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捜査のためなら何でもあり? デバイスへの侵入やSNSログインを認めるトンデモ法案が豪州で可決

 犯罪捜査が目的であれば裁判所の令状なしに個人のデバイスをハッキングしたり、SNSアカウントへとログインすることを認める法案がオーストラリアで成立し、波紋を広げている。

 今回、オーストラリアで可決されたのは、同国の警察および犯罪情報委員会が、犯罪などの捜査にあたって個人のデバイスをハッキングしてデータをコピーまたは削除したり、ソーシャルメディアのアカウントへのログインを可能にするというもの。ユーザーの同意が不要なのはもちろん、裁判所の令状すらも必要ないなど、権利の濫用を防止する仕組みがないことから恣意的な運用が懸念され、人権活動団体をはじめとしたさまざまな団体が反対の声を上げている。「Digital Rights Watch」は、秘密の会話をしたい場合は周囲にデバイスがない状態で直接行うとともに、仕事とプライベートを複数のデバイスやアカウントで分離するよう呼び掛けているほか、ドイツ発の暗号化メールサービス「Tutanota」の公式ブログは、東西に分断されていた同国の歴史から得られた教訓として、オーストラリアの国民はプライバシーを守るために国家による監視と戦わなくてはならないと主張している。