【業界動向】
UnisysのGIF特許、米国で20日に失効■URL 米Unisysが所有している画像技術のgif (Graphic Interchange Format) フォーマットに関する米国の特許(4,558,302号特許)が来たる20日に失効する。1983年6月20日に出願されたこの特許は、「高速データ圧縮及び解凍」 (High Speed Data Compression and Decompression) に関するもので、1985年にすでに米国で登録になり、1995年の米国特許法改正により、それまで成立後17年間有効とされていた規定が、移行規定により出願日から20年も選べるようになったことから今月まで寿命が延びることになった。 GIF特許とも呼ばれいるこの302号特許は、Unisysが権利が成立してから10年近くたってからライセンス交渉や警告などを発して顰蹙を買ったことで有名。特許自体は、GIFフォーマット自体に有効というわけではなく、LZW技術というデータ圧縮アルゴリズムに権利が及ぶとされており、GIFそのものは権利侵害となるわけではない。ただし、GIFイメージを作成または表示する技術であれば権利侵害している可能性があり、1999年には、個別にライセンス交渉を行なわないWebサイトに対して、一括5,000ドルの特許料を徴収する形のライセンス形態を発表し論議を呼んだ。 また、オープンソースで利用フリーのPNG(Portable Network Graphics)技術に置き換えるという動きもあり、現在でもW3CはこのPNGに置き換えることを推進している。しかし、互換性の問題から完全に置き換えるというわけにはいかないまま、米国での特許失効という日を迎えることになる。 なお、GIFは、1987年に米CompuServeが、グラフィックデータを圧縮、解凍する方法として発表した。現在では説明するまでもないが、グラフィックデータの保存形式として画像関係のソフトウェアで広く普及している。ただし、Unisysのライセンスが誤解を招き、一時期GIFの使用が差し控えられたこともあった。 米UNISYSは、米国以外でもLZW技術に関して特許を保有しており、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本(公告番号:平5‐68893)においても保持している。ただし、これらの国では2004年に特許が失効する予定。なお、UNISYSは、LZWに関してこれ以外に2件特許出願中で近く成立するとも発表しており、今後GIF技術が完全開放となるかどうかは、知的財産権の状況推移を見守る必要がありそうだ。 ◎関連記事 (2003/6/12) [Reported by Gana Hiyoshi] |
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