【N+I 2003 レポート】
ノーテル、FTTH放送でユーザー認証と課金を実現するプロトコルをデモ■URL ノーテルネットワークスのブースでは、同社のルーティングスイッチ「Passport 8600」を利用したIPマルチキャストのデモを行なっていた。「ターミネーター3」など、DVDクオリティの12チャンネルの映像をマルチキャスト配信し、これをパソコンやセットトップボックスなどの端末で視聴するというものだ。 デモでは、Linuxパソコンや松下電器産業の「ブロードバンドTVチューナー『Broadnow』」上から、あたかもテレビのチャンネルを切り替えるように、マルチキャストされている映像を選択できるようになっていた。ストリーミングサーバーからルーティングスイッチまでは常に12チャンネルの映像が配信されており、そこから先はユーザーが選択したチャンネルのみが流れる仕組みだ。最大の特徴は、「IGMP Authentication Protocol(IGAP)」というプロトコルを用いて、マルチキャストのソリューション自体にユーザー認証と課金の仕組みを取り込んでいる点だという。
IGAPは、ノーテルネットワークスやNTTなどが共同で開発し、IETFで標準化を目指しているプロトコルである。ユーザーがあるチャンネルを視聴しようとすると、Radiusサーバーに認証を要求。これが許可されれば、ルーティングスイッチとユーザー端末間にVLANが確立して、そのチャンネルのストリーミングが流れる仕組みだ。課金を番組単位で細かく設定できるようになるほか、視聴ログも取れるため、視聴率と連動した広告ビジネスにも応用できるとしている。 ノーテルネットワークスでは、同社のルーティングスイッチのマルチキャスト性能が優れている点を活かし、IGAPによるIPマルチキャストソリューションを提供していくことにしたという。実際にFTTH上の放送サービスとして需要が見込めるのはまだ先になりそうだが、視聴を許可するユーザーやグループを設定・認証できる機能を実装しているということで、まずは監視映像ネットワークのソリューションとして市場を開拓していく考えだ。
(2003/7/4) [Reported by nagasawa@impress.co.jp] |
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