「Internet Week 2011」開幕、技術を次世代へ継承すべくチュートリアル充実


 インターネットの技術者や研究者らが集うイベント「Internet Week 2011」が30日、東京・秋葉原の富士ソフトアキバプラザで開幕した。会期は12月2日までの3日間。すでに事前参加申し込みの段階で満席または残席わずかとなったセッションもあるが、空席のあるセッションについては当日、先着順での申し込みを受け付ける。主催は社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)。

富士ソフトアキバプラザ会場案内看板

 Internet Week 2011のテーマは「とびらの向こうに」。これは、IPv6やDNSSEC、RPKIといったこれからのインターネット基盤を支える技術が扉の向こうに広がっているイメージを表しており、その第一歩を踏み出す場にしたいとの思いを込めたという。

 特に今年はIPv4アドレスの在庫枯渇も話題となり、IPv6導入の機運も高まってきた。IPv6はメインテーマとも言え、IPv6ネットワークへの移行技術、IPv6におけるセキュリティや対応アプリケーション開発、トラブルシューティング事例、家庭でのIPv6ネットワーク構築に至るまで、多くのIPv6関連セッションを設けた。

 今年はまた、東日本大震災が発生したことを受け、被災地の復興支援活動やディザスタリカバリを実際に手がけている人が登壇する「3.11から考えるディザスタリカバリ」というセッションも実施した。このほか、OpenIDといった上位レイヤーの話題や、スマートフォン時代のウェブ技術およびセキュリティといった今年のトレンドを押さえたセッションも組み込んでいる。

 チュートリアル形式のセッションを充実させたのも今年の特徴だという。かつてInternet Weekはインターネット技術者を育てる役割も担っており、チュートリアルを多く設けていた。ところが昨今ではそのような場がInternet Week以外にも設けられるようになってきたことを受け、その役目は終わったと判断。2007年に開催場所をパシフィコ横浜から秋葉原へ移したのを機に、最新動向について情報を共有したり議論する方向に転換した経緯がある。

 しかし今回、「新しい人材が入って来こなければ、インターネット基盤を存続していくことはできない。継承していかなければならない技術がたくさんあり、それを次の世代に教える場が必要」(JPNICの前村昌紀氏)として、チュートリアルに再び注力したかたちだ。

 IPv6についても、じつはインターネット技術者でさえ触る機会があまりないのが現状だという。IPv6初心者の技術者向けに基礎から学んでもらえるチュートリアルなども設け、ルーターのコンフィグなどIPv6の最初のワンステップを踏み出せるような配慮もした。

 なお、チュートリアルとしては、Internet Week 2011開幕直前の11月28日・29日の2日間を「Pre Internet Week」と位置付け、ドメイン名やDNS、IPアドレスなどの基礎知識や最新動向を教える初心者向けのチュートリアルも実施。無料ということもあり、盛況だった模様だ。

 Internet Weekではこのほか、参加団体や有志らがそれぞれテーマを設けて主催し、興味のある人同士で気軽に議論するための無料セッションとして、多数のBoF(Birds of a Feather)も開催されるのが恒例。今年は、大規模分散フレームワーク「Hadoop」をテーマとした「Deep Hadoop Night~誰がHadoopを殺したか?~」が目新しいところだ。

 なお、富士ソフトアキバプラザではInternet Week 2011の併催イベントとして、11月28日に「第21回JPNIC Open Policy Meeting」、11月29日には「第32回ICANN報告会」とIPv6普及・高度化推進協議会の主催による「Global IP Business Exchange 2011 Autumn」が開催された。また、12月1日には、Open ID Foundationなどの主催による「OpenID Summit Tokyo」も開催される。


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(永沢 茂)

2011/11/30 11:45