趣味のインターネット地図ウォッチ

住宅地図を月に1回無料で見られる新機能、地図アプリ「ゼンリンいつもNAVI[マルチ]」で提供開始

有料プランなら月10回まで

 株式会社ゼンリンデータコムは、地図・ナビゲーションアプリ「ゼンリンいつもNAVI[マルチ]」を1月31日にバージョンアップした。今回のバージョンアップでは、ゼンリンの住宅地図と連携して、通常地図から住宅地図に切り替えることが可能となった。

 同アプリは、徒歩や電車、車、バス、自転車などにおいて最適なルートを案内するナビゲーションアプリ。無料でも利用できるほか、月額300円または年額3000円(いずれも税別)の「プレミアコース」に申し込むことにより、音声ナビ、渋滞情報の表示、雨雲表示、チェーン店を表示する「目印地図」や名所が描かれた「観光地図」の利用などの機能が可能となる。

 今回行われたゼンリンの住宅地図との連携では、無料ユーザーは毎月1回まで住宅地図を閲覧可能、プレミアコース登録ユーザーは毎月10回まで住宅地図を閲覧可能になった。アプリの地図画面において、右側の下部に表示される「住宅地図」というボタンを押すだけで簡単に切り替えられる。

 表示される住宅地図には、「ゼンリン住宅地図スマートフォン」と同様に、一軒一軒・一戸一戸の建物名称、居住者名や番地を大縮尺の地図上に詳しく表示されており、バス停や信号機、交差点名、一方通行などの道路交通情報も掲載している。また、ビル名を長押ししてからポップアップの「フロア情報」をタップすると、フロアごとにテナント名が表示される。

 注意点としては、「住宅地図」ボタンを押して切り替えると、他のエリアにスクロールさせようとしても「住宅地図で移動できるのはここまでです」という表示が上部に出て場所が固定されてしまうこと。拡大・縮小はできるものの、通常地図に比べるとズームアウトできる範囲が限られている。住宅地図で調べたい施設がある場合は、まず通常地図の状態でピンポイントに目的のエリアを表示させて、エリアごとに住宅地図に切り替える必要がある。

 住宅地図のスマートフォン向けサービスとしては、月額900円(税別)で利用できる「ゼンリン住宅地図スマートフォン」がすでに提供されているが、毎月1回までとはいえ、アプリから無料で住宅地図を見ることが可能になったのはうれしい。仕事で訪問先のビルの場所が分からないときや、住宅地で目的の家を探すときなど、ここぞというときに住宅地図に切り替えて活用してみてはいかがだろうか。

片岡 義明

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報トラッキングでつくるIoTビジネス」「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。