清水理史の「イニシャルB」
Wi-Fi環境チェックツールの決定版! 無料の「WiFiman」アプリを試す
2020年7月6日 06:00
「WiFiman」は、以前に本連載でも取り上げたUniFiシリーズを販売しているUbiquiti Networks製のスマートフォンアプリだ。Wi-Fi環境をチェックするツールは数あるが、このアプリは、Wi-Fiの電波状況から、ネットワーク内の機器のチェック、そしてスピードテストまで、総合的な機能を搭載している。これさえあれば、たいていのチェックは事足りる非常に多機能なアプリだ。
Android+iOSで使うのが最強
いきなりで申し訳ないが、このアプリの欠点は、Android版とiOS版でお互いにない機能が存在するため、補完し合うには両方併用する必要がある点だ。
詳しくは後述するが、iOSの制限でWi-Fiの詳細なデータを取得できないのは仕方がないとしても、iOS版で使えるIPv6の表示やポートスキャンといった機能がAndroid版で利用できず、これらを調べるにはiOS端末(もしくはAndroid版の他社ツール)を使う必要がある。これは、実にもったいない。
Wi-Fiチェックツールとしては「決定版」と言っていいほど多機能で、出どころもはっきりしていて使いやすいのだが、AndroidとiOSを併用しなければならない点は実に残念だ。特にAndroid版は、さらなる機能強化ができるはずなので、今後のバージョンアップに期待したい。
WiFimanで何ができるのか?
では、実際にアプリを見ていこう。WiFimanは、Wi-Fiの状況をチェックできるユーティリティだ。機能としては、大きく以下の5つを利用できる。
- WiFi List(Android版のみ)
- WiFi Link Analyzer(Android版のみ)
- WiFi Channels(Android版のみ)
- Device Discovery
- Speed Test
アクセスポイントの検索やチャネルの表示などができるアプリは数多く存在するが、これに同一ネットワーク内機器のリストアップや、スピードテストまでを加えた統合ツールというのが最初の印象だ。
では、それぞれの機能を詳しく見ていこう。
WiFi List
近くのアクセスポイントを一覧表示し、信号強度を表示できる。現在の状況に加えて過去の最高値もマークされるため、場所の違いによる電波状況などもチェックしやすい。
アクセスポイントを選択すると、さらに詳しい情報が表示される。チャネルや周波数帯はもちろんのこと、製造元、暗号化方式、チャネル幅、さらにアクセスポイントまでのおおよその距離までが表示される。
2.4GHz帯、5GHz帯の両方に対応するのは当然として、上部のリストボックスを切り替えると、Bluetoothの状況もチェック可能だ。
WiFi Link Analyzer
接続中のアクセスポイントに関しては、上記のアクセスポイントの詳細情報から、さらに「WiFi Link Analyzer」を起動できる。
これは、電波状態の変化をリアルタイムに記録する機能だ。手に持った状態で家の中を歩くことで、電波状況の変化をチェックできる。アクセスポイントの設置場所やアンテナの向きなどを調整するときに使うと便利だ。
電波状況だけでなくリンク速度も表示されるので、どれくらいの速度で通信ができるのかも、ある程度はチェックできる。
Device Discovery
Device Discoveryは、端末と同じネットワーク内に存在する機器をリストアップする機能だ。
Gateway(ルーター)やAmazon Fire TV、nasne、NASなど、ネットワーク内のほとんどの機器がリストアップされる。機器の検索には、Bonjour、SNMP、NetBIOS、UBNT Discovery Protocolsが使われるとあり、幅広いデバイスを、しかも短時間でリストアップ可能になっている。
各機器の疎通状況がアイコンの色で表示される(赤が不明)上、リストアップされた各端末にあるIPアドレスのリンクから、その機器の設定画面(存在すれば)などにもアクセスできる。「NASの設定画面のアドレスいくつだっけ?」などという場合に非常に重宝する。
Pingの値、パケットロス状況なども表示されるため、たびたび通信が途切れたり、速度が遅かったりする機器の通信状況も、ここからチェックできる。
なお、iOS版では、UPnPの状態をチェックしたり、各機器に対してポートスキャンを実行したりできる。このため、セキュリティチェックツールとしても有用だ。
Speed Test
最後は、インターネット回線の速度チェックだ。Ubiquitiがサーバーを用意したインターネット上のテストサイト(テスト実施時の接続先は台湾だった)との間で、Download、Uploadの各速度を計測できる。
インターネット接続の状態もチェック可能で、接続先のISPの情報、WAN側のグローバルIPアドレスを表示できる。
さらに、主要サイトへのPingの状況もチェックでき、Android版はGoogle.com、Facebook.com、Twitter.com、Gateway(ルーター)のそれぞれで時間が表示される。インターネットが遅い場合、ルーターまではPingが速いがその先が遅い、といったように、ある程度ボトルネックを切り分けることができる。
なお、iOS版では、Ping先をカスタマイズで追加できる上、インターネット接続の状況では、IPv4に加えてIPv6のアドレスも表示される。この機能は、Android版にも欲しいところだ。
メッシュ環境で活用したい
以上、Ubiquiti Networks製のWi-Fiチェックアプリ「WiFiman」を取り上げたが、ヒートマップなどは作れないものの、Wi-Fiだけではないネットワーク全体の状態を確認したり、ほかのデバイスまでを管理できる優秀なツールだ。
iOS版にはあるポートスキャンとIPv6表示の機能がAndroid版に追加されれば言うことなしだが、リリースからそれなりに時間が経過しているので、今後どこまで機能強化されるかははっきりしない。
実際の活用シーンで言うと、メッシュWi-Fiの環境で使うのがよさそうだ。WiFi Link Analyzerを使えば、複数のメッシュポイントが存在する環境で、通信経路の状況などをある程度までチェックすることができるはずだ。
結局、アクセスポイントの設置場所を工夫しながらの試行錯誤になるのは間違いない、ただ、通信状況を確実にチェックしながらメッシュポイントなどの設置場所を変えられるので、試行錯誤に要する時間を短縮できるだろう。