「あなたのWi-Fi改善します」by NETGEAR
読者の「Wi-Fiがつながらず、モバイル回線に切り替え……」は「Orbi WiFi 6 Mini」でどう変わる?
【第2回】2Gbpsの高速回線を生かせるようにしたら、お風呂タイムが長くなった!
2021年1月22日 07:00
高速な固定回線を契約しているはずなのに、思ったほど速度が出ない、つながらない、不安定で満足にインターネットが使えない……。もしかしたら、それはWi-Fiルーターが原因なのかも!?
「あなたのWi-Fi改善します」は、そんな悩みを持つ読者に、実際にネットギアのWi-Fi 6対応ルーターを使ってWi-Fi環境を改善してもらおうというモニター企画。ご自宅にINTERNET Watch編集部がお邪魔して、その環境に最適なWi-Fiルーターに置き換え、問題を解決し、ネットワークの改善を図ります。
第2回目は、家族5人が仕事に、あるいはゲームや動画視聴に、毎日ネットを活用しているS氏のご自宅。全員がiPhoneユーザーかつWi-Fi 6対応機種を所有しているものの、現在のルーターはWi-Fi 5止まり。しかも電波が弱く、スムーズな通信のためにむしろWi-Fiをオフにしてモバイル回線(LTE)を利用することもある状況だとか。Wi-Fiルーターを交換することで、どれほどの改善につながるでしょうか。
※取材は緊急事態宣言前に行ったものです。感染防止に十分配慮して取材、設定作業を行っております。
ユーザープロフィール
・木造2階一戸建て(総床面積約100平方メートル)に居住
・S氏本人、妻、長女、次女、長男の5人家族
・「NURO 光」の光回線(下り最大2Gbps)を利用
・ルーターはレンタル品のONU兼Wi-Fiルーター「HG8045Q」で、IEEE 802.11acに対応
抱えている課題
・1階リビング以外の電波が弱い
・仕事でVPN接続や音声通話をしている最中に途切れることがある
・動画視聴が困難。Wi-FiがつながらないためLTEで代用することも
2Gbpsの固定回線なのに、遅い! つながらない!!
下り最大2Gbpsもの高速インターネットを利用可能なNURO 光を契約しているS氏宅。ところが、Wi-Fi通信がボトルネックになり、その高速さを生かすことができていませんでした。
ルーターを設置している1階リビング付近であれば、Wi-Fi電波が強いため接続はしやすいものの、それでもネットワークの不安定さは否めず。他の部屋については電波が届きにくく、家族の寝室がある2階での通信は困難なことが多かったようです。
Wi-Fiのせいで仕事はダイニング、でも通信は不安定……
訪問した2020年12月時点で、週のうち3日ほどが在宅勤務となっていたS氏本人は、そうした理由からルーターにほど近いダイニングにPCを持ち込み、食卓に半ば据え置きして仕事していました。
家族からは「食事するのに邪魔」と迷惑がられているようですが、他の場所よりはWi-Fiにつながりやすく、デスクワークに適したスペースはそこにしかなかったため、苦肉の策でもありました。
それでも、仕事用PCで会社のネットワークにVPNでアクセスし、リモートデスクトップを利用するとき、あるいはSkypeの音声通話で会議するとき、たびたびネットワークの不安定さに悩まされていました。接続中にネットワークが切断されたり、音声通話では不意に声が相手に届かなくなったり、といったトラブルばかり。端末側のWi-Fiをオンオフすることで接続しやすくなることもあれば、ルーターを再起動するまで接続できないこともあり、通信速度自体も「すごく遅い」ことが常態化していたようです。
当然ながら仕事以外の用途でもWi-Fiの不安定さはつきまといました。PCを使ったウェブブラウジングやネットショッピングではデータの読み込みに待たされ、iPadでの動画視聴は途中でフリーズ。iPhoneで時々プレーするレースゲームに至っては、通信できないせいで画面遷移すらまともに行なわれないこともあったとのこと。
2階の寝室やお風呂も不安定、やむを得ずLTEに頼る始末
特に2階のご夫婦の寝室では、電波が弱いためかかなりの頻度でそういった現象に遭遇し、1日で最もリラックスできるはずの2階の浴室は、なかでも一番通信が困難なスポットとなっていました。
Wi-Fiのアクセスポイントにはなんとかつながっているものの、たとえば動画を視聴しようと思ってもローディング中のまま……。Wi-Fi接続を諦め、スマートフォンのLTEで通信(テザリング)するという「代替策」に頼らざるを得ない状況になっていたのだとか。
