【業界動向】
米Amazon.com、オンラインショップの掲示板に関する特許を取得米Amazon.comが、2月25日に新たな特許を米国特許商標庁から授与されていたことが明らかになった。この特許は特許番号6,525,747「Method and system for conducting a discussion relating to an item」(アイテムに関連した討論を行うための方法とシステム)と題されており、Amazon.comがすでにオンラインショップで実装している掲示板システムと酷似している。特許はAmazon.com創業者のJeff Bezos氏によって、1999年8月2日に出願されたもの。 明細書によると、「この討論システムは討論のトピックとなるアイテムを受け取る。それから討論システムは選択されたアイテムに関連するコメントを受け取り、選択されたアイテムの説明と受け取ったコメントを含むメッセージを生成する。さらに、生成されたメッセージを討論の参加者に送付する」と説明されている。明細書に添付された図面には、この討論システムの画面イメージが描かれており、その中にはショッピングカートなどの記述があることから、これがオンラインショップに関わるものであると推定される。 明細書の説明から、この特許が現在Amazon.comで提供している顧客が商品にコメントをつけたりランク付けができる機能を包含していることは理解できるが、この特許がさらにどれほど広範囲のものをカバーするかは不明だ。実際、この特許明細書の要約には、この発明の応用として「討論システムはアイテムと関連した討論に別のアイテムを付け足すための方法とシステムを提供する」と書かれており、この機能は現在のAmazon.comには搭載されていないように思える。これは例えば、ある書籍の書評に別の書籍を購入できるリンクを埋め込むというような応用例を示唆しているとも考えられる。 Amazon.comでは、これまでにワンクリックで買い物を行なうことができる「1-Click特許」を得ており、同社はこの特許権を行使して、ライバルのオンライン書店barnesandnoble.comを提訴した経緯がある。この訴訟は和解で終わったが、和解条件などの詳細は明らかにならなかった。今回の特許に関して、同社が権利を主張するかどうかは明らかではない。 Amazon.comでは、このように特許の有用性を認めて、その権利を活用する積極的な戦略を採る一方で、創業者のJeff Bezos氏はソフトウェア特許やビジネスモデル特許の権利が及ぶ範囲や期間を制限するべきだとの持論を展開し、知的財産権に関して積極的な発言を続けている。 (2003/3/3) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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