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【イベントレポート】

刺激的なテーマで注目を集めた行政系セミナー
~「Digital Ware Osaka 2002」より

■URL
http://www.jma.or.jp/dwo/

受講者で満杯の会場
 最先端のITビジネスソリューションを紹介する「Digital Ware Osaka 2002」が、11月27日から29日の3日間、マイドームおおさかで開催され、展示会と合わせて計40本以上の特別講演やセミナーが催された。今回はその中から、デジタルアーカイブとハイテク犯罪に関する講演をレポートする。どちらも来場者で満席となった注目の講演だ。

 



●デファクトスタンダードでビジネスモデルを構築する~講演「儲かるDigital Ware」
http://www.kyoto-archives.gr.jp/

 「儲かるDigital Ware…デジタルアーカイブ」という刺激的なタイトルは、京都デジタルアーカイブ研究センターの清水宏一副所長による特別講演だ。京都では、優れた文化資産をデジタルアーカイブで保存しようという活動が数年前から行なわれており、2000年8月に京都デジタルアーカイブ研究センターが設立された。しかし、ただアーカイブにするだけでは、次世代への文化継承にはつながらない。そこでセンターでは、早くから産官学連携によって、新産業としてのデジタルアーカイブ戦略を模索し続けてきた。

京都デジタルアーカイブ研究センター 清水宏一副所長
 ビジネスにするには、まずコンテンツとなるデジタルデータを製作しなければならない。通常なら、文化財だから国のお金でとなるところを、京都では許可を得れば誰でもアーカイブができるようにし、代わりにデータ製作費用は業者が負担する。業者は保存したデータを利用料をとって販売するが、その際に収益の40%が業者の取り分になり、さらにその半分は京都市に支払われ、全額文化財支援金として文化財の補修費などに当てられる仕組みだ。そうすることで、文化財の管理者が一般にも公開しやすくなり、お互いの利益になるという。
 デジタルアーカイブを用いたビジネスの事例としては、京都市地下鉄の車両をデジタル化された二条城の屏風絵でラッピングしたものがある。この場合はデータを製作、保管しているセンターを通じて、使用料はすべて二条城に支払われた。また、スポーツ用品メーカーのミズノが、デジタルデータ化された友禅柄を使って水着を作ったところ、国際試合で次々と採用され、あっという間に売り切れたという。
 センターでは、一般未公開の重要文化財のデータ化を交渉したり、デジタル化のための技術や設備、人材教育も合わせて提供するなど、トータルにアーカイブビジネスをバックアップしている。清水副所長は、「デジタルアーカイブを普及させる鍵は、技術よりもデジタルアーカイブのデファクトスタンダードを作り、事例のようなビジネスのサクセスストーリーを演出すること」だと強調する。

二条城の屏風絵を利用した例
 デジタルデータの基本フォーマットの選定も大切だ。センターでは、拡大縮小がしやすくワンソースマルチユースに対応できるVFZ(Vector Format for Zooming)フォーマットを推奨していたが、国内での反応は悪かった。それが、ルーブル美術館に売り込んで採用されたとたん、日本の博物館や美術館でも採用されるようになり、今や文化財をデジタル保存する国際フォーマットになりつつあるという。VFZのもう一つの特徴は、ファイル自体に詳細情報を記録できることだ。それぞれの作品にIDを付けておけば、オンラインに流れたデータを、誰が使って、どう支払うかの管理が可能になる。
 国内では1999年にコンテンツIDフォーラムが設立され、今年に入って、オンライン上のデータの流通販売を考えるコピーマートというNPO法人もスタートしている。デジタルデータもようやく本格的にビジネスになろうとしているのだ。

●規制よりオープンでも売れるものを作る努力が必要

 一方で、セキュリティーを高めたり、デジタルデータの不正利用を摘発しても、料金徴収や訴訟手続きにかかる負担のほうが大きく、結局コンテンツビジネスは儲からないと言われている面もある。不正利用も海外での事例が多く、現状の日本の著作権法では時代遅れで対応できないというのが現実だ。そこでセンターでは、「もっと簡単に儲かる方法を徹底的に」(清水氏)考えているという。

