDD「IronWolf」の組み合わせで、「快適」&「安心」NASが完成

QNAPのNASがあればスマホの容量不足も、ファイル管理の煩わしさも一気に解決

 家族の写真や動画をガンガン撮影して、食事や風景もパシャパシャ撮っていたら、いつの間にかiPhoneのストレージがパンパンに。自動でバックアップしてくれるはずのiCloudも容量不足でアップグレードを促される始末。大容量の最新端末にしても、iCloudをアップグレードしてもキリがないし、一体どうすれば……。

 そんな困りごとを抱えているなら、意外と手軽に導入できる最新のNASを使って、iPhoneの容量不足をあっという間に解決してみてはいかがだろうか。

 最新のNASなら、外出先からのリモートアクセスも簡単なうえに安心だし、大量に保存した写真も、AI技術によって、写っている人やものごとに自動で整理もしてくれるのだ。

 しかもNAS用に開発されたHDDで、QNAPでも検証済みのSeagate「IronWolf」シリーズを組み合わせれば、24時間稼働しっぱなしのNASであっても高い耐久性と安定性があるのに加えて、3年間の「Rescueデータ復旧サービス」が付帯するなど、安心して長く使い続けられるのだ(IronWolfの詳細については後述)。

 というわけで、今回はQNAPの家庭・SOHO向け最新NAS「TS-233」が、iPhoneをはじめとするスマートフォンの容量不足やファイル管理の煩わしさをいかにスマートに解決してくれるのかを、紹介していきたい。

QNAPの家庭・SOHO向けNAS「TS-233」とSeagateのNAS用HDD「IronWolf」を使いながら解説していく

Amazon.co.jpのSeagateの限定セールでは、QNAPの2ベイNAS「TS-233」や4ベイNAS「TS-433」と「IronWolf」シリーズをセットを、最大8000円オフのクーポン付きで販売している

iPhoneの写真データを楽々NAS保管、AIで分類整理まで自動化!

すぐに一杯になりがちなスマートフォンの容量不足をNASで解決するには?

 QNAPのNASは実にさまざまな機能を備えているが、スマホの容量不足を解決するという意味では、自動でバックアップと分類整理をしてくれるアプリが大きな助けになってくれる。NAS上で動作するアプリと、スマホアプリを連携して使うことで、簡単にそれらを実現可能だ。

「Qfile」アプリであっさりバックアップ完了

QNAPのNASと連携するスマホアプリ「Qfile」

 まず、QNAPのNASにスマホの写真・動画ファイルをバックアップしたいなら、スマホで「Qfile」アプリをインストールしよう。アプリを起動してセットアップ済みのNASに接続することで、スマホに保存している写真や動画などのファイルを自動認識し、NAS上の所定のフォルダにアップロードしてくれる。長年蓄積してきた写真・動画がすべてアップロードされるまでには時間がかかるかもしれないけれど、バックグラウンドで処理するように設定しておけば、あとは放置でOK。早くもバックアップは完了だ。

自動アップロードの設定画面。アップロードするタイミングやアップロード先のNAS上のフォルダなどが設定できる
スマホ内のファイルが自動でどんどんアップロードされていく

 ちなみに最近のiPhoneでは、写真がJPEG形式ではなくHEIF形式(拡張子は.HEIC)と呼ばれる新しいフォーマットで保存されている場合がある。HEIF形式の画像は他の端末だと表示できない場合もあったりして、ちょっと扱いが難しいファイルなのだけれど、「Qfile」ではHEIFファイルをそのままアップロードすることも、JPEGに自動変換してアップロードすることも可能。さらにHEIFとJPEGの両方をアップロードするようにも設定できる。iPhone側のカメラ設定で保存する画像形式を変更しなくても、高画質な写真をしっかりバックアップしてくれるので安心だ。

HEIF形式の画像ファイルはJPEGに自動変換してアップロードできるようにもなっている

デジカメ写真も「Hybrid Backup Sync」でソッコー取り込み

デジカメで撮影したSDカードの写真や動画もNASに取り込める

 もしかするとスマホだけでなく、ここ一番のときはデジカメも使って印象的な写真を残している人もいるかもしれない。スマホの写真は最近だとクラウドストレージに簡単にバックアップできるようになったけれど、デジカメの写真はいちいちPCに取り込む必要があったりして面倒。しかし、QNAPのNASならそれも手間なくバックアップできる。用意するのはNAS用のアプリ「Hybrid Backup Sync」だ。

