【イベントレポート】
Macromedia Flash Conferenceが開催ドコモ夏野氏、「Flash導入の意義はメガピクセルの比ではない」■URL 6月20日に開催された「Macromedia Flash Conference」。2つめの基調講演では、NTTドコモ iモード事業本部 iモード企画部長の夏野剛氏が登場した。 ●「一番重要なのがFlash」
この後、話題は505iシリーズに移った。同氏は505iシリーズについて、「わたしのiモード人生の区切り。やれることをぜんぶやっちゃった」と、これまで繰り返してきた505iシリーズへの自信を語った。 505iシリーズの新機能はメガピクセルカメラ、QVGA液晶、iアプリDXといろいろあるが、夏野氏は「中でも一番重要なのがFlashだ」と断言。「パソコンでやってることがケータイでもできるんだなと感じていただけるはず」、「待受がFlashの導入でさらにリッチになった。いろいろ注目を浴びるが、実は待受のような他愛のないコンテンツが大きなビジネスになるのがiモードの特徴」、「Flashによりさらにコンテンツマーケットが拡大するだろう」、「『メガピクセル』はマスコミが好きでよく取り上げているようだが、こんなものはデバイスを入れればそれで済むのでたいしたことじゃない。Flashを搭載することに比べれば、奥深さの面で比べものにならない」などと、“夏野節”とも呼ばれる持論を交えながら、iモードにFlashを採用した意義について述べた。 ●「どんどんFlashコンテンツの開発を」次いで、同氏はiアプリDXなど、505iシリーズの機能について説明した。指紋認証機能を搭載したF505iの解説では、「(指紋認証機能は)プライベートライフにはミッションクリティカル。特に家庭を守るために」と、会場の笑いを誘う場面も見られた。505iについて同氏は「ひとまず集大成」と位置づけた後、FOMA、そしてコンテンツビジネスについて語り始めた。 夏野氏は503、504と世代が進み、新機能が搭載されるにつれARPU(キャリアからみた1加入者あたりの月間平均収入)が増加するというデータを示し、コンテンツ開発者が大半を占める聴衆に、「このトラフィックの8割がコンテンツです。いっぱい使っているということは、ただ単にドコモが儲かることを意味するのではなく、みなさんのコンテンツを使っているということです」と述べた。また19日現在の505iシリーズの契約数が33万台だというデータを挙げた上で、「すでにこれだけユーザーがいるんで、(Flashコンテンツの作成を)どんどんやっちゃってください」と、コンテンツの開発を促す場面もあった。
「FOMAにどういう風にがんばっていくのか。2Gから3Gへのシームレスなエヴォリューションが大事」と従来からの主張を述べた上で、「よく通信のブロードバンド化にともないコンテンツをリッチ化すると言われるが、そんなことはない」と夏野氏は語る。 夏野氏によれば、「コンテンツが高度になるに従って、これを使うならもっと速いほうがいい、それで早い回線を導入するという順序が自然。ブロードバンドになる、というのは結果論にすぎない」のだという。同氏自身は「会社では100MbpsのLAN、自宅では実はYahoo!BBを使っている。海外出張先のホテルではモデムで接続することが多いが、実際、やってることはほとんど変わらない」と語り、「テクノロジーではなくまずサービス、コンテンツありき」という、同氏の根本的な見解を繰り返した。 講演の最後に同氏は、「正直言って、505iのユーザーさんは(コンテンツのリッチ化で)“パケ死”寸前だと思いますよ。でもFOMAならパケ死は避けられるのではないか。そういう形で3Gに移行していけばいい。今年後半に出すFOMAではFlashのサイズも大きくするんで。ガツンと行きますよ」と語り、締めくくった。
(2003/6/20) [Reported by 伊藤大地] |
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