この「代替策」は、かつて毎日オフィスに通勤していた頃は早朝に行なうこともよくあったと言います。当日朝から先着順でネット販売される特急列車の指定席券。快適に通勤するためには、その「チケット争奪戦」に勝ち抜く必要があります。しかしWi-Fiではその争奪戦に参加することもままならず、チケット購入サイトにアクセスするときは「安全」のためにLTEを利用していたそうです。当然ながらLTEで通信すれば、その分通信量の上限に達しやすくなり、余計に通信代がかかってしまう可能性もあります。
子供たちも動画視聴の遅さに不満、画面遷移が遅すぎる……
一方、長女や次女、長男も、iPhoneやiPadで動画を楽しむのが日課。ところが、やはりWi-Fi通信が困難なために3人からも不満の声が上がっていました。
2階にある長女、次女の寝室はもちろんのこと、壁1枚しか隔てていないはずの1階にある長男の部屋も、通信には厳しい環境。長男のテレビにはAmazon Fire TV Stickもつながっていますが、画面遷移時のローディングでありえないほどの時間がかかり、楽しいはずの動画視聴がストレスを感じるものに。せっかくのエンタメデバイスが有効活用できずにいました。
奥様については、通信がほとんど発生しないパズルゲームをiPhoneで遊ぶ程度のライトユーザーのため、Wi-Fiにまつわるトラブルを実感することはあまりなかったようです。とはいえ、それ以外の家族の間では「遅い!」「つながらない!」のが日常。在宅での仕事をスムーズにこなすためにも、動画視聴を楽しいものにするためにも、そしてせっかくの高速なインターネット回線をフルに生かすためにも、Wi-Fi環境の改善は急務と言えるでしょう。
【どう解決するか?】広さが重要→メッシュ、設置場所が広くない→小型モデル
12月下旬、INTERNET Watch編集部がS氏宅にお邪魔して確認したところ、ルーターは1階のほぼ中央に設置されていました。床に近いところにあるため障害物に多少遮られやすくはなりますが、それを除けば、Wi-Fi電波が基本的には同心円状に広がることを考えるとちょうどいい位置。
ただ、ルーターがある1階のリビング、ダイニング、キッチン以外の電波はたしかに弱く、2階の浴室や一番奥のご夫婦の寝室はあまりにも不安定なため、電波強度の計測時に端末がWi-Fiの接続・切断を繰り返すことがあるほど。また、長男の部屋のテレビにつながっているFire TV Stickでは動画の再生が始まるまでに数十秒もかかるなど、ルーターと同じ1階であっても状況は芳しくありません。
そこで編集部では、ルーターの電波強度を高めるのはもちろんのこと、複数台で電波の届く範囲を広げられるメッシュネットワークにも対応していることが必須条件と捉え、「Orbi WiFi 6 Mini(RBK752)」の親機・子機2台セットをチョイス。既存のルーター設置場所のスペースから考えても、小型のこのモデルがぴったりマッチするのではないかと考えました。
Orbi WiFi 6 Miniは、最大2402Mbpsの速度で通信が可能なトライバンド対応のメッシュシステム。親機と子機の間の通信帯域が独立しており、さらにMU-MIMO対応でもあるため、複数人が同時に接続した場合には、NURO 光の2Gbpsのネット回線のポテンシャルを引き出せます。家族1人1人がそれぞれ同時に動画をストリーミング再生することも少なくないS氏の家庭に、まさにジャストフィットする性能を備えたモデルです。
ただしS氏宅で契約しているNURO 光では、標準のONU兼Wi-Fiルーターがインターネット接続に欠かせないため、この標準ルーターは生かしたままにしておく必要があります。そこで、標準ルーターとOrbi WiFi 6 Miniの親機はLANケーブルで接続。標準ルーターのWi-Fi機能は念のため停止したうえで、Orbi WiFi 6 MiniをAP(アクセスポイント)モードで動作させることにしました。
【導入結果】メッシュWi-Fi 2台を設置、電波強度は全地点で向上
Orbi WiFi 6 Miniの親機は標準のルーターのすぐ隣に、サテライトとなる子機は暫定的に2階のほぼ中央となる廊下に設置。Wi-Fi電波を遮るものができるだけ少なくなるよう、本来であれば2つとも床から離して設置したいところですが、ネット回線の引き込み口や電源の位置などの都合上、理想的なポジションにするには一部工事が必要となりそうなことから、ひとまずは写真にあるような形で設置することとしました。