QNAPのNAS用のアプリ「Hybrid Backup Sync」

 「Hybrid Backup Sync」を使うと、NASのUSBポートにストレージを接続して正面のボタンをワンプッシュするだけで、ファイルを取り込んでNAS上の所定のフォルダに保管できる。デジカメの場合はSDカードに保存されることが多いと思うので、いつも使っているSDカードリーダーをUSBポートに接続し、そこにデジカメのSDカードを差し込めばいい。しばらく待てば丸ごときれいにNASに取り込めてしまう。これでスマホの写真もデジカメの写真も、NASでまとめて管理しておけるわけだ。

USBポートにストレージが接続されたときにNASの所定のフォルダに取り込むよう設定
USBポートにSDカードリーダーとSDカードを差し込んでボタンを押せばファイル取り込みがスタート、あとは取り込みが終わるのを待つだけ

写真・動画の閲覧、管理は「QuMagie」アプリで

写真・動画閲覧用の「QuMagie」アプリ

 スマホやデジカメのSDカードなどから取り込んだ写真を閲覧したり、管理したりするときは、NASとスマホの両方に用意されている「QuMagie」アプリがおすすめ。なんといっても、アップロードされた写真をAI技術で自動分類してくれるので、ユーザーがわざわざ1つ1つファイル整理するような手間が省けてしまうのがこのアプリのスゴいところだ。

 写真をアップロードするとNAS上で画像処理が始まり、しばらくすると「人物」「モノ」「場所」といった名前の「アルバム」ができあがり、さらにそのなかで細分化されたアルバムに分類される。たとえば「モノ」のアルバム内では「アートと音楽」「スポーツ」「交通」「自然」などのアルバムが作られ、その中により細分化されたアルバムや写真が保管される形になる。しかも「TS-233」の場合、NPUを搭載してるので、顔認識速度も従来比の1.3倍という速さを実現している。

「Qfile」などでファイルをアップロードするとNAS上で画像処理が開始
ファイルが自動で分類される
「モノ」に分類されたアルバムを開くと、今度はさらに細分化されたアルバムが
「スポーツ」のアルバムにはきちんとそれらしき写真が分類されていることが分かる

 この時点でずいぶん整理されてしまっているので目的の写真はかなり見つけやすくなるのだけれど、「人物」のアルバムについては、AIが写真内の人物の顔を抽出し、その人物ごとに写真を分類してくれたりもする。ユーザーがすべきことは、それらに名前を付けるだけ。家族の写真を整理するのにも手間はほとんどかからない。

「人物」に分類されたアルバム
1人1人の名前を付けて分かりやすく整理できる

 ただ、AIといっても万能ではないので、ユーザーによってはもっと細かく分類したい、と思うかもしれない。そういうときは任意のタグを写真ごとに付加する。そうするとそのタグ名のアルバムが作られ、独自の分類で写真を見ていけるようになる。タグは写真ごとに1つだけ設定するよりも、むしろ複数のタグを設定した方が、後で振り返るときに分かりやすくなるはずだ。

「鉄条網」と自動分類されていた写真。ちょっと分かりにくいのでタグを追加する
「サーキット」と「バイク」というタグを追加して設定してみた

「Qsirch」で文書ファイルも、画像データもキーワード検索

NAS上のファイルを全文検索できる「Qsirch」アプリ

 NASに保管できるのは、当然のことながら写真や動画だけではない。OfficeドキュメントやPDFなどの文書ファイルも保存して、後でいつでも参照できる。ただ、画像と違ってサムネイルを見ただけでは中身を判別しにくいのがネックだ。とはいえそういうときにも、QNAPのNASならスマートに解決できてしまうのだ。

 ファイル探しに役立つQNAPのNASならではの強力なツールが「Qsirch」という全文検索アプリだ。NAS用、スマホ用、Windows用のアプリが用意されていて、NAS上に保管しているファイルをテキスト検索できる。Windows用アプリはPCのローカルとNAS上のファイルの両方を対象に検索可能だ(macOSではFinderと統合され、別途アプリのインストールは不要)。

