みんなの在宅ワーク

第85回:中谷健一(クアルトリクス合同会社)の在宅ワークスタイル

「天板の穴」でモニターアームをスッキリ設置、ケーブルも「デスク裏収納DIY」でまとめて見た目スッキリ

 こんにちは。クアルトリクス合同会社の中谷健一と申します。

 クアルトリクスは、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)・従業員エクスペリエンスなど、企業や組織のエクスペリエンスデータの収集から管理・分析、およびそのデータに基づくアクションに至るまで、包括的に支援するソリューションを提供している会社です。

 私はシニアXMサイエンティストという肩書きのコンサルタントで、エクスペリエンスマネジメント(XM)の設計、経営方針の策定やCXMプログラムの運営・企業文化づくりなどの非技術面での運用支援を担当しています。具体的にはカスタマージャーニーマップ作成支援、サーベイ設計、社内体制の設計と運用、カスタマーエクスペリエンス統括組織づくりといったことになります。

 入社前は長い間フリーランスとして仕事をしてきたので、もっぱらノマドワーキング(デジタルツールを活用して自宅、カフェ、公共空間などのオフィスではない場所を移動しながら仕事をしたり学んだりする働き方。遊牧民になぞらえてノマドワーキングと呼ばれます)のワークスタイルでした。快適・便利さの一方でチームでの知見の共有や相互の学び合いがしにくい不自由さも感じて、チームで働く価値について考え始めていたタイミングでコロナ禍に。「オフィス勤務とリモート勤務のメリットとデメリット」という個人的な検討テーマが突然、社会全体で論じられ始めたのには驚きました。

 コロナ禍の中でご縁あってクアルトリクスに入社することになったのですが、全社的にオフィスと自宅での仕事を組み合わせ、個々人が自分の力を最大限発揮し効率化できる働き方を推奨している点は理想的だと感じました。オフィスは基本的にフリーアドレスとなっており(週一定日数以上利用する人には希望制で固定席も用意)、リモート勤務の自宅ワークスペース整備には福利厚生の一環として補助費が支給されます。

 実際に働き始めると、単に環境を整えているだけでなく、従業員の業務習慣がこのワークスタイルに最適化されていることを実感しました。部署だけでなく、国境も時差も超えて一丸となってプロジェクトを進めるワンチームの意識は事前に予想していた以上で、感動を覚えたほどです。その推進のため、オンライン上にあらゆる情報や対話が集約され、エンジニアやディレクター、コンサルタントらがオンラインオフィスアワー(相談会)や勉強会を毎日のように開催しています。勤務形態に制限されない成果創出と学び合いとをリンクさせる業務習慣をデジタルによって活性化させている職場環境であるとも言えます。

 この恵まれた環境を自宅からのリモートワークでも存分に活かせる環境を整備したいと考え、補助費を活用して自宅仕事スペースを改造しました。

自宅のテレワーク兼ゲームデスク

 もともと持っていた昇降型デスクの脚を活かして大きな天板に取り替え、オフィスの昇降デスクとほぼ同じサイズに。オフィスではデスクに配置されているノートPC用拡張モニターを使うと仕事がはかどると分かったので、自宅でも似た環境を構築しようと画策。デスク天板には丸穴を開けることにしました。KANADEMONOのケーブル配線用オプション加工なのですが、これをモニターアームのマウントに利用すればスッキリするはず、と考えました。

天板の穴からモニターアームを挿入。見た目もスッキリしています

 モニターアームはAVLTというブランドの2画面対応のもの。天板の穴に金具を通して挟み込んで固定させる(グロメット式)ことができ、デスク周りをスッキリさせながら強力に固定できます。2画面の重量を支えることを考えると、デスクサイドを挟み込むかたちで利用するよりも安定・耐久性に優れていると思います。