全国に広がるアーカイブ拠点
 儲かるコンテンツのポイントは4つある。二条城の屏風絵のような「極端にすごいもの」。日用品、消費材、学用品など「大量に継続的に売れるもの」。オーダーメードや一点ものなど「付加価値が高いもの」。そして、友禅柄の例にあるような「再利用(コピー)」である。例えば、再利用といっても、商売として成り立つレベルでなければ買ってもらえないので、再販用にデータを作り直す作業が不可欠になる。それがビジネスにつながるのである。
 京都では、この新しいデジタルアーカイブのビジネスモデルを全国に広める活動も行っており、すでに北海道や埼玉県で同様のビジネスが始まっている。また、大阪に千里アーカイブが設立され、京都に負けない勢いを付けているという。
 またデジタルアーカイブは、ビジネス以外にも「電子政府、電子自治体のツール」、「危機管理」「人材育成」、「雇用機会の促進」、「眠れる財産の発掘」という5つの効果をもたらすという。こうした動きに政府も注目しており、文化財をデジタルデータで国に預ければ、税金がかからないようにするといった法を新たに作ることが検討されているそうだ。他にも、ODAとして日本が外国の文化財をデジタルデータ化して、デジタル美術館を地元に設立するなどの動きがあり、波及効果は高いといえる。

 都庁のデジタルデータを保管するワンビシ社をはじめ、iDC企業が軒並み成長途上にあるなど、周辺ビジネスを含めて市場拡大効果の期待は高まる一方だ。京都府ではデジタルアーカイブのベンチャー育成の支援も始めており、今後、新しいITビジネスの一ジャンルとしてどう成長するか、注目しておきたいところだ。

●年々増加するハイテク犯罪の対策ノウハウを披露~大阪府警察本部
http://www.police.pref.osaka.jp/

大阪府警の種田氏
 不正アクセスやウィルス、IDやパスワードの無断利用など、ハイテク犯罪として括られる事件をニュースで目にする機会は増える一方だ。大阪府警察本部ハイテク犯罪対策室が行った「ハイテク犯罪等の現状と対策」というセミナーも、会場の座席があっという間に埋る注目度の高さだった。講師役を務めるハイテク犯罪対策官の種田(おいだ)英明警視の話によると、中小企業でもハイテク犯罪に巻き込まれるケースが増えているという。

 ハイテク犯罪対策室の主な仕事は、複雑なハイテク犯罪捜査の支援や防止活動にある。検挙数は年々増加傾向にあり、今年は上半期で昨年の検挙率に並ぶまでになってしまった。内容はほとんどがネットワーク犯罪で、児童買春に関わるものがトップを占めている。一方、被害として最も大きいのはネット詐欺で、特にオークションでのトラブルが多い。犯人は一人だが被害者数が多く、警察への相談のほとんどが詐欺の被害者からのものだという。種田氏はその対策方法として、「ネットに掲載されている住所に内容証明書を郵送すること」をあげている。「住所がない時点ですでに怪しいし、もし、嘘の住所で郵便物が戻ってきても、それが犯罪の証明になる」からだ。
 逆に減ってきたのはネット上の誹謗中傷で、これはプロバイダー責任法の施行が影響している。こうした法的効果を考慮して、スパムメールについても、現在、法整備が進められている。

 一方、昨年の爆発的なウィルス被害などから、不正アクセス関連の動きが注目を集めているが、ユーザーサイドでの対策はあまり講じられていないという。そこで警察庁ではサイバーパトロールを行ない、不正アクセスの摘発に力を入れている。実際、管理者が被害を受けて犯罪に気付くよりも、警察庁からの報告で気付く例が多く、今年は7~9月のたった3カ月で5万件の不正アタックを確認している。
海外からの不正アタックの内訳
 不正アタックの内容としては、海外からはイタリアのIPアドレスが使われている場合が最も多いという。ただし、踏み台や、なりすましに利用されている可能性もあり、正確にはどの国からのアタックが多いのか明確ではない。不正アクセスは国際的な犯罪になっており、自動ツールを使うケースもあるので、24時間365日アタックがあるのが現状だ。「常日頃からセキュリティーホールやウィルスに対する情報に気を配り、こまめに対策を行なうしかない」と種田氏も指摘する。

 しかし、最も問題になるのは、内部の人間による犯罪だ。単純ミスで情報が漏れてしまうのはともかくとして、元社員がデータを抜き取ったり、パソコンごと持ちだしたりする犯罪が増えているそうだ。大阪府警察では会場にブースを設置し、社員に対するセキュリティーを意識を持って欲しいと、そこでも対策を呼びかけていた。また、社員教育のためもビデオも制作しており、レンタルを行なっている。種田氏は「社内の犯罪を防ぐのは、こうした対策を行なっていることを社内外に周知することであり、それにはトップを含めたセキュリティーポリシーの構築が不可欠」であるとセミナーを締めくくった。

(2002/12/2)

[Reported by 野々下裕子]

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