週刊Slack情報局

「Slackコネクト」と「ゲストアカウント」は何がどう違う?

 「Slack」で組織外の関係者とチャンネルでつながる機能として6月にリリースされた「Slackコネクト」について、Slack Japan株式会社が12月8日に記者説明会を開催し、あらためて同機能について解説した。

テレワークで問題となる「社外との意思疎通」にSlackコネクト

 Slack Japanのシニアプロダクトマーケティングマネージャーである伊藤哲志氏は、まずテレワークについての国土交通省による調査結果を紹介した。テレワークを実践してみて問題があったこととして、「社内との意思疎通」と「社外との意思疎通」が上位に入っていることを同氏は指摘し、Slackコネクトを含むSlackの有効性を訴えた。

Slack Japan株式会社シニアプロダクトマーケティングマネージャーの伊藤哲志氏
テレワークについての国土交通省による調査結果。「社内との意思疎通」と「社外との意思疎通」が上位に
「社内との意思疎通」と「社外との意思疎通」に対するSlackの有効性

 そのSlackでコミュニケーションする場所が「チャンネル」であり、プロジェクトやチームごとなどに用意される。そのチャンネルで、組織外の人ともつながるのがSlackコネクトだ。

 Slackコネクトでは、最大20の組織とセキュアにつながることができる。「それ以前から『共有チャンネル』はあったが、1対1のものだった」と伊藤氏。外部の人が参加しているチャンネルも通常のチャンネルと全く同じように表示され、アイコンだけが加わる。アプリケーション連携などを含め通常のチャンネルでできるようなことが全てできる。

 セキュリティについては、Slack EKM(Enterprise Key Management)に対応。また、信頼できるパートナーを管理者が事前に信頼できるオーガナイゼーションとして登録することで、毎回の承認を省く機能もある。

Slackコネクト
Slackコネクトの機能
Slackコネクトのセキュリティ

「ゲストアカウント」「Slackコネクト」「Eメール」を比較すると……

 ここで伊藤氏は、従来からあるゲストアカウントの機能とSlackコネクトを比較した。ゲストアカウントは、あくまで個人を期間を決めて招待するものだ。参加する側も、利用するには自分のワークスペースではなく、相手組織のワークスペースにログインする必要がある。

 それに対してSlackコネクトでは、組織がつながることで特定のチャンネルが自分のワークスペースの中でアクセスできるようになる。

 なお、Slackコネクトを使うには両側ともSlackの有償プランである必要がある。ただし、有償側から無償側に招待して90日間だけトライアルで使える。

 さらにメールとも比較。「メールはメールアドレスがあればつながれるが、例えばメールアドレスが1文字違うだけでも別人に届いてしまうなどセキュリティに問題がある」と伊藤氏はメールの問題点を挙げた。

ゲストアカウントとSlackコネクト(とEメール)の比較

 海外でのSlackコネクト導入事例として、伊藤氏はファッションブランドのCOLE HAANを紹介した。外部のパートナーや販売業者との間でSlackコネクトを使うことで、情報をスピーディーに共有してビジネスに反映できるようになったという。

ファッションブランドのCOLE HAANのSlackコネクト導入事例

Slackコネクトの新機能として「組織の認証」「ダイレクトメッセージ」も

 Slackコネクトで予定している機能も伊藤氏は紹介した。

 まずは組織の認証で、これはさらに2種類がある。1つは、Slackで特定の条件を満たした組織に検証済みチェックマークを付けるものだ。もう1つはすでに一部で開始されている、信頼できるパートナーを組織の管理者が事前に承認する機能だ。後者は、来年2~3月ごろまでには全ての環境に行きわたるだろうという。

予定している機能:組織の認証

 予定している2つめの機能は、「SlackコネクトDM」だ。Slackコネクトで相互に認証している複数の組織間でダイレクトメッセージをやりとりできる。プロジェクトの初期段階において、Slackコネクトでつながるチャンネルを立ち上げる前に、少人数でダイレクトメッセージを使って調整を始めるといった利用にも使えるという。

予定している機能:SlackコネクトDM

一般企業でも利用が広がっているビジネスコミュニケーションツール「Slack」。Slack Technologiesの日本法人であるSlack Japanはこのツールのことを“ビジネスコラボレーションハブ”と表現しており、あらゆるコミュニケーションやツールを一元化するものと位置付けている。本連載「週刊Slack情報局」では、その新機能やアップデート内容、企業における導入事例、イベントレポートなど、Slackに関する情報をお届けする。