インタビュー

新型IoT炊飯器でエディオン×タイガー魔法瓶が仕掛けてきた。IoT家電の「普及への壁」打破へ協業、狙うのは親孝行市場

電気ポット、ステンレスボトルでもIoT計画? エアコン連携のスマートロック新製品など、CEATECで詳細が明らかに

株式会社エディオンの兵頭剛上席執行役員(左)と、タイガー魔法瓶株式会社の岡本正範執行役員(右)。10月21日発売予定のIoT炊飯器の新製品「圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-S100」で、「IoT家電の壁」を解消すべく協業する

 10月13日~16日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「CEATEC 2026」。その目玉の1つである「X(Transformation)パーク」では、主催者企画として「暮らしのDXパビリオン」が設置される。

 同パビリオンの出展企業のうちの1社が、株式会社エディオンだ。昨年に続く2回目の出展となり、CEATEC 2026に出展する企業のなかでは唯一の家電量販店となる。また、同パビリオンの出展企業としては、タイガー魔法瓶株式会社がCEATECに初めて出展するということでも話題を集めそうだ。それぞれのブースで家電とIoTを組み合わせた提案を行う一方で、両社の連携による新サービスを展示するというユニークな試みも行われる。これは、IoT家電の普及において「壁」となっている課題を解決する取り組みにもなる。

 エディオンとタイガー魔法瓶の「共創」によって生まれる新たなサービスは、「暮らしのDXパビリオン」において必見といえる展示と言えるだろう。

「暮らしのDXパビリオン」は、最先端のデジタル技術を活用した未来の暮らしを実体験できるエリアと位置付けられている。8社・団体が出展し、スマートホームに関する最新技術や、暮らしのDXを展示。さらには、防災・減災をはじめとした社会課題解決の事例、IoT機器のサイバーセキュリティへの対応、ネットワーク接続のための共通規格などを紹介。来場者に体感してもらうだけでなく、さまざまな企業の市場参入の促進や「共創」の実現を目指す。

IoT家電は「商品を販売して終わり」ではない。リアル店舗の強み×つなぐ技術で「完全販売」のかたちを進化

 エディオンの出展は、CEATEC 2025に続き2回目となり、今年は「家電を繋ぎ、豊かな暮らしと地域を支える。」をテーマに、同社独自アプリ「エディオンスマートアプリ」によるマルチベンダープラットフォームを活用したIoT家電の新たな体験価値を紹介する。

株式会社エディオンの兵頭剛氏(上席執行役員 営業本部 商品統括部長)

 エディオンの兵頭剛氏(上席執行役員 営業本部 商品統括部長)は、「昨年の出展では、CEATECに来場する技術者などから、多くのアドバイスやヒントをもらえたのに加えて、意思決定層に対する認知度や関心を高めることができた。さらに、関東圏におけるエディオンのブランド認知度の向上といった点でも成果があった。加えて、若年層に対してもブランドを訴求することができた。家電量販店というイメージだけでなく、データ活用を積極的に行う企業であることも示すことができた」と前置きし、「今年の展示では、家電量販店であることの強みを活かして、どんなエコシステムが構築できるのかを見てもらいたい。さまざまな家電がつながるハブとしての役割を果たし、豊かな暮らしを実現し、地域を支えることを目指す企業であることを示したい。同時に、単に家電を販売するだけでなく、販売したあとも、お客様の豊かな暮らしを永続的に支える企業であることを示す。IoT家電によって、この方針を加速し、エディオンの新たな姿を発信したい」と意気込む。

 家電量販店であるエディオンが、CEATEC 2026に出展する狙いは3点あるという。

 1つめは、「IoT時代における『効用の提供』と『完全販売』の進化」である。

 エディオンでは経営理念として、商品を販売するのではなく、商品を通じて楽しさ・豊かさ・便利さとともに価値と満足を提供する「効用の提供」と、最良の状態でより長く使い続けてもらうために万全のサービス体制を提供する「完全販売」を掲げている。