ルーターを新しくしたことで、S氏宅のネットワークはどう改善されたのでしょうか。宅内の各ポイントで電波強度を計測してみました。結果は、すべての計測箇所で電波状況が改善。1階は偏りなく全体的に電波強度が向上し、2階についても極端に電波の弱い箇所はなくなりました。
さらにS氏が自身のiPhone SEを使ってOrbiアプリのインターネットの通信速度計測をしたところ、ダイニングで送受信ともに800Mbps近くまで達していました。これであれば、NURO 光の高速な光回線のポテンシャルをいかんなく発揮できるはず。
また、ルーターの近くと、特に電波状況の悪かった部屋で、iPerf3を使ったLAN内速度も計測してみました。
親機を置いたリビングでは、従来が465Mbps(下り速度 ※以下同)だったところ、673Mbpsに向上。子機を置いた2F廊下では109Mbpsだったところ、690Mbpsに。そのほか、1階で電波の弱かった洋室1では106Mbpsが673Mbpsに。ほとんど電波が届かなかった2階浴室では31.5Mbpsが262Mbpsと大幅に向上しました。
なお、2階の子機から最も遠い洋室2でも58.8Mbps→107Mbpsと倍近く向上しましたが、計測時は子機を床に置いており、測定は実利用をイメージして枕元で行っているため、ベッドなどが障害物になってしまっています。子機を壁付けするなど高い位置に移動することで障害物が軽減され、通信状況はさらに改善が望めそうです。
これまでほとんど電波の届かなかった浴室の電波状況も向上しており、お風呂スマホがはかどりそうな予感。「娘たちが今よりもっと長湯になってしまうのでは……」と、かえって心配の種が増えてしまったS氏でしたが、果たして……。
Wi-Fi改善の効果大、「すごいじゃん、これ」とみんな長風呂に(笑)
そんなわけで、年末年始を挟んで2週間ほど、S氏と家族のみなさんに変化をじっくり体感してもらったところで、1月上旬にオンラインにて追加取材を実施。その後の状況を聞いてみると、S氏からさっそく「自分が長風呂になってしまいました!」との報告がありました。
ルーターをOrbi WiFi 6 Miniにした効果は「てきめん」で、浴室で高画質動画も全く切れることなく再生できるようになったのが最も変化を実感できたポイントだったとか。
お風呂の動画視聴が快適すぎ!「すごいじゃん、これ」(次女)
家族も浴室でゆっくり動画を見るのが習慣になってしまい、みんなそろって長湯に。あまり活用できていなかった防水タブレットも持ち込んで、今やお風呂の時間が家族にとって一番のお楽しみになっている様子です。以前からお風呂スマホがお気に入りだった次女からは、あまりの改善っぷりに「すごいじゃん、これ」という感激の声が。長男が自分の部屋のテレビで使っていたFire TV Stickについても読み込みに待たされることがなくなり、快適に動画視聴できるようになったとか。
テレワーク環境も改善、不満のなかったリビングでも効果を実感
もちろん、テレワーク環境においてもWi-Fi改善の効果は大きかったそう。
「朝、最初にVPNにアクセスするとき、これまでは不安でした。でも今は当たり前につながるようになって、全体的に調子も良くなりました」とS氏。既存ルーターでもそれほど不満には感じていなかったリビングでしたが、テレビに接続しているネットワーク対応のレコーダーで録画した番組をスマートフォンなどで視聴するときも、これまでにないスムーズさを感じるようになったとのこと。
早朝、争奪戦の様相を呈していた特急列車の指定席券も、オフィス出勤が少なくなった今は購入機会が減ったとはいえ、やはりWi-Fi改善の影響は大きく、「Wi-FiをわざわざオフにしてLTEで申し込んでいたけれど、もうそんなことをする必要がなくなった」と安心していました。
5人家族が同時アクセスでも不満なし!!
また、複数人同時のネット利用がまったく平気になったのも大きな進化。
S氏がリビングで動画を鑑賞しつつ、家族めいめいが好きな動画を自室で見ていたとしても、ネットワークが遅く感じることは一切ないそう。それほど頻繁にネットを使うわけではない奥様も、夜、寝室で普通にネットにアクセスできることに感動していたようです。
S氏のiPhone SEは、Wi-Fi 6対応とはいえ会社支給品。そのため、自由に使える個人所有のiPhone 8をWi-Fi 6対応機種に買い替えるべきか、悩んでいる様子。実は、Watchシリーズの熱心な読者でもあるS氏。ぜひこの機会にWi-Fi 6対応のiPhoneに変えて、自宅のどこからでも、引き続き快適にWatchをご覧いただければと思います。
(協力:ネットギアジャパン)