先週末、Web検索のトラブル(Gmailにも影響)を起こしたGoogleですが、週明けからは怒濤のごとく新サービスをリリースしました。Google Earthの新バージョンにGmailのラベル機能拡充、日本語版「Google Docs」のオフライン対応開始、トップページ刷新、位置情報を共有する「Google Latitude」公開、Google Calendarのオフライン対応と、ものすごい勢いです。
その他では、テレビ等でも盛んに取り上げられたお笑い芸人スマイリーキクチさんのブログにおける中傷事件が目立ちました。本件について「炎上」としていたメディアが多くありましたが、ブログ筆者の問題発言からコメントが殺到する、いわゆる炎上とは違うものです。この事件の影に隠れてしまった感がありますが、医薬品の販売規制やブルーレイ課金など、ネットへの規制やデジタル技術に関する制度のニュースも要注目です。
◆UQ Com、「UQ WiMAX」を2月26日に23区と横浜・川崎で開始へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/03/22314.html
UQコミュニケーションズは、モバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」を2月26日に開始すると発表。月額4480円で6月30日までは無料。5000人のモニター募集も開始している。詳しくは後半で解説します。
◆IE8の新機能に国内21社が対応、「アドオンギャラリー」も公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/05/22338.html
2月5日、マイクロソフトはIE8 RC版の説明会を実施した。検索ボックスに入力された文字から候補をリアルタイム表示する「検索候補」に対応したNTTレゾナントの「goo」、選択したテキストから検索・翻訳などのサービスを呼び出す「アクセラレータ」に対応したカカクコムの「価格.com」など、国内21社の80サービス以上がIE8の新機能に対応していると発表。合わせて、新機能対応サービスを紹介する「アドオンギャラリー」も発表した。
◆医薬品のネット販売規制、厚労省が薬事法施行規則改正の省令公布
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/06/22368.html
2月6日、厚生労働省は薬事法施行規則等の一部を改正する省令を公布した。インターネット販売を含む医薬品の通信販売について、リスクの低いものを除いて禁止となり、これによって一般医薬品のうち7割近くが販売できなくなるとされる。
◆「Google Earth 5.0」公開、海底探検や過去の画像の閲覧が可能に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/03/22305.html
2月2日、米Googleは「Google Earth 5.0」ベータ版を公開した。新たに海底の地形、過去の衛星航空画像、火星の高解像度画像や地形状況の探索が利用できるようになった。またGoogle Earth内で目的地を移動しながら音声を再生できるツアー機能も搭載している。日本語を含む41カ国語で利用可能。新機能の詳細についてはこちらの記事で。
◆Windows 7は計6エディション、そのうち主要エディションは2つ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/04/22317.html
2月3日、米Microsoftは「Windows 7」を6つのエディションで発売すると発表した。一般向けエディションは「Home Premium」と「Professional」の2つ。このほか、下位エディションとして、低所得者が多い新興国市場を対象にした「Home Basic」、ネットブック等に向けたOEM限定の「Starter Edition」。上位エディションとして全機能入りの「Ultimate」と大企業向け「Enterprise」がある。
● UQ ComがモバイルWiMAXサービス開始を発表。次世代PHS「WILLCOM CORE」は4月
UQコミュニケーションズ(UQ Com)は、2.5GHz帯を利用したモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」を2月26日から開始すると発表しました。
当初のサービスエリアは東京23区と神奈川県横浜市、川崎市の一部。さらに山手線など首都圏44駅にもWiMAX基地局を設置。6月末までには東名阪エリアへのサービス拡大を予定しています。
注目の通信速度は、下り最大40Mbps、上りが最大10Mbps。料金は月額4480円で、6月30日までは無料。通信カードは、USBタイプ2種、PCカードタイプ、ExpressCardタイプの計4種類が発表されています。Windows Vista/XP SP2以降に対応しており、Mac OSに関しては今後対応を図る予定となっています。
また、15日24時までモニターの募集を実施中です。同社が定める応募資格を満たした中から5000人に6月30日まで通信カードを無償貸与し、以降には譲渡されるとのことです。詳細はUQ Comのサイトをご覧ください。
2007年、2.5GHz帯の高速無線通信サービス免許が最大2事業者だけに割り当てられることになり、UQ Comの前身であるワイヤレスブロードバンド企画(KDDI系)のほか、アッカ・ワイヤレス(NTTドコモ系)、オープンワイヤレスネットワーク(ソフトバンクモバイルとイー・アクセス系)、そしてウィルコムの4社が争いました。
結果、ワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムが認定され、社名を変更したUQ Comがこのたびサービスを発表した、という形になります。もう一方のウィルコムは4月からのサービス開始を予定しています。
このほか、モバイルブロードバンド関連でソフトバンクとイー・モバイルがデータ通信サービスでの協業を発表したというニュースもありました。モバイルブローバンドに関してはイー・モバイルに依存するとも取れる発表に、MVNO協議会からは「MNOとしての責務を放棄することにほかならない」とする意見表明があり、ソフトバンクモバイル側は「今後も継続的に、可能な限り設備投資を行っていく」と説明しています。
このような情勢で、ユーザーとしては通信会社選びに大いに悩まされることになります。新生活に備えてデータ通信端末を、とお考えの方も多いと思いますが、モバイルWiMAXはカバー範囲がまだまだ狭く、実用性は未知数。WILLCOM COREもまだ現時点では未知数です。イー・モバイルのデータ通信には一定の実績がありますが、ソフトバンクモバイルとの提携による影響はないのか、という新たな不確定要素が生まれました。
しかも、どれかを選ぶにしても、多くの通信会社では1年・2年縛りの契約が一般的になっています。各社のサービスが出揃うまでは、b-mobile3Gのようなプリペイド型のサービスで様子を見るのも1つの手でしょう。
2009/02/09 12:14
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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