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2008/10/14~2008/10/19


 先週は「Flash Player 10」に「Silverlight 2」「OpenOffice.org 3.0」と、ソフトウェアの新バージョン公開が相次ぎました。Amazon.co.jpの「アソシエイト・ツールバー」や、「Movable Type」のセキュリティ修正版公開、「Firefox 3.1 Beta 1」、さらには「Windows 7」のニュースもありました。

 その他では、「WEPは10秒で解読できる」というセキュリティ関連で重要なニュースも。また、いわゆる“青少年ネット規制法”の施行令案公表もありました。


「Flash Player 10」正式版公開、レンダリングエンジンを強化
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/15/21187.html
 10月15日、アドビシステムズは「Flash Player 10」を公開。レンダリングエンジンを強化し、GPUへの対応やテキスト描画機能の強化、各種新エフェクトの搭載などを行っている。またネットワークの状況変化に自動対応する可変ビットレートによるストリーミング配信のサポート、ファイルのアップロード/ダウンロードAPIの提供も行われた。

「WEPは10秒で解読可能」、神戸大と広島大のグループが発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/14/21162.html
 10月8~10日に実施されたコンピュータセキュリティシンポジウム2008(CSS 2008)にて、神戸大学と広島大学のグループが、無線LANの暗号化方式「WEP」を10秒で解読できたという発表を行った。また、すでにWEPは暗号化方式の意味をなさないとしてWPAやWPA2への移行を呼びかけた。

Eee Boxのウイルスは工場で混入、対策ソフトで検知できず
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/14/21169.html
 10月14日、ASUSTeK Computerは出荷した「Eee Box」がウイルスに感染していた問題について経緯を説明。工場での生産時に混入したが、8月中旬当時のウイルス対策ソフトでは検知できなかったという。また同社の「Eee PC 701 SD-X」の外付けHDDにもウイルスが混入した可能性を発表した

「Firefox 3.1 Beta 1」が公開、新JavaScriptエンジンも搭載
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/15/21191.html
 10月14日、Mozillaは「Firefox 3.1」のベータ1を開発者向けリリースとして公開した。レンダリングエンジンとして「Gecko 1.9.1」を搭載。大幅な高速化を図ったJavaScriptエンジン「TraceMonkey」も搭載しているが、デフォルトでは無効化されている。

OpenOffice.org 3.0正式版が公開、アクセス殺到で簡易ページに
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/15/21175.html
 10月14日、OpenOffice.orgは無償で利用できるオフィススイートの最新版「OpenOffice.org 3.0」を公開した。Microsoft Office 2007での標準フォーマット「Office Open XML」対応などの新機能が盛り込まれている。公開時には公式サイトへのアクセスが非常に集中したため、ダウンロードリンクのみを掲載した簡易ページを表示する措置がとられた。


普及のカギはどこにある? SilverlightとFlashの新展開

 先週はアドビの「Flash Player 10」、Microsoftの「Silverlight 2」と、リッチコンテンツを再生するWebブラウザ用プラグインの新バージョンが相次いで公開されました。

 「Silverlight 2」は先々週にも報じたもの。DRMの強化、「DeepZoom」など表現力の強化、開発環境の整備やWebサービスとの連携強化が、主な特長です。

 一方で「Flash Player 10」は、レンダリングエンジンの強化や、可変ビットレートによるストリーミング配信、ファイルのアップロード/ダウンロードAPIの提供などが新機能となっています。

 「動画やインタラクティブなUIを実現するためのプラグイン」としてライバル関係にある両ソフトですが、Flashが10年以上の歴史を持つのに対し、2007年9月に1.0が公開になったばかりと歴史の浅いSilverlightは、まだまだ普及率が高くなく、まずは普及率の向上が課題となります。

 Flashのコンテンツや開発環境の豊富さは圧倒的です。「YouTube」や「ニコニコ動画」といった動画共有サイトもFlashビデオを採用しており、そうしたサイトを開けばプラグインのインストールが促されます。ゲーム機や携帯電話など、プレーヤーはPC以外のさまざまな端末にも搭載されており、先週のBB WatchではPS3がFlash 9をサポートし、「ニコニコ動画」の視聴が可能になったというニュースを掲載していますが、いわゆるUGC、ユーザー投稿の動画がキラーコンテンツという状態になっています。

 またクリエイターには同社の「Flash」や「Flex」、さらにはオープンソースの開発環境が用意されています。また「Adobe AIR」によって、クライアントアプリケーションでもFlashの技術が利用できるようになりました。


 一方でSilverlightは「GyaO」や「BIGLOBE」といった大手の商用サイトでの採用実績を積んでいっている状態です。「GyaO」がFlashでなくSilverlightへの移行を決めた理由として「これまで蓄積したWindows Media形式の動画をそのまま利用できる」ことを挙げたように、Silverlightの歴史は短いもののMicrosoftの関連資産は豊富であり、同様の事情を抱える商用動画配信サイトにとっては、Silverlightは魅力的な選択肢となりそうです。

 Silverlightは主要UGCサイトでの対応はまだなく、「Windows Mobile」や「Xbox 360」への対応もこれから(Mac OS X版は出ており、Linux版にあたる「Moonlight」の開発も進められています)。まだまだFlash追撃のためにやるべきことがたくさんある状態です。そんな中で、MicrosoftはSilverlight 2の公開と同時に、オープンソースコミュニティのサポートを発表し、開発環境の整備を推進する方針を示しました。

 Webブラウザ上で動く「Webアプリケーション」がこれからの主流になると言われる時代、こうしたリッチコンテンツ用のプラグインもまた、その重要なプラットフォームとなると考えられます。FlashもSilverlightも、リッチWebアプリケーションのプラットフォームとして、さらなる普及のために閲覧環境・開発環境両面の整備が進められていくでしょう。



2008/10/20 11:48
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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