テレワークグッズ・ミニレビュー
第107回
もう財布を無くしてもあせらない!! バッファローの格安スマートトラッカー カードタイプを試してみた
2024年9月13日 12:12
最近各社からスマートトラッカーの発売が続いているが、Wi-Fiルーターでお馴染みのバッファローからもスマートトラッカーが登場した。スマートトラッカーと言えば、Appleのエアタグ(AirTag)が人気だが、最近人気なのがカードタイプのスマートトラッカーなのだとか。確かにエアタグは厚さがあるので財布などに入れておくには不便で、カードタイプが人気なのも頷ける。
私的な話で恐縮だが、筆者はよく忘れ物をする。こと財布についても、うっかり家に忘れることがあるのだが、近ごろはこれがやっかいなのだ。
というのも、今や出社で電車に乗るのも、昼食の支払いもiPhoneで完結してしまう。それはそれで便利なのだが、結果的に財布を出す機会が激減していて、いざという時に財布がみつからないと、さぁ大変だ! 記憶を呼び起こしてみても、最後に財布を使ったのは、ええっと何日前だっけ?……となってしまう。
これまでに何度かこうした経験をするも、実際には家に置き忘れていただけで大事にはいたっていないが、財布にスマートトラッカーが入っていればどれだけよかったか。財布が家にあることさえ確認できれば、ひとまずは安心できる。
それと先日は電車に忘れ物をして、スマートトラッカーに助けられた。
というのが、先日JRの東海道線を使ったのだが、カメラバッグを荷物棚に置き忘れてしまったのだ。降りたのが終点の駅だったため、気がついた時にはすでに電車は折り返して東京方面に向かってしまっていた。
筆者は昔から東海道線を利用していたので、電車内で忘れ物をして東京駅の忘れ物預かり所に行った経験は何度もある。そのためこのときも、「まぁ東京駅で回収されるか」と高をくくっていた。時間的には日中で、東京駅までは乗客も多い時間帯、そうそうカバンを盗む輩もいないだろうと甘く考えていた訳だ。
しかしよくよく考えてみると、今や東海道線は東京駅止まりではないのだ。
慌てて駅員に確認するも、昔のように東京駅で忘れ物の確認をすることもないし、それどころかダイヤ次第では、終着駅でも車内清掃や忘れ物の確認をせずそのまま折り返すこともあるという。
となると、置き忘れたカメラバッグは何往復も回収されないまま電車内に放置される可能性がある。事の重大さに気がついた筆者は、慌てて東京方面行きの電車に飛び乗った。
幸いなことにカメラにはスマートトラッカーのエアタグを付けてあった。スマートトラッカーは近くにいる他人のスマホの位置情報を使って、自身の位置を知らせるというシステムだが、電車の中には大勢の人がいる時間帯。おかげで手持ちのiPhoneから追跡することができた。
といってもリアルタイムに追いかけられるわけではなく、何分かおきに位置情報が更新される形だ。そこで位置情報をつかんだ時間から、およそ次の駅の通過時間を想定しつつ、電車の経路検索のアプリで推定される電車を調べる。東海道線は行き先がいくつかあるが、おそらく古河行きのようだ。
ならば古河駅に電話できないかと調べるも、個別の駅の電話番号は公開されていないらしい。そこで古河に到着する時刻から、その次の古河駅始発の電車の時間を調べると、あまり間隔がない。これだと車内清掃(忘れ物回収)は入らなそうだ。となると古河駅を目指すのではなく、折り返してくる電車を捕まえる必要がある。
そこでアプリで戻ってくるであろう電車の時間と、自分の乗っている電車の時間を照らし合わせて、想定されるランデブーポイントを割り出す。同時にもしかしたら古河駅で回収される可能性もあるし、あるいは途中でだれかに盗まれる可能性もあるので、位置情報のチェックもかかせない。かといってすでにiPhoneのバッテリー残量も減ってきているしで、ハラハラドキドキである。
結局のところ古河駅で回収されることはなかったようで、スマートトラッカーの位置情報は再び東京方面に向かって動き出した。そこで途中の駅で下車して、折り返してきた電車を待ち伏せる。乗っていた車両は覚えていたので、そこで待ち構え、駅に着くと同時にカメラバッグの回収に成功した。このときほどスマートトラッカーをつけていて良かったと思ったことはない。
カードタイプのスマートトラッカーが安い!!
