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【使いこなし編】第128回
Amazon「Fire TV Cube(第3世代)」レビュー、Wi-Fi 6対応など大幅パワーアップ
2022年11月2日 06:00
本連載では【使いこなし編】の第36回から第76回まで、Amazonの「Fire TV Stick」を自宅Wi-Fiで使いこなす方法を詳細に解説したが、コロナ禍により自宅で過ごす時間が増えていたこともあってか、かなりの好評を博した。そして先日(10月27日)、新しいAmazon「Fire TV Cube(第3世代)」が登場したので、できることや新しくなった点を紹介していこう。
Amazonいわく「Fire TV史上、最も先進的なストリーミングメディアプレーヤー」という触れ込みの、シリーズ最上位(かつ最高額)のモデルとなる。
今回は概要と新機能を紹介をしておくが、近日キリのいい回から、このFire TV Cubeの使いこなしを実践していく予定にしているので、期待しておいてほしい。Fire TV Stickのときも同じだったが、この手の製品の取扱説明書には最低限の内容しか記載されていない。ハマると分かりにくい部分もあるので、連載を取説のように使ってもらえるとありがたい。Fire TVをまだ導入していないなら、連載を参考に年末年始の特番イッキ見に向けて、準備をしてみてほしい。
Fire TV Stickとの最大の違いは音声操作できる「Echo」の内蔵
キューブな形状は前世代そのままだが、ファブリックで覆われて、インテリアに馴染むデザインになった
そもそも、Fire TV CubeとFire TV Stickは何が違うのか? はじめて触れる人には分かりにくいと思うので説明しておこう。最大の違いは、Alexaでフリーハンドの音声コントロールをする「Echo」の機能が内蔵されているかどうかだ。
Cubeにはこれが内蔵されていて、「アレクサ!」のウェイクワードで操作ができる。接続したテレビの電源をオンにしたり、チャンネルを変えたり、Fire TV CubeをつないだHDMI外部入力に切り替えたりが、リモコンのAlexaボタンを押さなくても、発話だけで可能になる。
Stickの方でこのような操作をするには、Echoに加え、赤外線をコントロールするIoTリモコンも追加する必要がある。これに関しては、連載でStickと「Echo Studio」、それに「Nature Remo mini 2」を加えて過去に実践している。
全て設定してしまえば似たことが可能になるが、こういった組み合わせを考えずにテレビとAVアンプ、サウンドバーを音声でコントロールできるのは、とても手軽だ。ただ、組み合わせるモデルにもよるが、Stick+Echo+IoTリモコンの方が、Cube単体より安くできることもある。この点は、ちょっと悩ましいところ。
Cubeはスピーカーを内蔵しているので、音声による反応や操作ガイドを聞くことができるのもメリット。Stickでは、テレビがオンになっていないと音声による反応を聞くことができない。ちなみにStick単体でもAlexaは使えるが、いちいちリモコンの音声認識(Alexa)ボタンを押さないとならない。
Prime VideoやNetflix、YouTubeなどを再生するストリーミングメディアプレーヤーとしてできることは、まったく同じ。違うのはメニューなど動作の機敏さ。Stickで最も高速なモデル「Fire TV Stick 4K Max」よりもサクサク動く。メニューを縦横にスクロールさせると飛ぶように流れていく。再生のコントロールももたつくことがないし、アプリの起動で待たされることもない。
逆の見方をすれば、Echoの機能は不要で、メニュー操作は多少待ってもいいというおおらかな気持ちを持ってすれば、Stick系でもまったく問題はない。おおよそどんな人に合うのか、特徴を書くと以下のような感じになるとイメージしてもらえればと思う。
Fire TV Stick
フルHDのテレビ。Wi-Fi 5のルーターを使っている。とにかくコストはかけたくない人
Fire TV Stick 4K Max
テレビは4K。テレビのそばに置く場所がない(壁掛け設置など)。Echoのハンズフリー操作は不要な人
Wi-Fi 6対応や豊富な付加機能もうれしい
細かな機能としては、Wi-Fi 6に対応していること、100Mbpsではあるが有線LANポートが内蔵されている(先代はアダプター接続)こと、HDMIポートで4Kまでの映像入力が可能なことなどが挙げられる。HDMI入力は、BDレコーダーやゲーム機を接続し、メニューから切り替えて表示できる。
4K以下のHDなどの入力は、4Kにアップサンプリングされる。Fire TVをメインに使いながら、ときどきゲームをするような利用方法にはピッタリだ。
また、USB 2.0ポートを搭載していて、ウェブカメラを接続してテレビ電話のようにコミュニケーションしたり、USBメモリやHDDをつなげてメディアを再生できたりもする。また、Amazonのネットワークカメラ「Ring」シリーズを使っていれば、ピクチャーインピクチャーで画面に表示させたりもできる。こういった付加機能にフル対応しているのもCubeの魅力だ。
付属のAlexa対応音声認識リモコンは、Fire TV Stick(4K Maxも同じ)よりも少し長めになり、ライブ用のチャンネル切り替え、最近のアイテム、設定のボタンが新たに追加されている。アプリボタンが4つあるが、「DAZN」が「ABEMA TV」に入れ替わっている。
Fire TVシリーズは、Amazon.co.jpで頻繁にディスカウントされる。欲しい場合にはこまめ価格をチェックしておこう。ブラックフライデーやサイバーマンデーといった、冬のセールのディスカウントを狙ってもいいだろう。昨年(2021年冬)は、Fire TV Stickが半額になっていた。ちなみに本稿を書いている最中も、Stickシリーズが30%引きのタイムセールになっている。
出たばかりのこのFire TV Cubeがすぐに大幅割引になる可能性は低いが、発売日からすでに、過去にFire TVシリーズを購入した人向けに3000円の割り引きオファーが届いている模様だ。古いStickからの買い換えも十分アリな性能だろう。
今後、本連載でさまざまな使いこなしを詳しく実践していくので、ゲットして待っていてほしい。
今回の教訓(ポイント)
高速動作がウリの「New Fire TV Cube (第3世代)」が登場した
今後、本連載でさまざま使いこなしを実践していくので要チェック