週刊Slack情報局
「Slackコネクト」の使われ方、東映アニメーションとコロプラの事例を紹介
2020年12月23日 08:00
「Slack」で組織外の関係者とチャンネルでつながる機能として6月にリリースされた「Slackコネクト」について、Slack Japan株式会社が12月8日に記者説明会を開催。あらためて同機能について解説したほか、東映アニメーション株式会社と株式会社コロプラのSlack活用事例も紹介した。
Slackコネクトで社外とも伝達コストを圧縮~東映アニメーション
国内導入事例として登場した1社目は、東映アニメーション株式会社だ。
東映アニメーションの賀東敦氏(経営管理本部情報システム部課長)は、まずSlackの利用状況を説明した。いわゆる“野良Slack”が乱立していた状態から、Slack Enterprise Gridでワークスペースで統合した。なお、ちょうど統合したとたんに新型コロナの緊急事態宣言となり、慣れないリモートワーカーたちからの試行錯誤のワークスペースのリクエストが殺到して対応が混乱したという。そこから、Slackを全社展開して、チャンネルデザイン再整備とガイドライン再整備を実施中。
賀東氏はSlackを使うメリットとして、「部署やプロジェクトの間のやりとりをワークスペース間でガンガンつなぐ」ことで、自然な情報共有ができ、伝達コストの圧縮が図れたことを語った。
Slackコネクトではさらに、複数社とのやりとりもできメールが不要になることを、賀東氏はメリットとして語った。「途中からCcしてそこまでの経緯が伝わっていないということがなくなり、間に入ってコピペして情報を伝える必要がなくなることで、間接的な時間が節約できる」(賀東氏)。例えば、アニメーションの各話ごとのチャンネルで関係者をつなぐことができ、プロセスを簡素化することで役に立つという。
その上でSlackコネクトに期待することとして、ダイレクトメッセージでメールのやりとりから解放されることと、認証済みオーガナイゼーションにより大きな取引先などと簡単につながれることを挙げた。
グループ会社間でSlackコネクトが不可欠~コロプラ
国内導入事例の2社目は、株式会社コロプラだ。
コロプラの木戸秀作氏(技術統括本部技術基盤部MISグループマネージャー)によると、同社ではSlackを2018年から3年弱利用。メール経由のサイバー攻撃が多いこと、ゲーム開発ではクイックなやりとりが求められることこから、メールを使わない文化が浸透しているという。なお、同社独特のSlack運用として、クリエイター比率が高いのでなるべく自由にして、情シスは押さえるところだけ押さえる方針だと同氏は説明した。
グループ会社全てでSlackを導入しているため、グループ会社間ではSlackコネクトが不可欠になっていて、かなり密なやりとりがなされていると木戸氏は説明する。現時点で47のオーガナイゼーションと共有しているという。
グループ会社同士は認証済みオーガナイゼーションとして自動承認で簡単につながるようになっている。なお、Slackコネクト以外でゲストアカウントも同様の運用になっていて、その代わり期限を設けることで宙に浮いたアカウントが残ることを防いでいるという。
そのほか、職種を問わず「ワークフロービルダー」を活用していることも木戸氏は紹介した。技術者のデバッグ依頼やコードレビュー依頼のほか、体調不良報告などのバックオフィス系でも利用している。「従来はGoogle フォームを使っていたが、緊急時にリンクを探してたどりつくのは難しい。いつも使っているSlackから報告できるようにした」(木戸氏)。さらに、会議室に遊び心で名前を付けたら場所が分かりづらくなったのでフロアマップで案内するアプリを作ったことも紹介された。
一般企業でも利用が広がっているビジネスコミュニケーションツール「Slack」。Slack Technologiesの日本法人であるSlack Japanはこのツールのことを“ビジネスコラボレーションハブ”と表現しており、あらゆるコミュニケーションやツールを一元化するものと位置付けている。本連載「週刊Slack情報局」では、その新機能やアップデート内容、企業における導入事例、イベントレポートなど、Slackに関する情報をお届けする。