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2008/09/22~2008/09/28


 新たなブラウザ戦争が熾烈を極めています。9月初めに登場したGoogle Chromeに「速い」と驚く人が多かった中で、Mozillaも新しいJavaScriptエンジンを着々とチューンアップ。さらに先週は、WebKitが新しいJavaScriptエンジンを発表し、その速さをアピールしました。今回のブラウザ戦争は、Web制作者もユーザーも不幸になることはなさそうなので、競争による各ブラウザのさらなる進化と、それを活かしたWebアプリケーションの登場に期待したいところです。

 先週のニュースでは、2007年11月にGoogleが発表した携帯デバイス向けプラットフォーム「Android」採用機のニュースも見逃せません。こちらは、iPhoneやWindows Mobile端末などと「モバイルプラットフォーム戦争」とでも呼ぶべきものを巻き起こすかもしれません。詳しくは後半で解説します。


T-Mobile、世界初のGoogle Android携帯を発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/24/20926.html
 9月23日、T-Mobileは世界初となるGoogle Androidプラットフォームを採用した携帯電話「T-Mobile G1」を発表した。10月22日に米国で発売し、その後に欧州でも発売の予定。ハードウェアはHTCが担当し、ソフトウェア面ではGoogleのサービスとの密接な連携が特徴となる。

WebKit開発チームが新たな高速JavaScriptエンジンを公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/22/20916.html
 9月18日、「WebKit」の開発チームは、次世代JavaScriptエンジン「SquirrelFish Extreme」を発表した。Mozillaの「TraceMonkey」や、Googleの「V8」といった、最近発表された新しいJavaScriptエンジンよりもさらに高速なベンチマーク結果を出しているという。

ヤフオク「ID乗っ取り」で不正出品、被害は5000件に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/26/20967.html
 9月26日、「Yahoo!オークション」のIDとパスワードが盗まれ、偽ブランド品などの不正出品に悪用された「ID乗っ取り」事件で、ヤフーは現時点での被害件数が5000件に上ることを明らかにした。ログイン履歴の調査から、他社とYahoo!で同一のID・パスワードを利用したいたユーザーが乗っ取り被害にあった可能性が高いとしている。

P2P技術の普及に向け立法措置も、東大・江崎浩教授らが提言書
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/22/20920.html
 9月18日、NPO法人ブロードバンド・アソシエーションのP2P関連問題研究会は、P2P技術を積極的に取り入れる必要性や、技術者が安心して開発に取り組める環境を実現する必要性などを訴えた「P2P基本提言」をとりまとめた。22日に主催したシンポジウムで提言についての説明を行い、日本の国際競争力向上のため、立法を含めた諸制度の改善を行うべきだとした。

違法・有害情報対策を「国民運動」に、総務省の検討会で提案
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/26/20970.html
 9月26日、総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第8回会合が開催。4つのワーキンググループ(WG)からの報告が行われ、「自主的取組WG」からは、インターネット関連事業者だけでなく、サイトを持つ一般企業やブロガーなど一般利用者などを含め、誰もがインターネットの参加者であり、利用環境整備の責任の一端を担うことを明らかにする必要性が提示された。


初のAndroid携帯電話が登場。日本発売を待つ間に注目すべきポイントは?

 9月23日、T-Mobileは世界初のGoogle Androidプラットロームを採用した携帯電話「T-Mobile G1」を発表しました。

 「Android」とは、2007年11月にGoogleが発表したオープンソースの携帯デバイス向けプラットフォームで、OSからミドルウェア、基本的なUIやアプリケーションまでを含みます。Androidの開発・推進のために「Open Handset Alliance」という企業連合が結成されており、国内のキャリアではNTTドコモやKDDIが参加しています。

 T-MobileはこのOpen Handset Allianceの主要な参加企業のひとつであり、欧州各国およびアメリカでサービスを展開している大手携帯通信キャリアです。このたびのT-Mobile G1の発表は子会社のT-Mobile USAから行われ、まずは米国内で10月22日の発売が発表されました。さらに11月には英国で、2009年の第一四半期にはドイツ、オーストリア、チェコ、オランダでの発売予定がアナウンスされています。日本での発売予定は、残念ながら未定です。

 T-Mobile G1のハードウェアを製造したのは、日本のキャリアにも多くのスマートフォンを提供しているHTCです。詳細なスペックはまだ不明ですが、大画面のタッチスクリーンにスライドするQWERTYキーボード、3メガピクセルのカメラなどを備えており、カメラのピクセル数だけを見ても、なかなか意欲的なスペックとなりそうです。

 ところで、今後登場する携帯端末の評価は、キャリアの料金・インフラや端末のスペックだけでなく、提供されるアプリケーションやサービスを含めて考えることが重要になりそうです。iPhone 3Gであれば「App Store」そして「MobileMe」がこれに相当し、これらを抜きでiPhoneの価値を論じても、あまり意味はありません、これらがあることで、ユーザーは単純にキャリアに囲い込まれ貧弱なサービスに甘んじるのでなく、多数の提供者によるソフトウェアやサービスを選択し、より自由に、より多彩で優れた機能の利用が可能になります。

 AndroidそしてT-Mobile G1の場合、App Store的なものとして「Android Market」が予定されています。これはApp Storeよりもオープンな場だとされており、ある程度のコントロールを行うAppleに対して、オープンさを徹底しようとするOpen Handset Alliance、という違いが見られます。

 また、サービスとしてはGoogleの豊富なサービスがすでにあり、T-MobileのG1ではGmailやコンタクトリストの同期が行えるほか、Google Maps(ストリートビューにも対応)、検索やYouTubeなどとのシームレスな連携がアピールされています。さらにAmazonが「Amazon MP3」で600万曲以上のDRMフリーMP3楽曲を販売するとしています。


 Android携帯電話は日本ではまだ入手不可能ではありますが、あと半年か1年もすれば、iPhoneのようにやってくるはずです(Googleでは日本で開発者向けのデモも行っています)。それまでに気になるのは、Apple陣営、Android陣営、さらにはMicrosoft陣営が、各々どのような特色を出してくるかです。Windows Mobileにも「Windows Live」があり、Windows Mobile用のApp Storeのようなサイトを用意するのではないかという噂もあります。

 また、ここまで普及しきった日本の「ケータイ」と、どう折り合いが付けられるのかも気になる問題です。iPhoneの登場時にも言われたことですが、絵文字やおサイフ機能などが弱いと、日本ではどうしても2台目の端末としてしか購入検討の対象にならないことが多くなります。それらへの対応をNTTドコモやKDDIが行ってくるのか、それとも、キャリアがそれらをしなかったとしても、Android Maketの力によって可能になるのかといったところも気になります。

 もちろん、価格も重要な問題です。T-Mobile G1の米国での価格は179ドル(2年契約)と発表されており、一方でAT&Tから発売になっている米国のiPhone 3G(8GB)は199ドル(2年契約)です。これはきわめて戦略的な価格設定と見られ、他国での発売価格も米国の勢い次第となるかもしれません。



2008/09/29 13:32
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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