 「IoT家電は、商品を販売して終わりではないという点が、ますます重要になる。楽しさや便利さといった価値を提供することが重要になる。だが、主要生活家電の約4割がIoT対応となっている一方で、普及は遅れている。リアル店舗の強みと、つなぐ技術を掛け合わせて、IoT時代の新たな『完全販売』のかたちを進化させていきたい」と語る。

 エディオンは、コーポレートメッセージとして「買って安心 ずっと満足」を掲げている。「CEATEC 2026では、コーポレートメッセージの観点からも、エディオンの進化をお見せしたい」とも語る。

 2つめは、「お客様の豊かな暮らしを永続的に支える新たな価値の創造」だ。

 ここでは、「エディオンスマートアプリ」を訴求する。メーカーの垣根を越えてIoT家電を操作できるだけでなく、操作データをもとにした価値の創出に取り組み、離れて暮らす親世代の見守り、関係機関と連携した防災への取り組みなど、地域社会の課題解決につなげるという。

株式会社エディオンの姫田景士郎氏(商品統括部 NEXT商品開発部 リユース・スマートアプリ開発課 マネージャー)

 エディオンの姫田景士郎氏(商品統括部 NEXT商品開発部 リユース・スマートアプリ開発課 マネージャー)は、「エディオンスマートアプリに関しては、昨年のCEATEC 2025をきっかけに、家電メーカーや各種技術を持つ企業、コンテンツホルダーなどとの対話が始まった実績がある。今年もこうした成果を期待している。エディオンスマートアプリによって、家電をつなぎ、豊かな暮らしと地域を支え、新たな時代の『効用の提供』を実現できることを、CEATECで知ってもらいたい」という。

 そして3つめが、「パートナーとの連携を通じた、お客様第一主義の実現」だ。

 エディオン単独では解決できない課題を、異業種やテクノロジー企業、自治体などとの連携により、「真の社会インフラへの進化を目指す」という。「エディオンが取り組んでいる『お客様第一主義』の姿勢を示すことで、同じ思いを持つパートナーとの共創の機会につなげたい」(姫田氏)としている。

複数メーカーの家電を一元管理できる「エディオンスマートアプリ」が進化主要メーカー10ブランド・9カテゴリーの家電に対応。地方自治体との連携も視野に

 なかでも注目されるのが、「エディオンスマートアプリ」の進化だ。

 同アプリは、家電量販店ならではの強みを活かして、複数メーカーの家電を一元管理できるのが特徴だ。異なるメーカー、異なるカテゴリーの家電であっても、1つのアプリで操作が可能となっており、外出先からエアコンを遠隔操作したり、洗濯機の運転状況を確認したりといったことが可能になる。

 無料で利用でき、エディオン以外で購入した家電も同アプリで操作することが可能だ。

 エディオンのプライベートブランド「eangle(イーアングル)」をはじめ、パナソニック、ダイキン、シャープなど、主要メーカー10ブランド・9カテゴリーの家電へ順次対応を拡大中であり、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、空気清浄機、テレビなどの家電を操作できる。

 アプリのダウンロード数は、2026年8月時点で17万7000件となっており、「エディオンスマートアプリに対応した家電が増加したことに伴い、ダウンロード数が増加している」(姫田氏)という。

 CEATEC 2026のエディオンのブースでは、ダイキンのエアコン、シャープの空気清浄機の実機を展示し、エディオンスマートアプリのデモンストレーションが行われる。

 また、エディオンの長濵亮太氏(商品統括部 NEXT商品開発部 リユース・スマートアプリ開発課 マネージャー)は、「この1年、エディオンスマートアプリに対応するメーカーや、機種数を増やすことに力を注いできた。これからは、エディオンスマートアプリで取得したデータをどう活用するのか、このデータを利用したサービスをどう社会実装につなげていくのかといったフェーズに入ることになる。CEATEC 2026では、社会実装した姿の一部を見せたい」と語る。

