今年1年間にINTERNET Watchで掲載した記事の中から、本誌Webサイトでのアクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出し、4回に分けて紹介する。2003年を象徴する合計120本の記事を見ながら、インターネット業界の1年間を振り返ってみたい。3回目となる今回は、7月から9月までのニュース。
7月:のちにBlasterが悪用する脆弱性が発見される
1位は、Windows XPのSPを適用すると発生する不具合に関する記事だった。この問題は10月から実施されたマイクロソフトのセキュリティ修正プログラム(パッチ)リリース計画変更にも大きく影響しており、同社は「現在では、従来よりさらにパッチ品質向上のプライオリティを上げて開発している」と語っている。また、翌月にBlasterが悪用するWindowsの脆弱性「MS03-026」に関する記事も4位にランクインした。なお、Windows 2000 SP2は2004年6月末でサポートが終了するため、それまでに9位にランクインしたWindows 2000 SP4を適用したい。
8月:あらゆる業界を揺るがしたウイルス「Blaster」登場
8月は2003年最大の事件といえるウイルス「Blaster」が登場した。登場時期がちょうどお盆と重なったこともあり、関係各社は相当混乱したようだ。登場後4カ月経過した現在から振り返ると、Windowsのパッチ管理ツールが続々と登場した点や、マイクロソフトがパッチリリース間隔を変更、ウイルス対策ソフトが売り切れるなど、Blasterが登場後数カ月間にわたってさまざまな業界に大きな影響を与えていることがわかる。また、1位に入ったWinnyを媒介とするウイルスは、添付ファイル名の奇抜さや制作者が日本人である可能性を含んでいることから比較的長い期間で継続的に注目を集めた。
9月:Blasterの余波がありながらも、DivXやWinnyに注目が集まる
8月に蔓延したBlasterだが、9月でも7位や9位に関連した記事がランクインした。9位のマイクロソフトのキャンペーンに関しては、先日掲載した同社取材記事に裏話が掲載されているので、参照してほしい。また、5位のパッチ適用有無をチェックできるツールは、この後パッチ管理ツール流行の先駆け的な存在であり、興味深い。そのほかは、年間を通して人気のあった「DivX」や「Winny」、「脆弱性」に関する記事が上位を占めた。
・ マイクロソフトにセキュリティ修正プログラムの今後を聞く(中編)(2003/12/17)
関連情報
・ 2003年のインターネット120大ニュース[1月~3月](2003/12/19)
・ 2003年のインターネット120大ニュース[4月~6月](2003/12/24)
・ 2003年のインターネット120大ニュース[10月~12月](2003/12/26)
( 大津 心 )
2003/12/25 11:05
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