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Web会議の相手から「声が途切れる」と言われてしまう。どうしたらいいの?
2023年8月23日 06:00
Web会議で互いの声がよく聞こえないと、コミュニケーションが成立しにくくなります。自宅からWeb会議に参加したとき、ほかの参加者から「声が途切れる」「聞こえにくい」と言われてしまうときは、マイクをチェックするほか、ネットワークの安定性に問題がないかも確認しましょう。
自分の声を問題なく届けるには「上り」の通信速度がカギになる
Web会議をスムーズに進めるには、映像の質よりも音声の質、相手の声が聞きやすいことが大事です。自分の声が相手にどう聞こえているかは、自分自身では確認しにくいですが、気を付けたいところです。
自分の声が相手に聞こえにくくなる原因はさまざまで、マイクの故障のほか、マイクの設定や装着位置に問題がある可能性なども考えられます。しかし、マイクに問題はなさそうで、適切に聞こえるときもあるがたびたび声が途切れたり、言葉が不明瞭になる、といった指摘を受ける場合は、ネットワークの問題である可能性が高いです。
Web会議に必要なネットワークの通信速度は、Zoomの場合、音声だけなら100kbps、グループでビデオ通話する場合は最低で1Mbps、多人数を同時に映す(ギャラリービュー、最大49人)なら4Mbpsの通信速度(帯域幅)が、上り/下り(アップロード/ダウンロード)それぞれで必要だとしています。ほかのWeb会議ツールでも、大きな違いはないでしょう。
自分の声が途切れるのは、上りの通信速度が十分でないことが原因になっている可能性があります。通信回線、特にモバイル回線やCATV回線では、規格上、上りの通信速度が下りよりも遅い場合があります。とはいえ、一般的な4GのモバイルやCATVの通信サービスでは上り数十Mbps~10Mbps程度の通信が可能なはずですが、回線の混雑などの原因により、大幅に速度が低下する可能性はあります。
自分がよくWeb会議をする時間帯に十分な通信速度が出ない場合は、より高速なインターネットサービスプロバイダー(ISP)への乗り換えなどを検討した方がいいでしょう。
通信回線の「ジッター」をチェックしてみよう
通信速度を計測した結果は問題なくても、通信が不安定なために、音声が途切れがちになってしまう場合もあります。前回の記事で紹介したUSENの「インターネット回線スピードテスト」で、上り(UPLOAD)の通信速度と、通信の安定度を示すジッター(JITTER)が計測できるので、計測してみましょう。
ジッターとはPING値のゆらぎのことで、この値が大きい場合、通信が不安定だ(ときどき応答が大幅に遅れる場合がある)と言えます。通信が不安定だと、Web会議中にはときどき音声が途切れたり、映像が「固まって」しまったり、といった現象が起こりやすくなります。
Zoomのデスクトップアプリでは、ミーティング中に設定画面から[統計情報]を表示することで、[ジッター]や[パケット損失](通信中のデータ損失)といったデータを確認できます。Zoomでは、ジッターは40ms以下、パケット損失は2%以下の環境を推奨していますが、これらの数値に問題がある場合は、通信回線に何らかの問題があると言えるでしょう。
自宅内の通信環境を改善しよう
ジッターが高くなってしまう原因もさまざまですが、自宅内の通信環境に原因がないかチェックし、改善を図りましょう。Wi-Fi接続で利用していて、Wi-FiルーターとPCの間に障害物がある場合には、通信が不安定になる可能性があります。
Wi-FiルーターやPCの置き場を変えたり、近くなるように配置したりしてみましょう。可能なら、有線接続することで大幅に改善できる場合があります。
こうしたことを試してもジッターが改善しない場合は、自宅までの回線やISPに原因があると考えられます。ISPのサポートに問い合わせて相談するか、乗り換えを検討しましょう。
このほか、通信機器の設定の調整により改善できる可能性もありますが、状況によって対応方法が異なり、弊害も考えられるため、ISPのサポートから指示された場合や専門的な知識を持つ人以外は、やらないほうがいいでしょう。
マイクに問題がないかもチェックしよう
Web会議では、はじめに述べたように声の聞きやすさが大事で、声に関するトラブルの原因はさまざまです。会議を始める前には、マイクに問題はないかもチェックするようにしましょう。
例えばZoomでは、設定画面の[オーディオ]で[マイクのテスト]を選択することで、自分の声を自分で聞けるようになり、マイクのテストができます(これは通信回線を介さず、マイクによる音声入力が問題ないかのテストとなります)。