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2007/12/24~2008/1/13


 年末年始を振り返る、2008年最初の当コーナーです。本年もよろしくお願いいたします。

 2007年に何度となく取り上げた「ダウンロード違法化」問題に関連し、12月26日にMIAUが緊急シンポジウムを開催しました。翌27日にはデジタル放送の暗号化に関し議論があり、今年に入っては著作権法違反の「非親告罪化」に反対のパブコメが多数。米国でのDRMフリー化なども含め、インターネットと著作権に関しては、今年もさまざまな動きがありそうです。

 また、この年末年始にはセキュリティ関連で新たな脅威のニュースが相次いだことにも注目です。画像ファイルに偽装したトロイの木馬や、マスターブートレコードに感染するrootkit検索結果上位に表示される悪意のあるサイトなどが登場し、トレンドマイクロからはWebからの脅威とウイルス被害の分散化が指摘されています。

 その一方で、IPAが注意喚起もしたファイル交換ソフトの利用は長期休暇になると増える傾向があり、この冬休みには「Share」の利用が過去最多とのこと。インターネットには次々に新しい危険が生まれていますが、それらについて敏感に、慎重になっておきたいものです。


デジタル放送の暗号化に疑問の声が相次ぐ、総務省の検討委員会
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/12/27/18031.html
 12月27日、総務省「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」第30回会合が開催。コピー制御や「ダビング10」についての報告が行なわれたほか、デジタル放送の暗号化が無力化されている現状について批判が相次いだ。

「インターネットマガジン」のバックナンバーがPDFで無償公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/12/25/17997.html
 12月25日、インプレスR&Dは、1994年に創刊した国内初のインターネット総合誌「インターネットマガジン」の記事のPDFデータを無償公開した。今後はHTML形式での公開も予定している。

米Napster、ダウンロード販売の全楽曲をDRMフリーのMP3形式で提供へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/08/18061.html
 1月7日、米Napsterはダウンロード販売する全楽曲を、2008年第2四半期中にDRMフリーのMP3形式にすると発表。使い勝手のよい形式にすることで、これまで以上に幅広く利用されることを見込んでいる。国内ではこれから検討する見通し。1月10日には米AmazonがSony BMGの楽曲をDRMフリーで販売との発表があり、DRMフリー化の動きが相次いだ。

Twitterとデジタルガレージが資本提携、春までに日本語版を開発
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/07/18047.html
 1月7日、デジタルガレージは米Twitterとの資本・業務提携を発表。ミニブログサービス「Twitter」の日本語版を春までに開発する予定であると発表した。Twitterがどのようなサービスかについては、後半の解説を参照してほしい。

画像ファイルに偽装し、HDDをフォーマットするトロイの木馬が出回る
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/07/18052.html
 「.jpg」などの画像ファイルを装い、ハードディスクをフォーマットするなどの挙動を示すIEを狙ったトロイの木馬が登場。シマンテックでは1月7日時点で「BAT.Trojan.DeltreeY」として情報を公開している。JavaScriptを無効にする、IE以外のブラウザを使う等の対策が有効。


春までに日本語版が登場。ミニブログ「Twitter」ってどんなサービス?

 1日7日、デジタルガレージは米Twitterと4日付で資本・業務提携したことを発表しました。子会社のDGインキュベーションがTwitterに資本参加し、グループとしてミニブログサービス「Twitter」の日本展開を支援。現在すでに日本語版の開発が始まっており、2008年春までの日本語版スタートを目標としています。

 「Twitter」はシンプルなシステムながら、それだけに様々な使い方ができる、奥の深いサービスです。旧来の概念で簡単に説明すると「文字数制限のあるミニブログサービス」といったところ。1つの発言(エントリー/つぶやき)は140文字以内で、現在自分がしていることや思いついたことなどを、次々と書いていくイメージです。

 これだけを聞くと、チャットやIMに近いイメージなのですが、書き込んだ発言はパーマリンク(恒久的なURL)が与えられて、Web全体に公開されるという点はブログ的です(設定により公開制限も可能です)。Twitterのログは検索エンジンからも検索可能となりますし、他のブログ等からリンクすることも可能です。

 また、ユーザー間の関係は「Follow」という概念で表現されます。SNS等では相互に関係を承認する「友達」という概念によってつながりを表現するのが普通ですが、Twitterの場合、相手の発言を読むための「Follow」設定をすることにより、「自分は読んでいるが相手は自分の発言を読んでいない」という一方的な関係が成り立ちます。そして両者が相互にFollowすることによって、初めてSNS的な「友達」関係が成立するようになっています(これも設定により、SNS的な「事前承認を必要とする双方向の関係」のみにすることも可能です)。


 もう1つの特徴に、APIを利用したTwitterクライアントの豊富さ、データの可搬性の高さがあります。チャット感覚で利用できるクライアントアプリケーションや携帯電話向けのサービスを利用することで、いつでもどこでも書ける/読める環境が実現しています。2007年の窓の杜大賞で金賞を獲得した「Twit」も、Twitterクライアントの1つです。また、発言をRSSリーダーで読んだり、ブログパーツとして自分のブログに表示させるといったことも可能です。

 このように、書き込み方、人間関係、読み方などあらゆる面でのシンプルさと柔軟性の高さがTwitterの人気の理由であり、同時に、Webだけを見ていても全貌が見えてこない理由です。

 2006年7月にスタートしたTwitterは、2007年に入って日本でも話題となり、ヘビーなネットユーザーを中心にユーザー数を増やしました。利用者数は公表されていませんが、全Twitterユーザーの20%が日本からの利用であるとされています。

 日本語版の開発にあたっては開発ブログがスタートしているほか、Twitter内にアカウント「twj」として開発スタッフが参加しています。Twitterを使ってTwitter日本語版の開発情報がリアルタイムに報告されたり、まさに現在利用しているユーザーとの意見交換が行なわれています。

 日本語版開発のニュースが流れた直後、Twitter内の反応は肯定的なものばかりではなく、利益を追求する中で現在のシンプルさが失われてしまうことなどを憂慮する声も多く上がっていました。ですが、このように開発スタッフがユーザーと積極的に交流していくことで、Twitterの力によって日本語版Twitterが多くのユーザーに愛されるものになっていったら、すばらしいことですね。


URL
  Twitter
  http://twitter.com/
  日本語版Twitter開発ブログ
  http://twitterjp.blogspot.com/
  日本語版開発者のTwitterアカウント「twj」
  http://twitter.com/twj
  2007年窓の杜大賞 結果発表
  http://www.forest.impress.co.jp/prize/2007/result.html


2008/01/15 13:07
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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