今年1年間にINTERNET Watchで掲載した記事の中から、本誌Webサイトでのアクセス数をもとに月別の10大ニュースを選出し、4回に分けて紹介する。2003年を象徴する合計120本の記事を見ながら、インターネット業界の1年間を振り返ってみたい。最終回となる今回は、10月から12月までのニュース。
10月:脆弱性とP2Pのトラフィック制御に高い関心
10月の1位は、IEの脆弱性「MS03-040」に関する記事だった。任意のコードが実行される可能性のある危険度の高い脆弱性で、以前に公表されていた脆弱性を修正しきれていなかった問題や、パッチを当てると一部で不具合が発生するため、さらに修正プログラムをリリースするなど、対応にも混乱が見られた。このほかにも10月のトップ10には脆弱性に関するニュースが並んでいる。2位はISP「ぷらら」が、P2P型ファイル交換ソフトに対して帯域制限を開始するというニュース。ユーザーとトラフィックの急増にISPとしても対応を迫られる一方、制限には反発の声もあり、注目を集める結果となった。
11月:Winnyユーザー逮捕の衝撃
11月は他の記事を圧倒するアクセス数で、「Winny」ユーザー逮捕に関する記事が1・2位となった。匿名性が高いとされていたWinnyでは初の逮捕者となり、ソフトの作者も家宅捜索を受けるなど、強い関心を集めるニュースとなった。一方、Winny開発のきっかけとなった掲示板「2ちゃんねる」の検索サービスのニュースも4位に入るなど、年間を通して2ちゃんねる関連の記事も多くランクインしているのが目立つ。その他には引き続き脆弱性に関する記事が多く関心を集めている。
12月:Winnyとサービスの不具合に注目が集まる
10月のぷららに続き、CATVプロバイダーであるiTSCOMもWinnyなどの高負荷アプリケーションに対してトラフィック制限を開始すると発表し、このニュースが12月で最も関心を集めた。2位と4位はYahoo! JAPANの検索サービスが数時間に渡って不具合が発生したニュース。数時間の停止で大きな話題になるのは、Yahoo! JAPANの影響力が大きいことの証明とも言えるが、その分だけ確実なサービスの提供も望まれるところだ。この他には、3位のWindows 98のサポート終了、9位の電話加入権廃止など、多くのユーザーに影響を与えるニュースにも高い関心が寄せられた。
関連情報
・ 2003年のインターネット120大ニュース[1月~3月](2003/12/19)
・ 2003年のインターネット120大ニュース[4月~6月](2003/12/24)
・ 2003年のインターネット120大ニュース[7月~9月](2003/12/25)
( 三柳英樹 )
2003/12/26 11:21
- ページの先頭へ-
|