2画面のモニターを利用。macOS の「ユニバーサルコントロール」を利用することで、操作性も向上

 モニターが複数あるといろいろ便利です。自宅リモートワーク環境では中央のモニターをオフラインドキュメントの作業スペースやオンライン会議でのメイン画面として使い、左の拡張モニターにタスクリストと今日のスケジュール一覧を表示(これら2つは自宅PCに接続)、会社支給のノートPC(MacBook Air)の画面をメールやSlack、イントラネットへのアクセス、オンライン会議時の資料確認やメモ用に、と使い分けています。

 このとき、macOSの「ユニバーサルコントロール」という機能が感動級の便利さ! 「キーボードとマウスをリンク」に設定しておくと、3台までのマシンを横断して同じキーボードとマウスで操作できるようになります。私の場合、会社支給のMacBook Airも、自宅のデスクトップPC(Mac Studio)に接続されたキーボードとマウスで操作できるのです。iPadなども接続可能で、周辺機器をApple製品でそろえたくなる理由の1つだと感じます。

 ちなみにキーボードも、会社で利用する(普段は会社のロッカーに収納されている)Appleテンキー付きキーボードにそろえました。キーボードについてはできるだけ同じ操作性で一貫した方が効率的に感じます。

 ヘッドセット選びは長年、価格と使い心地のバランスに悩んでいたのですが、会社の補助費を使ってApple AirPods Proを導入したところ、クリアなサウンドとノイズキャンセリングの没入感、デバイス切り替えへのシームレスな対応ぶりに驚愕しました。PCやスマホをApple製品でそろえいていたくせに、ヘッドセットをAirPods Proから逃げていたのは「迂闊であった」と反省したくなるレベルでした。特にノートPCを開いてすぐAirPods Proを装着したとき、自動的にオーディオデバイスをAirPods Proに変更してくれるmacOSの仕様には毎回感謝したくなります。

 最後に、デスク周りの整理について、ちょっとした工夫のご紹介。ワークデスクには様々な機器やケーブルがこんがらがった状態になりがちです。見た目的にも悪いですし、デスクが占領されれば仕事効率を下げますし、埃がたまりやすくアレルギーなどの症状を悪化させる原因にもなりえます。これらをスッキリ解決するのが「デスク裏に全部固定する」整理方法。近年、デスク裏収納専用の器具も発売されていて、私はそれらやMUJIの引き出し、ホームセンターで購入したL字金具や配線整理チューブなども活用してデスク裏収納DIYにチャレンジしました。永遠に改善を続けそうです。

デスク裏収納専用の器具を利用してケーブルをデスク裏に収納

 オフィスでも在宅でも、シームレスに効率的に働くためのデスク周りの工夫についてご紹介させていただきました。テーブルに穴をあけてケーブルではなくアームを通すというのは、実験的な工夫だったのですが、実際やってみるとデスク裏収納との相性もよく、随分スッキリした印象になりました。まだまだしばらくはリモートワークを続行する方、オフィスに戻る方、ハイブリッド勤務に移行する方、まだらな状態が続きそうですが、今回の記事が仕事効率化のヒントになればと願っています。

中谷健一の在宅ワーク環境
  • メインPC:MacBook Air(社給品)、Mac Studio(自宅PC)
  • ディスプレイ:Dell S2421H 23.8インチモニター、Apple Studio Display
  • キーボード:Apple Magic Keyboard(テンキー付き、社給品)
  • マウス/トラックボール/トラックパッド:Magic Mouse ホワイト(社給品)
  • マイク/ヘッドフォン/スピーカー:Apple AirPods Pro
  • ビデオ会議サービス:Zoom
  • 机:KANADEMONO THE BOARD/リノリウム
  • その他小物:モニターアーム AVLT-DM25-1-JP

中谷 健一

シニアXMサイエンティスト。Customer Experience(CX)/ Employee Experience(EX)のコンサルタント。エクスペリエンスマネジメント(XM)の設計、分析、経営方針の策定、体験デザイン、企業文化づくり、コミュニケーションデザインを支援している。国際的なCXの認定プログラム「CCXP(Certified CX Professional)」で日本で最初の認定を取得。