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【政府】

総務省、電波再配分の給付金算定に関する報告書を公開

■URL
http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030730_3.html

 総務省は、「電波再配分のための給付金の算定方法に関する報告書」を公表した。この報告書は、電波の再配分について経済的負担を受ける事業者に対し、給付金を算定するための基本方針を取りまとめたもの。

 総務省では、無線を用いたインターネット接続サービスなど、電波利用の需要が増えつつ現状を踏まえて、電波の再配分計画を検討している。これに関しては先行調査とし電波の利用状況の調査を実施、2003年5月にその結果を発表している。

 ただし電波の再配分については、既存の電波利用者にとっては過去に投資した設備が使えなくなる、撤去費用が発生するといった経済負担が発生する可能性がある。そのため総務省では「電波再配分のための給付金制度の具体化に関する研究会」を2003年2月から設置、給付金の算定方式について検討を進めていた。

 現行の電波法では、無線局免許の有効期間は原則5年間と定められている。また、無線局の再免許は法的に「更新」ではなく、「新たな地位の設定」と位置づけられている。この考えを前提とした場合、策定したのち5年間の準備期間が設けられる電波の再配分形態については、給付金など補償の必要はないという意見も存在する。

 しかし無線局免許を取得した事業者は、有効期間後も継続して電波を利用できるという期待が生じているのが現状であるほか、行政財産の使用許可撤回の際に補償に必要性を認める、再免許の法的性格を“更新”と位置づけるといった判例も存在している。こういった社会的通念からも、補償を行なわないことは合理的ではないという点も指摘されている。

 そのため今回の報告書では、給付金支給の対象は原則として計画の公表から5年以内に使用期限を迎えることと定めるほか、一定の無線局については使用期限が5年以上であっても、例外的に給付金対象とすべきとしている。

 給付金の対象は、当面は再配分対象として検討されているマイクロ波帯の中継局やレーダーなどを主な対象とする。ただし電波再配分対象となる無線局は上記以外にも多種多様な形態が想定されるため、これについては別途算定方式を策定することが適当とされている。

 給付金の財源は、電波利用料が暫定的に充当されるが、報告書では費用の5割以上は、再配分ののち新規に電波を利用する事業者が負担すると定めている。なお、事業者負担は一定の金額が確保された段階で終了する。

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(2003/7/30)

[Reported by 甲斐祐樹]

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