みんなの在宅ワーク

第72回:島崎聡史(Nutanix Japan合同会社 シニアソリューションスペシャリスト)の在宅ワークスタイル

テレワークのストレス緩和にヤギが一役、エルゴノミック入力デバイスで疲労低減も

 こんにちは。Nutanix Japanの島崎聡史(しまざきさとし)と申します。

 Nutanixは、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)と呼ばれる方式のITインフラや、ハイブリッドクラウドを構築・管理するためのソフトウェアやサービスを提供している企業です。

 私自身はシニアソリューションスペシャリストという肩書きで、お客様への提案活動やパートナー支援、セミナーやイベントでの講演、コミュニティ運営、YouTubeチャンネル管理、コンテンツ翻訳、書籍や記事の執筆等々、プリセールスエンジニア兼エバンジェリストのような幅広い仕事をしています。

 プライベートではヤギをペットとして飼っており、Twitterでも時々その様子をつぶやいているため、まれに初対面のお客様からも「あっ、ヤギの人ですよね?」と言われたりしています。

我が家のヤギ「なずな」さん。特技は頭突き

 そんな仕事と暮らしをしている私のテレワーク環境や工夫についてご紹介します。

タスクによって作業場所を使い分ける。自宅に「ボックス席」も

 私はコロナ禍が始まる以前から、テレワークを日常的に行っていました。お客様訪問やセミナー/イベント登壇の際には会場への直行直帰、登壇資料やコンテンツ制作を優先的に行いたい場合には自宅で、といったかたちです。逆にオフィスに出社するのは、活発なディスカッションを行いたいときなど、明確な目的がある場合が中心です。

 元々このような働き方を前提にしていたため、自宅を建てた際にも仕事のしやすさと、家庭生活を両立できるように工夫しました。たとえば、LDKの一角にノートPCを持ち込んで在宅ワークができるボックス席を作りました。ただし、現在は常時在宅ワークをするようになり、仕事用の機材を常設するようになってしまいました。

まだテレワーク用機材を置いていなかったころのボックス席

ヘッドセットやイヤフォンも、作業環境やタスクによって使い分け

 在宅勤務が中心の生活になると、必然的にリモートでの会議が増えました。自分だけでなく、家族も自宅で過ごす時間が増えたため、生活音が会議の妨げとならないようにする工夫をしたり、長時間装着していても疲れないヘッドセットを探したりする必要が出てきました。

 今となってはかなり利用者が多い製品ですが、Shokz(購入当時はAfterShokz)の OpenCommを一般発売前のクラウドファンディングで購入して愛用しています。特長としては、イヤフォン部分が骨伝導タイプとなっており耳を塞がないため、聞き疲れしづらいように感じます。骨伝導タイプでも装着感は製品ごとに差がありますが、以前利用していた同社製の旧製品よりも付け心地が軽くて気に入っています。また、マイク部分もブームマイク(口元に伸びたアームの先端に付いた指向性マイク)になっているため、周囲の生活音を拾いにくくなっています。

 なお、それ以外にも、周囲の音をシャットアウトして集中したいときにはノイズキャンセリングヘッドフォンを、動画編集の際などに癖のないフラットな音質が必要なときはモニターヘッドフォンを、外出時の移動中はまた別のノイズキャンセリングイヤフォンを……というように使い分けています。

骨伝導イヤフォン+ブームマイクは長時間の会議に重宝

 Webカメラについても在宅勤務の頻度が増えたことで、あらためて検討しました。以前はロジクールのC920というモデルを使用していましたが、より新しいC980というモデルに変更したことで、色味や画質が改善されました。また、光量が足りなくならないよう、LEDリングライトも利用しています。

内側にWebカメラを取り付けられる形のLEDリングライト

会議の合間に、ヤギの様子を見ながらリフレッシュ

 在宅勤務をしていると、リモート会議の予定がギッチリ詰まってしまったり、作業に集中し過ぎてしまったりして、ふとした瞬間に思った以上に疲労やストレスが溜まっていることに気付きます。そんなとき、ヤギには大いに助けられています。ちなみに雨の日や夜には、ヤギは小屋で過ごしているため仕事場所から直接様子を見ることはできませんが、カメラ越しにいつでも様子を見えるようにしています。

