テレワークグッズ・ミニレビュー
第108回
ただのテンキーじゃない! 最新のプログラマブルテンキーが進化してめちゃ便利になっていた件
2024年9月20日 12:12
最近はテレワークが広まったので、仕事用のPCとなれば基本はノートPCという人が多いだろう。しかし、ノートPCのキーボードはスペース的な制約もあって、フルサイズのキーボードと比べると、キー数が限られていたり、一部に小さいキーがあったりと、素早い操作や入力に向いていないこともある。
そんなときに便利なのが、プログラマブルテンキーと呼ばれるものだ。見た目としては、いわゆる外付けのテンキーだが、テンキーとして利用するだけでなく、それぞれのキーに特定操作を割り当てられるようにしたものだ。
今回、購入したのはサンワサプライのプログラマブルテンキー(有線モデル)NT-26UBKで、27キーに機能の割り当てができるというもの。通常はテンキーとしても使え、必要な機能を割り当てれば、キーをひと押しで操作することも可能だ。
複数キー同時押しのショートカット操作を一発で、「ボスが来た」にも対応
人によってPCの使い方はさまざまだと思うが、例えばスクリーンショットを取ることが多い人もいるだろう。筆者のようなライター稼業の場合もそうで、昨今はオンライン取材というケースも少なくないが、そうしたときに先方が画面共有した資料のスクリーンショットを撮ったり、あるいはインタビュー相手の顔写真を撮ることもあって、スクリーンショットを手早くすることが必要な場面もある。
それなのにノートPCやキー数を減らしたコンパクトキーボードの場合、スクリーンショットを撮るにしても、Print ScreenはFnと同時に押し、有効なウィンドウだけ撮るにはAltも一緒に押す必要があるので3個のキーをほぼ同時に押す必要が出てくる。スクリーンショット操作に集中できるならその操作でもいいが、相手の話を聞き、キーボードで重要な点をメモしながらスクリーンショットまでやるのは面倒で間違いも起こりやすい。
また、ほかにも複数のキーの同時押しが必要なときもある。例えばカフェやコワーキングスペースで離席時には絶対必要な画面のロックであるWidnows+Lは、WindowsキーとLキーが離れているため、片手でぱっとやるのは難しい。
「ボスが来た」ボタン的なキーボードショートカットも同様だ。テレワークならあまり関係がないように思うかもしれないが、ボスのかわりに家族に見せたくないこともあるだろう。そんなときは、「Windowsを閉じる」(Alt+F4)や「デスクトップの表示」(Windows+D)をプログラマブルキーに設定しておけば一発だ。
表計算ソフトの入力にも強い味方
ショートカットや複合キー入力を登録するのも便利だが、さらに機能キーやマウス操作、60文字までの文字列、特定のアプリの起動なども登録可能だ。
例えば、Excelに数値を入力するとき、テンキーだけを使いたい場合。Enterキーで下のセルにいくことはできるが、入力ミスで上のセルに戻りたい場合はマウス操作やキーボードの矢印キーを使う必要が出てくる。下のセルだけでなく横のセルに入力していくときも、Excelの設定で変えられることもできるが、上下左右のあちこちのセルに入力していくときにはExcelの設定変更は混乱する。そこで、矢印キーを設定してしまえばテンキーだけで操作可能だ。
また、全角半角キーを設定すれば、数値入力をしたいのに全角になっていてイラっとすることもすぐ解消できる。
そして、テンキーにはない「,」や「%」を設定することもできる。このテンキーではデフォルトで「0」の横が「00」になっているが、これを「,」にしてしまうこともできる(ただし後述のモード2かモード3に限る)。表計算ソフトでデータとして入力するときは不要かもしれないが、文章でカンマ区切りの数字を手入力することが多い場合には重宝するはずだ。
3つのモードにわたって設定、テンキー内に設定保存すればほかのPCでも使える
そして、こうしたキー割り当ては、モード1~3の3パターンまで登録することができる。ただしモード1はテンキーの部分の変更不可なので、自由度が高いのはモード2かモード3の2パターンとなる。
モード1から3まで本体のボタンで簡単に切り換えられるので、モード1は通常の数字入力、モード2はプレゼン時のリモコン、モード3は定型文入力のサポートといったように目的別にキーを集めておけば、シーンに合わせて簡単に切り換えることができる。このプログラマブルテンキーだけでかなりの操作ができそうだ。
設定は一部を除いてテンキー内のメモリに保存できる。ショートカットキーなどはテンキー内に設定しておけば、テンキーをほかのPCに接続してもそのまま使えるというわけだ。例えばオフィスのデスクトップPCと持ち運びようのノートPCの両方で同じ設定で使うことができるし、プレゼン時のPCは自分のものと違うものを使う必要があるときでも、同じように使えるほか、個々のPCに設定ソフトをインストールする必要もない。
ただし、すべてがテンキー内に保存できるわけではない。アプリケーションの起動については、ドライバーソフトに保存されるため、利用するにはドライバーの入ったPCが必要となる。文字列入力でも特に全角入力はPC側に保存したほうが確実に動作する。
また、キーボード自体の対応OSはWindowsとなっているが、それは設定ソフトウェアの対応があってのこと。設定をテンキー本体に読み込ませてしまえば、ほかのOSでも利用できないことはない。
試しにAndroidスマートフォンに接続してみたところ、Windowsキーを設定しておけば、“ホームボタンにタッチ”と同じ動作をさせることができたほか、音量のプラスとマイナスの設定も可能。マウスの戻るボタンを設定すれば、戻るボタンに相当する動作も可能だった。
ただし、あくまでこれはイレギュラーな使い方だ。Windows機以外に接続したところでUSBキーボードなので物理故障する可能性はないが、予期せぬ動作をすることもあるので、自己責任にて試してほしい。
キートップは自由に差し替え可能、使用する向きも自在
キーに割り付ける操作をカスタマイズできるのは、これまで紹介したとおりだが、実はカスタマイズが可能なのは物理的な部分にもある。
というのも、キートップは透明のカバーが付いているタイプで自由に差し替えができる。キートップカバーの交換ツールは付属しているため、取り外しも簡単だ。
キートップはサンワサプライからExcelファイルが用意されており、文字を書き換えて、色も好きな色にしてラベルを印刷し、キートップに入れることができる。
そして、変更できるのはキートップだけではない。
なんと使う向きも変えられるのだ。背面のスタンドは4方向にあり、立て方によって横向きやあまり意味はないと思うが逆向きにも立てることができる。キートップのExcelファイルには横向き設定のサンプルも入っており、ここから横向きのキーを作ることも可能だ。
なかなか便利なプログラマブルテンキー
実際に使ってみて、モード切替で3つのパターンを瞬時に切り換えて使えるのは非常に便利だった。これまでにもテンキー型のプログラマブルキーはあったが、設定が1パターンだけだったり、無線タイプの用意がなかったりと、このシリーズほど自由度が高くなかった。
筆者は確実性とバッテリー管理が面倒なので有線タイプを使っているが、無線タイプのほうが好みの人もいるだろう。機能的には同様で、無線ドングル付きの2.4GモデルやBluetoothモデルも選べる。無線タイプならPCと離れた場所からプレゼンをするときに多機能で自由度の高い操作リモコンとしても使えるし、自分好みにキーを配置すれば操作ミスも起こりにくいはずだ。
今回のプログラマブルテンキーは、数字入力はもちろんのこと「ボスが来た」ボタンとしての利用や、複雑なショートカットキーの入力を確実にすることなど、業務効率化に役立ちそうだ。
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