先週はGoogleのブラウザ「Google Chrome」の話題に湧いた1週間でした。いつもは突然新機能を出してくることの多いGoogleが前日から話題作りに努めるなど、強い意気込みが感じられます。その他にも「ニコニコメッセ」、月額制「ATOK for Windows」など、サービスの公開ラッシュとなりました。
また先週は、mixiのフィッシング詐欺、メールによるウイルス感染への注意呼びかけといったニュースもありました。新シーズンの始まりで、先週から大きく環境が変わった方も多いかと思います。気を付けていきましょう。
◆Googleが独自開発ブラウザ「Google Chrome」ベータ版をリリース
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/03/20742.html
9月2日、米GoogleはWebブラウザ「Google Chrome」ベータ版を公開した。現在はWindows Vista/XP版のみだが、今後数カ月以内にMac OS版、Linux版も公開の予定。詳しくは後半で解説します。
◆Windows Live メッセンジャーでニコ動が視聴できるサービス開始
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/03/20751.html
9月3日、マイクロソフトとニワンゴは「Windows Live メッセンジャー」上で友人と「ニコニコ動画」の動画やコメントを共有できる「ニコニコメッセ」、「Windows Live アラート」の機能を利用してニコニコ動画のニュースをデスクトップにポップアップ表示する「ニコニコアラート」を開始した。記者会見は両サービスの相性の良さを強調。ニワンゴの夏野氏は、世界展開はマイクロソフトと一緒にやっていきたいと述べた。
◆「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」発足、業界13団体が参加
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/05/20774.html
9月5日、インターネット/通信関連13団体と総務省による「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」が正式に発足。発足式では村井純氏らが抱負を表明した。あと2年で新規割り当て用IPv4アドレスが枯渇するとの予測がある中、不安や負担を最小限にしていくことを目指す。
◆公取委、イー・モバイルの「0円」広告に警告
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/04/20763.html
公正取引委員会はイー・モバイルに対し、広告に景品表示法違反のおそれがあるとして警告を行った。同社が広告で「通話基本料0円」と大きくアピールしていたことが、サービス内容について誤解させる内容になっていたという。実際には、通話基本料0円のサービスを利用するためには月額1000円~のデータ通信利用料が必要。
◆月額300円のATOK定額制サービス開始、はてなとのキャンペーンも
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/02/20735.html
9月2日、ジャストシステムは月額300円で利用できる日本語入力システム「ATOK for Windows」の提供を開始した。サービス開始時は「ATOK 2008」と同等の機能を提供し、以降も常に最新版にアップデートされる。また同日より、はてなと連携したキャンペーンも開始。はてな用の試用版は45日の試用が可能なほか「はてなダイアリーキーワード辞書」が利用可能になっている。
● Googleから登場したWebブラウザ「Google Chrome」が各所に衝撃を与える
9月2日、米Googleは独自のWebブラウザ「Google Chrome」を公開しました。前日からブログ等に情報を流し(英語のマンガによる解説も事前に公開していました)、期待度を高めての公開で、テレビのニュースでも取り上げられました。
インストールしてまず感じるのは、とにかく「速い」こと。ページの表示は当然ながら、Webアプリケーションの動作が非常に高速です。たとえばGoogleマップでは、そこそこの回線速度があれば、ほとんどグレーの領域(読み込み中)を目にすることがありません。Googleの自社サービスが速いというのはある意味では当たり前とも言えますが、ともあれなかなかの速さです。
この「速さ」については、Mozilla関係者がブログで「Google Chromeが最速というわけではない」と指摘しています。とはいえ、別にGoogleとMozillaが敵対しているわけではありません。Mozillaトップは歓迎のコメントを発表しており、GoogleのChrome開発者は「理想のブラウザについては様々な意見があり、Googleの理想をMozillaに押しつけることはしたくなかった」といったコメントをしています。両者の考える「速さ」の定義に違いがあっても不思議ではないでしょう。
先々週には、Internet Explorer 8(IE8)のベータ2が公開になり、当コーナーでも取り上げましたが、その際、マイクロソフトはIE8について「速い」「便利」「安心」という3つのキーワードをアピールしていました。
これに沿ってGoogle Chromeを見てみると、まず「速い」については前述の通り、まったく文句なしです。
「便利」については、まだ出たばかりのブラウザということもあり、それほど多機能ではありません(たとえば、各種ツールバーが利用できません)。ですが、一定の思想を感じられる作りで、一部のユーザーを強く引きつけるものはあると言えそうです。
複合的な機能を持ったアドレスバー「ワンボックス」や、新規タブに表示される「よくアクセスするページ」などは、わざわざ「お気に入り」をメンテナンスするような手間をかけずに、Webに溢れる流動性の高い情報を的確に捉えていくために役立ちます。また、タブを新しくウィンドウ化したりひとつのウィンドウにまとめたりといった操作が簡単にできることは、「タブブラウザ」の1つ先を行くスタイルとして、多量のWebページを開きながらのブラウズが非常に便利になります。Webアプリケーションのショートカットを作成できるのは、Gmailなどの愛用者に新しい利用スタイルを提示してくれます。
最後の「安心」についてですが、当初の利用規約には「送信や表示したコンテンツはGoogleにライセンスが付与される」といった内容があり、Googleはこれを改訂しました。Googleではこの問題について、「他のサービスの利用規約を流用したため」と説明し、謝罪しています。
前向きに評価すれば、まだ公開されて1週間のブラウザですから、多くのユーザーの声を取り入れて「安心」できるブラウザに成長してくれることを期待したいところです。また、IEやFirefoxなども、新たなライバルの登場によって機能強化が進みそうで、ユーザーとしては楽しみが増えたと言えます。
2008/09/08 12:57
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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