ヤギ小屋の様子はいつでもカメラで確認できるようにしました

 動物を飼うことでの大変さももちろんあるので安易にオススメはしませんが、テレワークのストレス緩和に一役買ってくれていることに感謝しながら散歩やブラッシングをする日々です。

スライド作成や動画編集に適した「ウルトラワイドディスプレイ」

 ここまで、テレワークをするための環境やリモート会議用のツールについて紹介しましたが、後半は、自宅でのテレワークにおける生産性を高めるためにそろえている機材について紹介していきます。

 プログラマーの方などは縦長のディスプレイを組み合わせる方が多いですが、私の仕事ではプレゼン用のスライド作成、動画編集、自社製品のGUI管理ツールの利用などが主な用途です。そこで、複数のウィンドウを縦長にせずに左右に並べられる、アスペクト比21:9の曲面ウルトラワイドディスプレイを重宝しています。

資料作成や動画編集に便利なウルトラワイドディスプレイ

作業効率アップや疲労低減に適した入力デバイス

 記事や書籍の執筆など、文字入力を大量に行うこともあるため、キーボード選びも重要です。私は長年、キーボードの左半分と右半分が分割されたエルゴノミックキーボードを愛用しており、現在使用しているKinesis Freestyle Proで3機種目になりました。キータッチの軽い茶軸です。

 社給品のThinkPadのキーボードも好きですが、手の間隔を少し広げて自然な体制で作業できますので、肩が凝りやすい人にオススメです。

左右分割型で英語配列のキーボードは肩こり防止に

 マウスについてもエルゴノミックマウスを長年使っています。エルゴノミックマウスは、握る部分が接地面に対して水平ではなく斜めになっているため、手首をあまり捻らず自然な角度で操作できます。現在使っているMicrosoft Surface Precision Mouseは比較的角度が緩やかですが、もっと垂直に近い形状でもいいと思っています。

手首を自然な角度にできるように傾斜しているエルゴノミックマウス

ワイド画面を活かし、動画編集を効率化する「外付けGPU」

 YouTubeやウェビナー(オンラインセミナー)用の動画編集も行うことがありますが、これにも前述のウルトラワイドディスプレイが役立っています。ただ、高解像度になるとCPU内蔵グラフィックス機能では心許ないため、ノートPCのThunderboltポートを経由して GPUを外付けしています。画面描画や動画のレンダリング処理を高性能なGPUで行えるため、作業時間の短縮に役立っています。

Thunderbolt接続でノートPCにGPUを外付けするためのGPU Box

 ここまでそろえると、資料作成や動画作成については、会社よりも作業効率が高くなってしまいました。

 とはいえ、同僚との活発なディスカッションや、大規模なイベントの高揚感、コミュニティでのさまざまな方々との交流なども懐かしくあります。感染対策というネガティブな理由だけでなく、もっと多くの人が、仕事と個人のライフスタイルのバランスを上手に取りながら、オフィスワークとテレワークのハイブリッド環境でフレキシブルに働ける時代が来るよう願っています。

島崎聡史の在宅ワーク環境
  • メインPC:Lenovo ThinkPad T480s(社給品)
  • ディスプレイ:LG 34GN850-B(ウルトラワイド曲面モニター)
  • キーボード:Kinesis Freestyle Pro
  • マウス:Microsoft Surface Precision Mouse
  • カメラ:Logicool StreamCam C980
  • ヘッドセット/ヘッドフォン:Shokz OpenComm、SONY WH-1000XM4、YAMAHA HPH-MT8
  • ビデオ会議サービス:Zoom、Microsoft Teams
  • 机:作り付け
  • 椅子:作り付け
  • その他小物:iPad Pro、AKiTiO Node(GPU Box)、LEDリングライト

島崎 聡史(しまざき さとし)

Nutanix Japan合同会社シニアソリューションスペシャリスト。2015年、まだ日本法人が10名程度でスタートアップ感が色濃い時期に入社。お客様への提案活動やパートナー支援、セミナーやイベントでの講演、コミュニティ運営、YouTubeチャンネル管理、コンテンツ翻訳、書籍の記事や執筆等々、手広く行う何でも屋。Twitter:@smzksts