【調査/ウイルス】
Kasperskyが2002年のウイルス状況を総括
■URL
http://www.kaspersky.com/news.html?id=969734
ロシアのKasperskyが、2002年のコンピューターウイルスに関する統計を発表した。流行しているウイルスの感染を防ぐことと、感染ルートであるメールの取り扱いに対して注意を払うことがいかに重要かを示すものとなっている。
この調査によると、2002年に最も感染率の高かったウイルスは「Klez」(65.22%)だった。興味深いのは、上位10種類のうち4種類がInternet Explorerの「IFRAME」セキュリティホールを悪用したものであり、ウイルス感染全体の85%はこのセキュリティホールを悪用したものだった。したがって、セキュリティホールをしっかりとふさいでいればこうした感染はなかったことになる。
また、年間の感染数の統計を見ると、2002年の9月まではランキングの上位3種類のウイルスが感染事例のほとんどを占めていたが、9月に入ってからは「Klez」などへの対策が行き渡ったため、上位10種類にも入っていないウイルスの感染事例が急速に増えている。このように必要な措置を取った後はウイルスの感染は急速に減ることがわかる。
このことは感染したウイルスの種類に関する統計にも表れている。9月まで最も多く感染していた種類はネットワークワームだったが、これに対する措置をユーザーが施した後には、その他のウイルスやトロイの木馬などの割合が急速に増えている。全体として見たときにネットワークワームはウイルスの89.5%を占め、トロイの木馬は3.9%、その他のウイルスは7%だった。
ネットワークワームの感染手段として最も多かったのはメールで95.6%、次いでLANワームの2.5%、ピアツーピアネットワークを介して感染するP2Pワームが1.7%、IRCチャンネルを通して感染するIRCワームが0.2%だった。
(2003/1/20)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com) ]
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