 それだけではない。通常、キーワードによる全文検索はファイルの中身がテキストのものしか検索対象にならないが、「Qsirch」は画像も対象になるのが特筆すべきところ。画像の特徴を表すキーワードで検索することもできるし、画像に含まれる文字列をターゲットに検索することもできる。たとえば「植物」というキーワードで検索すると植物の写真と「植物」の文字列が含まれる文書ファイルがヒットする。

「植物」と検索すると植物らしい画像が見事にヒットした

 この機能は学校に通う子供がいる家庭にも便利だ。学校からはたびたびプリントが渡されたりするもので、紙で保管しておくのはスペースもとるし、どこに行ったのか分からなくなりがち。スマホのカメラで撮影したり、スキャナーで取り込んでデジタル化するのもアリだけれど、画像だと結局のところ検索しにくいという課題は残る。でも、「Qsirch」があれば万事解決。ペーパーレスにできるうえ、画像もテキスト検索できるので、素早く目的のプリントを探し出せるのだ。

学校で配られるプリントなどの書類も、とりあえず画像化してNASに取り込んでおけば検索できるように

クラウドストレージもバックアップしてさらなる安心を

 ところで、先ほどのSDカードの写真取り込みのところで紹介した「Hybrid Backup Sync」のもう1つの活用方法も紹介しておきたい。同アプリはUSB接続したストレージからファイルを取り込めるだけでなく、クラウドストレージサービスに保管しているファイルをNASに同期する機能もあり、これを利用することでもっと利便性をアップさせられる。

「Hybrid Backup Sync」にはクラウドストレージと同期する機能もある

 今となってはおそらく多くの人が、DropboxやOneDrive、Google ドライブなどのクラウドストレージサービスを利用していることと思う。スマホで撮影した写真、ダウンロードしたファイルなどなどが自動でアップロードされ、ある意味勝手にバックアップができてしまうので、十分なクラウドストレージ容量さえあればそれで十分、なんて思うかもしれない。

 しかし、万一のことを考えるとやはりクラウドストレージだけでは不安がある。なぜならオンラインのサービスのため、サービス自体やネットのトラブルでダウンする可能性があり、そうなると復旧までアクセスできないことになるからだ。大事な、すぐに使いたいファイルがクラウドストレージにしか存在しないとなれば困る場面も出てくるだろう。また、データが多くなればその分大容量のクラウドストレージを契約しなければならず、コストが上がることはあっても減ることはない。

 もちろんクラウドストレージは便利なサービスなので、容量とコストのバランスを取りながら上手に使いたいが、クラウドに保存しているデータも丸ごとNASに同期して、いつでもアクセスできるようにすれば、安心感はぐっと増す。なので、「Hybrid Backup Sync」はぜひとも活用したいツールの1つだ。

クラウドストレージサービスからNASに随時ファイルをコピーするように設定したところ
クラウドストレージの完全なバックアップがNASにもあれば安心度大だ

 なお、QNAPのNASではさらに「myQNAPcloud」という機能も用意している。これは簡単に言えば、外出先からも宅内のNASにアクセスできるようにする仕組みだ。専用のクラウドサービスを経由してNASにアクセスするようになっており、ルーターのポートを開くといった面倒な設定なしで容易にリモートアクセスが可能になる。もちろんその分セキュリティという面でも安心だ。もし外出時にクラウドストレージサービスがダウンして、宅内のNASにあるファイルを参照したくなったとき、この「myQNAPcloud」が助けになってくれるだろう。

外出先からも宅内のNASにアクセスできるようにする「myQNAPcloud」
リモートから利用できるサービスを限定したり、アクセスに必要なパスワードを設定したりできるので、セキュリティ面でも安心度は高い

家庭で使うならQNAP「TS-233」と「IronWolf」がベストな組み合わせ

 今回解説したスマホの写真・動画の保管、書類の全文検索、クラウドストレージのバックアップといった一般的な家庭用途においては、ハイスペックなNASである必要はない。多くの場合はQNAPのエントリーモデルNASである「TS-233」で十分にカバー可能だろう。

 「TS-233」は、HDDを最大2台内蔵できる2ベイモデルで、4コアのCPUと2GBのメモリを搭載し、QNAP独自のNAS用OS「QTS 5」に対応する。外観は家庭にもなじみやすいホワイトを基調にしたデザインで、スリムなボディのおかげでスペースを取らないから置き場所に悩むこともない。

