iNTERNET magazine Reboot

ニュースキュレーション

フィンテックが日本のキャッシュレス決済を加速する

 日本では個人決済の多くが「現金」によって行われている。その理由は、いうまでもなく、日本の紙幣や硬貨は他国のそれに比べて偽造することが困難だという高い信頼性に支えられてきた側面もある。もちろん、オンラインショッピングなどではクレジットカードが利用されてはいるわけだが、リアル店舗も含む決済においては、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス化に消極的な人も少なくはない。理由のひとつには、キャッシュレスでは残高のイメージが得られにくく、いきおい使いすぎてしまうことになるという意識の問題だ。一方で、キャッシュレス化を積極的に推進する意見としては、ユーザーにとっての利便性だけでなく、店舗などの支払いを受ける側での効率化を期待する声がある。

 最近、引き合いに出されることも多いが、アリペイなどの中国のモバイル支払いシステムは急速な進展をしていると伝えられている。日本では、これだけクレジットカード、プリペイドカード、古くはおサイフケータイに代表されるモバイルでの支払いシステムを開発してきたにもかかわらず、いまだに使用することに抵抗のある人が多いということは、紙幣や硬貨の高い信頼性だとするならばなんとも皮肉なことでもある。

 そのようななか、最近ではキャッシュレス化への議論や意見をインターネットメディア上で見かけることが増えてきた。今週は、QRコードやブロックチェーンを使った新しい支払いシステムがリリースされている。とりわけ、店舗の効率化という観点はこれまでにはあまり指摘されてこなかったところである。

 それに加えて、ブロックチェーンを使ったスマートコントラクト、ICOなどの仮想通貨以外のファイナンス領域と関係のあるアプリケーションも事業化されつつある。広い意味でフィンテックと呼ばれているこうした技術は、つぎの時代の支払いシステムにおけるイノベーションの可能性を持っているといえよう。

ニュースソース

  • ドコモ、QR決済サービス「d払い」発表--月々の携帯料金に合算、ローソンなど[CNET Japan
  • 「メルカリ」2018年内にも仮想通貨決済を導入へ ~仮想通貨交換業登録を目指す[ネタフル
  • 独自仮想通貨:三菱UFJが取引所開設へ 価格安定図る[毎日新聞
  • DMM、ブロックチェーン技術を使ったスマートコントラクト事業を開始[CNET Japan
  • NetMile(ネットマイル)がICO事業参入か[TECHWAVE
  • ブロックチェーンプラットフォーム間の相互接続サービス[ZDnet Japan
  • LINEから投資できる新機能を、FOLIO社と提携[ケータイWatch
  • フリーランス向け融資サービスを提供--ランサーズとクレジットエンジンが業務提携[CNET Japan
  • IBMと物流大手マースク、貿易へのブロックチェーン応用で合弁会社を設立へ[ZDnet Japan

そのほかの分野の重要ニュース