【P2P/ソフトウェア】
P2Pラジオの「Streamer」がバージョンアップ~海賊放送から帯域幅の有効利用へ
■URL
http://www.chaotica.u-net.com/streamer.htm
P2Pストリーミングサーバーソフトの「Streamer」が28日、バージョンアップして1.22となった。再生ソフト「Streamer」をインストールしなくてもストリーミング放送を再生できるようになったことや、放送局のIPアドレスが明らかになる「ミックスドP2P」機能が実装された。
米国では、インターネットラジオに多額の著作権使用料の支払いが求められる動きがある。Streamerは、サーバーの所在を明かさずにインターネットラジオの“海賊放送”を行なうために、P2P技術をサーバーに実装したプロジェクトが発端となっていた。
しかし最近では、むしろP2Pを使って帯域幅をより有効に使う低コストな放送局を運営するためのツールとして人気が出ている。放送データは、ツリー形式で末端の受信者まで配信されていくため、末端の放送を聞くユーザーはネットワーク的に近い他のユーザーからデータを受け取る。これにより、大元のサーバーの帯域幅を大幅に節約することができるほか、末端のユーザーが56Kbps程度の環境でもストリーミング放送を楽しめる。
「ミックスドP2P」機能を使用した場合、放送を主催している局のIPアドレスは明らかになる。このため、Streamer本来の目的であった“海賊放送”の意味合いは薄れたと言える。
そのほか、サーバーが使用している帯域幅を計測する機能も追加され、他の用途で帯域幅を利用していても、放送が継続できる仕組みを取り入れた。また、音声ファイルフォーマットのOgg Vorbisにも対応した。
(2003/1/29)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]
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