スリムで家庭になじみやすいデザインの「TS-233」
背面には1GbEポートとUSBポート×2を、前面にUSBポート×1を設けている

 NASとして稼働させるには別途HDDを1台もしくは2台購入し、組み合わせて利用することになる。最初にHDDの取り付け作業をすることになるが、工具を使わず簡単に装着できるツールレスデザインになっているのも特徴。セットアップは説明書と管理画面の指示通りに進めていくだけで、NASとして最適なファイルシステムで初期化され、迷うことなく使い始められるから、NAS初心者でも不安はないはず。

底面のネジを1本、コインなどで回せばカバーを外すことができる
カバーを外したところ。HDDをこの内部に装着する
トレイに載せてサイドのパーツを押し込むだけで固定できる
1台か2台のHDDを装着したらカバーを元通りにして準備完了だ
電源を入れ、WebブラウザーでNASにアクセスして初期設定を開始
RAIDの細かい設定は特に意識することなく、デフォルトで最適な形で使い始められる

 ただ、1つだけ注意しておきたいのは、NASに組み合わせるHDDを何にするかというところ。NASは基本的に24時間365日稼働し続けることになるので、通常のデスクトップPC用のHDDは避け、耐久性の高いNAS用HDDを選ぶのが正解だ。QNAPのWebサイトには、NASのモデルごとに検証済みの推奨HDDなどを案内している「互換性一覧」ページがあるので、それを参考にしたい。

 推奨されているNAS用HDDのなかでも、たとえばSeagate製の「IronWolf」は、「TS-233」をはじめとするQNAPのNASとの相性が抜群だ。メーカーでは耐久性などを測る160項目以上の品質テストをクリアし、75℃という高温下での動作も確認しているとのこと(動作保証温度は65℃まで)。動作不良に影響しかねない振動を検出し、そうした状況でも安定した転送速度を保てる仕組みや、HDDの健康状態を常時把握する「IronWolf Health Management」による障害の事前検知などの仕組み、さらにはQNAP NAS側のセンサーなどとの連携によって、高い安定性と壊れにくさを実現している。

SeagateのNAS用HDD「IronWolf」

 そのうえで、HDD内のデータにアクセスができなくなるような障害がもし発生したときには、3年間のうち1回に限り無償対応してくれる「Rescueデータ復旧サービス」が付いている。扱うものがプライベートのファイル中心だったとしても、それが失われてしまったときのダメージは計り知れない。可能な限り安定して動作し、いざというときの“保険”がしっかり用意されているHDDを選ぶことは、NASを使ううえでは非常に重要だ。その意味で「IronWolf」シリーズは安心感の大きいHDDと言える。

 ちなみに、「IronWolf」の派生モデルとして最近リフレッシュしたばかりの「IronWolf Pro」というより高耐久、高性能な製品もラインアップしている。耐久性についてはワークロードで従来の300TB/年から550TB/年に増加。また、信頼性についても、MTBF(平均故障間隔)が最大120万時間から最大250万時間に増加しているという。どちらかというと企業で扱うような大容量NASに向いたHDDだが、在宅勤務していて仕事データも自宅できっちり管理しなければならないような人は、「IronWolf Pro」でさらなる安心・安全を突き詰めるのも良さそうだ。

「IronWolf」よりもさらに耐久性、信頼性に優れた「IronWolf Pro」という選択肢も

2023年は余計なコストも手間もかからないスマートなファイル管理を目指そう

 スマホで撮影した写真や動画の保存は、比較的安価に利用できるクラウドストレージサービスに頼りがちなところではある。けれど、それは決して確実なバックアップ方法とは言えない。サービスが突然止まってしまうかもしれないし、無料もしくは低価格で利用できると思っていたら、いきなり有料化されたり値上げされたりして、そのたびに乗り換え先を探すため苦労することもありうる。

 そんなところに、便利なアプリで日々進化していくQNAPのNASを導入すれば、スマホの容量不足やファイル管理の手間、クラウドストレージの問題に悩まされずに済み、そのうえ手元の自宅ネットワークで必要なときに素早くデータを見ることができる。

 さらにSeagateの「IronWolf」をHDDに選べば、トラブルにコスト負担なく備えられるのもメリットだ。そろそろ年末年始ということで、新しい気持ちで2023年を走り出すという意味でも、QNAP NAS+IronWolfでデータ管理周りの環境をスマートに一新してみてはいかがだろうか。