【政府】
情報通信審議会、携帯技術やアニメ・ゲームを活かす「日本型新IT社会」提言■URL 総務省は、情報通信審議会による「21世紀におけるインターネット政策の在り方」についての第3次中間答申を公開した。「e-Japan戦略II」を踏まえた内容となっている。 この答申は、従来のIT戦略を見直す格好となった「e-Japan戦略II」の動きに対応して、2002年9月から検討を行なっていたもの。「日本発の新IT社会を目指して」をテーマに、インフラの整備を中心に進められた第一段階のIT社会から、本格的な利用拡大を目指す第二段階のIT社会に入りつつある変化を踏まえた提言を行なっている。答申の内容は今後の予算案や政策などに反映される方向だ。 答申では、日本のIT利用環境の現状を「世界一安くて速いインフラ環境を実現」したと評価。その背景には、DSL開放ルールの整備等競争政策の促進、およびIT戦略本部による政府一体の取組みが大きく貢献していたという。これら取組みによって日本のIT分野は本格的な利用拡大期を迎え、さらに世界を先導する段階へと移行しつつあるとした。 審議会ではこのインフラ充実期から、今後5年間でITの高度利用社会を実現し、日本の特徴や強さを生かした「日本型の新IT社会」を世界に提示するべきだとした。日本型の新IT社会とは、日本の強みである携帯技術やアニメ・ゲーム、IPv6、光インターネット技術などを活かし、ユビキタスネットワーク社会や高品質映像時代、インターネットとデジタルテレビの連携進展などを図っていくものになるという。 こうした社会を実現するために、答申では、ネットワーク、コンテンツ、セキュリティ他の3つの観点から、必要な課題を挙げている。まずネットワークでは、利用者に役立つネットワーク実現を課題として、利用者の立場からの実証実験の充実や、地域格差のないインフラ整備支援を行なっていく。また安心かつ安全な課金・認証基盤の整備や、端末の多様化も必要としている。 次いで、コンテンツ立国を目指したコンテンツ制作・流通促進の観点から、、Web情報のデジタルアーカイブ化や、コンテンツ流通運用実験、ブロードバンドコンテンツ流通ガイドラインなどが期待されるという。また著作権保護環境の整備に加えて、著作物の利用をより容易にする環境整備の必要性を指摘している。 セキュリティ他では、ウイルスや不正アクセスなどセキュリティ対策の確立に加えて、国際競争力向上に向けた国際標準化対応の強化、使いやすい機器の開発、有害情報に対するフィルタリング技術やリテラシーの向上、ITリテラシーの高い人材育成の推進などを挙げている。 ◎関連記事 (2003/7/30) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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