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Wikipediaと一語一句同じページが続々? Wikipedia対抗サービス「Grokipedia」が物議

 Wikipedia対抗として公開された「Grokipedia」から、Wikipediaほぼそのままのページが多数見つかり、物議を醸している。

 Grokipediaはイーロン・マスク氏が手掛けるWikipedia対抗の百科事典で、2週間前にローンチが予告され、このたびバージョン0.1が公開された。ところが、その内容はというと、英語版Wikipediaの約12%にも相当するページがWikipediaを引用しているなどお粗末な内容。「このコンテンツはWikipediaから引用しており、クリエイティブ・コモンズ表示-継承4.0ライセンスに基づいています」というフレーズが掲載されており、ライセンス上の問題はないとしても、Wikipediaを超えると豪語していた同氏の理想には程遠い。また、一語一句同じページの存在も複数確認されており、Wikipediaの広報担当者は「GrokipediaでさえWikipediaの存在を必要としています」と皮肉を述べる有り様だ。内容が偏向的であることは、ファクトチェックを行ったとするAI「Grok」が自ら認めており、海外メディア「The Register」では「事実の提示においては中立的ではなく、むしろマスク氏の個人的見解を支持するAI雑多マシンだ」と一刀両断している。

 なお、Grokipediaには編集機能が用意されているが、実際には利用できない。にもかかわらず、過去の書き手不詳の編集履歴は表示されるという、おかしな状態になっているようだ。