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【業界動向】
コンテンツ配信とCDライティングは親密な関係にある~米Roxio社長会見
11日、CD・DVD書き込みソフトなどの開発を手がける米Roxioの社長兼CEOであるChris Gorog氏が来日し、今後の戦略を語った。同社は2001年5月にadaptec社からスピンアウトした企業で、11月15日にはNapsterを500万ドルで買収した。 Gorog氏は、インターネットでの音楽や映像、文書データなどのコンテンツ配信とCD/DVDメディアへの書き込みにおける相乗効果が非常に高いと語る。「すでに一部の先行者が利用する時代は終わり、一般のユーザーが参入してきている。彼らは、サービスを利用したがっているが、どこでそのサービスが受けられるのかという面で混乱している。これは解消されるべきだ」という。
すでにRoxio社では、Sony Music EntertaimentとUniversal Music Groupの合弁会社で会員向け音楽配信サービスを行なっているpressplayに対してCD書き込み機能を提供している。また、文書データを音声形式で配信しているAudible.comとも同様の提携関係にある。ロキシオ・ジャパン株式会社の漆山正幸代表取締役社長は、「米国では自動車通勤が主流だが、運転しながら新聞を読むことはできない。そこで、一部のユーザーはNewYork Timesの音声版データをAudible.comからダウンロードし、それをCDに焼くことで、通勤途中で新聞を聞いている」という事例を紹介した。 一方、Napster関連の話題では目新しい話は出なかった。同社は、Napsterの全ての資産、技術、知的財産、特許を取得した。ただし、訴訟や法的な賠償責任は引き受けていない。Gorog氏は、「買収でもっとも重要なものは、『Napster』というブランドそのものだ。ある調査によれば、97%のユーザーが、Napster=音楽データのダウンロードサービスと好意的に認知している。Napsterサービスに対して、料金を支払う意向があることもわかった」と語った。現在のところ、Napsterを利用した具体的なプランは発表されていない。「Napsterは合法サービスとして、再生する。音楽もビデオも本も提供するつもりだ」と述べるにとどまった。 最後にGorog氏は、ロキシオが海賊版サイトに対しては先頭に立って戦ってきたこと、アーティストが正当な対価を受け取るべきだと主張してきたことを強調した上で、 「コピープロテクションCDは、非常に複雑な問題」と語った。同氏によれば、「この問題は、ディスクそのものに関連する問題ではない。問題があるのは、ディスクのリッピングが可能で、なおかつインターネット上のファイルシェアで流せてしまうということだ。それゆえ、より生産的なのは、合法的なサービスを展開すべきことで、それと同時に非合法的なサービス、ビジネスについては、その追跡の手を緩めてはならない。合法的に使おうとしているユーザーに対して、その体験をだいなしにしてしまうようなコピーコントロールCDについては、これを認めていない」と主張した。 ◎関連記事 (2002/12/11) [Reported by okada-d@impress.co.jp] |
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