自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第229回
自宅の見守りにTP-Linkのネットワークカメラ「Tapo C222」を使ってみる
2025年2月27日 06:00
Wi-Fiも有線も使える屋内用カメラ「Tapo C222」
この連載では、Wi-Fiを活用するさまざまな機器の使いこなしを紹介している。今回からは、ネットワークカメラやスマートカメラと呼ばれている、Wi-Fiにつなげて使うカメラを扱っていこうと思う。
ネットワークカメラには数多くの製品があり、どれを選ぼうか迷ってしまうかもしれない。現在の製品は屋外用と屋内用に大別され、屋外用は防水・防塵機能を備えている。まずは用途を考えて、どちらかを買うか選ぼう。今回は留守中の屋内、具体的には玄関に据え置きしたり、留守中のペットの様子を映したりする目的で、屋内用のカメラを使ってみることにした。
そのほかの仕様面では、カメラの解像度およびフレームレート、映像の保存方法(内蔵のメモリーカード、またはクラウドなど)、暗所撮影機能の有無、パン・チルト(縦横方向の首振り)機能の有無、AIによる各種検知機能といったあたりも選択のポイントとなる。ただ、現在では、かなり低価格の製品でも機能が充実しており、初めて買うので必要な機能が分からないという場合には、安すぎない、程々の価格帯の製品を選んでおけばほぼ間違いない。今回選んだ 「Tapo C222」も、実売7000円弱で、ここに挙げた機能は一通り利用できる。
ちなみに、今回詳しくは触れないが、屋外用ならネットワーク接続方法(有線LAN、Wi-Fi)、や電源(AC給電、バッテリー、ソーラーパネル)も重要なポイントとなり、設置方法や使い方が変わってくる。
クラウドにも本体のmicroSDカードにも保存可能
自宅内や自宅周辺を撮影して映像を保存するということで、セキュリティ面も気になるところだ。昨今はIoT機器を狙ったサイバー攻撃の話を聞く機会も増えており、ネットワークカメラも攻撃の対象になりうる。今回は、ネットワークカメラ大手であり、脆弱性が発見された場合の対応なども素早く行われるだろうと考えて、TP-Link製品を選んだ。
映像をインターネットに送信してクラウド保存するカメラの場合、現時点では想像もつかなかった攻撃手段や脆弱性が登場し、映像が流出してしまう……といったリスクがゼロだとは言い切れない。しかし、玄関に設置して人の出入りを確認したり、猫がくつろいでいる様子を撮る程度ならば、万が一映像が流出しても、それにより深刻な実害が生じるとも考えにくいことから、クラウド保存する運用でも問題はないと考えている。
とはいえ、基本的には本体に装着したmicroSDカードに映像を保存するつもりだ。TP-LinkのTapoシリーズでは、クラウドへの保存はクラウドサービス「Tapo Care」の有料オプション「プレミアムプラン」で提供される機能となっており、追加料金が必要となる。1台につき1回のみ30日間無料トライアルが使え、年間4000円、月額400円のサブスクリプション契約となる。
なお、現実的なセキュリティを考えると、クラウド保存を利用する場合、まずはアカウント情報の流出に注意すべきだ。どんなにカメラ本体のセキュリティを高めても、第三者にクラウドサービスへのログインを許してしまったら元も子もない。パスワードをほかのサービスと使いまわすようなことはせず、安全に管理しよう。
TP-Linkの「Tapo」シリーズのネットワークカメラは非常に種類が多く、現行の屋内用「Tapo C2xx」シリーズだけでも6モデルある。
その中で今回「Tapo C222」を選んだのは、Wi-Fiだけでなく有線LANにも対応していて、通信を監視しやすいためだ。今後の連載では、どのような通信が行われているかを監視したり、クラウドサーバーにアップロードすることを懸念する人向けに、自宅内でリスクを少なく活用する手法を紹介したりすることも考えている。
有線LANの接続が不要であれば「C230」が2025年2月末時点では最も新しく、カメラの解像度が高いのでおすすめだ。また、「C22x」以降のモデルではAI検知が強化されていて、これまでの動体検知、人物検知、赤ちゃんの泣き声検知に加え、ペット検知、猫と犬の鳴き声検知、ライン通過検知、タンパリング(カメラへの妨害。テープやスプレーでレンズ部分をふさぐなど)検知、車両検知、ガラス破損検知ができるようになっている。
なお、AI検知は、クラウドへの保存と同じくTapo Careのプレミアムプランで提供される機能となっている。
Wi-Fiとネットワーク上での利用について少し細かい話をすると、「Tapo C2xx」シリーズは全てのモデルでWi-Fi接続に対応しているが、2.4GHz帯のみを使い5GHz帯は利用できない。また、カメラのIPアドレスを固定して使うこともできないため、ポート開放をして外部からアクセスするという使い方はできない。
そのため、利用するにはルーターのDHCPサーバーがLAN内で動作している必要がある(普通に使っていれば動作しているはずだ)。基本的には、専⽤アプリ「TP-Link Tapo」を通して映像を確認する、という使い⽅になる。microSDカードに保存した映像をPCに移して確認することは簡単だが、公式ではPC向けアプリやブラウザを使った方法は用意されていない。専⽤アプリ以外での使い方も可能かどうかは、後ほどトライしてみるつもりだ。
付属の電源コードは天井設置もしやすい約3mの長さ
Tapoシリーズにはバッテリーで動作する必要もあるが、本製品は付属のACアダプターを接続する必要がある。ACアダプターのコードは長く、測ってみたところ3m弱もあった。おそらく天井の取り付けなどを考慮して長くしているのだろう。電源確保で困ることはなさそうだ。
内蔵のストレージとして最大512GBまでのmicroSDを装着できる。別売りとなるので、あらかじめ用意しておきたい。ネットワークカメラは有償の専用クラウドを使わせたいというメーカーの思惑から、内蔵ストレージに保存する機能が省かれた製品も多いが、Tapo C2xxシリーズは全てmicroSDカードが利用可能だ。microSDカードへ保存するなら、Tapo Careのサービスは無償プランで済む。
次回、セットアップから実践して使ってみよう。