【セキュリティー】
9月の届出数は不正アクセス・ウィルス共に今年最少
~IPA9月度報告
■URL
http://www.ipa.go.jp/security/crack_report/20021007/0209.html
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2002_10outline.html
情報処理振興事業協会(以下、IPA)は、2002年9月度の不正アクセスとウィルスの届出状況を発表した。報告によると、不正アクセス・ウィルス共に前月より減少しており、両者共に今年最少届出数となった。
9月度の不正アクセス届出数は25件で、前月の34件を大きく下回った。また、届出数が30件を下回るのは、2001年4月以来約一年半振りのことだ。9月度の特徴は、OpenSSLの脆弱性を攻撃するウィルス「Slapper」が出現した点だ。このウィルスは、ApacheとOpenSSLの組み合わせを使用することによって感染する可能性がある。しかし、今のところ、このウィルスによる感染被害報告は1件のみとのこと。
また、ここ2ヶ月に渡って不正アクセスの届出数が減っている点について、IPAは「全体の届出数が減っているのは、個人からのポートスキャン(IPAではアクセス形跡と表記)の届出件数が減っているからだ。従来、ポートスキャンは日常的に行なわれているものであり特に危害を加えるものではないので、企業管理者などは特別報告しないものだ。しかし、個人レベルではそのような認識が普及しておらず、ポートスキャンに関する報告が多かった。だが、昨今は個人レベルにおいても、この認識が広がったために個人からの報告も減ったと考えている」と語った。
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IPA発表の不正アクセス届出数のグラフ
2ヶ月前より徐々に届出数が減少している |
一方、ウィルスに関する9月度の届出数は1,193件となっており、8月度の1,756件と比較して32%(563件)減となっている。これは、今年の初めより猛威を奮っているウィルス「Klez」の届出数が、8月度の1,062件から9月度の727件へと335件ほど減少していることが要因として大きい。また、9月度では新種のウィルスは発見されていないが、Windowsのセキュリティーホール等はいくつか報告されている。IPAでは、新種ウィルスの発生がないこの時期こそWindowsのセキュリティーパッチの最新版を導入して、新たなウィルス等に備えるべきだと提唱している。
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IPA発表のウィルス届出数のグラフ
届出の半数以上をKlezが占めている |
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(2002/10/8)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]
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