【調査結果】
2003年のIT産業は穏やかな成長~Aberdeenが予測を発表
■URL
http://www.aberdeen.com/ab_company/about/2003IToutlook.htm
調査会社Aberdeenがこのほど発表した調査結果によると、2003年のIT産業は、世界規模でおよそ4%の成長率と、穏やかな成長が続く見通しであることが明らかになった。2002年の同産業の成長率は世界規模では1%程度と見積もられており、若干持ち直すものの以前のような急激な成長は影を潜めている。
IT産業は、1990年代後半から2000年の上期当たりまでは、年率になおして10%を超える急成長が見られていた。しかし、その後“ITバブル”がはじけ、さらに同時多発テロがあった2001年第3四半期以降は、持続可能な成長へと市場は成熟しつつある。実際、Aberdeenの予測でも、2006年までは年率になおして4、5%程度の成長が続くとの見通しがなされている。
IT関連への支出の減少では、特にEBI製品と呼ばれる分野の落ち込みが激しい。2002年は13%もの落ち込みを見せた。逆にシステム統合に関する支出はカットできない企業が多く、2003年の予測でも増加が予測されている。また、Linux対応製品やアウトソーシング対応製品開発もIT市場では重要となると予測されている。
一方で、IT関連の犯罪は急増する見込みだ。例えば、「ID窃盗」と呼ばれるIDの盗難は、2003年には2002年から倍増する見込み。それによる損害金額ベースは、2003年は240億ドルに達し、2002年(87億5,000万ドル)の3倍近くにも増加すると予測されている。
(2003/1/8)
[Reported by Gana Hiyoshi]
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