ということでだいぶ余談が長くなったが、今回はバッファローから登場した「スマートトラッカー カードタイプ BSST01BK」をお借りできたので、そのレビューをお届けしたい。
まずはスペックを調べるが、他社のカードタイプのスマートトラッカーと比較して、良くも悪くもとがっている部分はない印象だ。
しかしながら、この製品のメリットはその価格にある。実売価格は2980円。例えばAppleのエアタグは1個4980円、あるいはAnkerのカードタイプのスマートトラッカーは実売3990円なので、かなり手頃な価格設定になっている。スマートトラッカーは、その便利さが分かると、いくつも欲しくなるが、国内ブランドの製品という信頼感がありつつこの価格設定はうれしいところだ。
では製品を見ていこう。
まずサイズだが、いわずもがなカードサイズで幅85mm、高さ54mm、薄さは2.4mm、重さは12gだ。動作環境は0~50℃、防水性能はIPX6となっている。
エアタグと違って、バッテリーは内蔵式になり、交換はできない。電池寿命は製造後約3年(使用頻度による)となっている。
機能面ではほぼエアタグと同様だ。
対応するのはAppleのiOS 14.5以降、iPadOS 14.5以降で「探す」アプリのみなので、Androidなどでは利用できない。また、他社のスマートトラッカーでは、スマートトラッカー側からiPhoneを鳴らすような機能を持つものもあるが、そういった機能はなく、あくまでiPhoneやiPadの探すアプリから本製品の位置を探したり、本製品の音を鳴らしたりするだけだ。といってもiPhoneを探すなら電話で呼び出せばよいので、それほど問題にはならないと思う。
見た目はいたってシンプルだ。色はブラックでレザー調の模様。表面には「BUFFALO」のロゴと操作ボタン。裏面には製品型番やシリアルナンバー、技適マークなどが記される。飾り気のないデザインではあるが、必要にして十分という印象だ。
角には適度にRがつけられていて、財布などには入れやすい。厚さは公称2.4mmだが筆者の手持ちのノギスでは2.3mmとなった。これは、文字のエンボスなどがないクレジットカードで3枚分の厚さとなる。なので、普通のカードと比べれば、財布に入れたときの存在感はある。ただ、最近はポイントカードなどがスマホアプリになって、カードが減っているので、収まる場所はあるんじゃないかと思う。
「探す」アプリへの登録の仕方はほとんどエアタグと同じだ。まずは、本製品の操作ボタンを約5秒間押す。すると音が鳴って電源が入るので、続いてiPhone(iPad)の「探す」アプリを起動し、画面下側の「持ち物を探す」をタップし、持ち物を探すの右側にある「+」を選んで「その他の持ち物を追加」を選択。しばらく待てば「BSST01」が見つかるので「接続」をタップ。あとは名称やアイコンの設定などをすれば登録完了だ。
使い勝手はエアタグとほぼ同じ
使い勝手としても、ほぼエアタグと同様だ。iPhoneから離れて持ち歩いてみると、やはり移動の様子をリアルタイムには追跡できないが、位置としての精度は低くない。あくまで近くにスマホを持った人がいる場合ではあるが、5分ぐらいの間隔で位置が更新されている印象だ。
アプリからスマートトラッカーの音を鳴らすこともできる。音量も大きくよく通る高音なので、家のなかで財布がみつからない、なんていう場合に便利だ。
また、置き忘れた場合に、iPhoneに通知をする機能もあって、筆者のようなうっかりさんには心強い機能だ。といっても、数分で通知が来るときもあれば、1時間ぐらい通知が来ないこともある。この挙動もエアタグも同じなので、アプリによる部分もあるのだろう。将来的にはバージョンアップで改善されるかもしれない。
なお、紛失した場合は「探す」アプリから「紛失モード」を設定することもできる。紛失モードに設定すると、位置情報が仕様可能になった場合に通知が届くようになり、また、ロック状態になるので、このスマートトラッカーを他の人が登録することができなくなる。
加えて電話番号やメッセージを登録することが可能だ。
これは、このスマートトラッカーを拾った人が、自分のスマホのNFC読み取り部分にこのスマートトラッカーを近づけると、登録したメッセージと電話番号を表示されるというもの(エアタグでも同様のことができる)。連絡をくれるかは相手次第にはなるが、覚えておくといいだろう。
ということで、形がカードタイプで、バッテリー交換できないこと以外は、よくもわるくもエアタグとできることは同じだ。それでいて価格は手ごろなので、カードタイプのスマートトラッカーを探している人にはオススメできる製品だと思う。
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