 例えば、サービス実装では、顧客向けにパーソナライズした情報提供などを視野に入れている。エディオンスマートアプリを利用して取得したデータを、エディオン独自のデータ基盤に蓄積する一方で、リアル店舗やECサイトから収集した顧客購買データや、気象情報や地域イベント情報などの外部データを組み合わせることで、個別の利用者に最適化した情報を提供できるようになるという。

 また、社会実装という点では、地方自治体との連携も強化する考えだ。

 家電の利用状況を把握することで、災害時などに停電の地域を特定したり、地域と連携した防災活動にデータを活かしたりといったことを想定しているという。

家の鍵を締めると、エアコンや空気清浄機の電源も切れる。家電とも連携する「スマートロック」新製品、エディオンがCEATECで初公開

 2026年4月には、「エディオン見守りサービス」も提供を開始した。エディオンスマートアプリと接続した家電の操作状況をもとに、離れて暮らす家族を見守ることができるサービスだ。

 見守られる側が、エディオンスマートアプリの画面に表示される「元気」「調子が悪い」の2択ボタンを毎日押すだけで、見守る側にはメールで通知。同時に家電の操作状況も分かるため、「暑い日にエアコンの冷房運転をしっかりと行っている」といったことも確認できる。

 「親から『元気』という返事があっても、エアコンを数日利用していないということが分かれば、電話連絡をして利用を促し、熱中症になることを防ぐといった使い方をしている人もいる」(兵頭氏)。

 見守る側はアプリのインストールは不要であり、見守られる側・見守る側の双方が負担を感じない操作と環境を実現。お互いが適度な距離感を保ちながら利用できるサービスだと言える。

 CEATEC 2026では、サービス拡張の一環として「カスタム見守り」を参考展示する予定だ。共働き世帯などにおいて、子どもが自宅に帰った際にアプリから通知するといったカスタマイズができるように進化させる考えを示している。

 また、もう1つの目玉となるのが、e angleブランドの「スマートロック」である。

 参考展示として初公開するもので、施錠・解錠を、エディオンスマートアプリや、指紋認証、カード認証、スマートフォン、暗証番号入力など多彩な方法で行える。エディオンスマートアプリを利用することで、接続しているエアコンや空気清浄機とも連携が可能。外出時にスマートロックで施錠すると、エアコンや空気清浄機の電源を同時に切るといった連携が可能となる。「エディオン見守りサービス」にも対応しており、日常の稼働データを指定されたメールアドレスに通知することもできるという。

業界初となる「IoT炊飯器」から5年、タイガー魔法瓶が新たな提案。新製品「JPA-S100」では「見守り機能」を強くアピール

 一方、CEATEC初出展となるのが、タイガー魔法瓶である。

タイガー魔法瓶株式会社の岡本正範氏(執行役員 ソリューション本部長)

 タイガー魔法瓶の岡本正範氏(執行役員 ソリューション本部長)は、「当社は、2021年に業界初となるIoT炊飯器を発売した。だが、IoTによる機能が大きな差別化にはなりえず、販売比率がなかなか上がらないという状況にある。CEATEC 2026の当社のブースでは、IoT炊飯器の新製品を展示し、IoT炊飯器による新たな提案を行う」と語る。

 具体的には、10月21日発売予定のIoT炊飯器の新製品「圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-S100」を先行展示する予定だ。

 タイガー魔法瓶では、独自の「TIGER HOME」アプリを開発。2021年以降、「銘柄米ダウンロード」「お米の自動再注文」「炊飯器の状態把握」などのサービスを提供するとともに、「遠隔操作」および「見守り機能」を進化させてきた経緯がある。炊飯器の賢い使い方や、好みに合ったお勧めの銘柄米の提案、それぞれの銘柄米に合う料理の提案などの情報も発信している。

タイガー魔法瓶のIoT炊飯器の新製品「圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-S100」。ECHONET Web APIの採用により、他社製品や自治体などのシステムとの接続もスムーズに可能。将来的には健康管理アプリとの連携や自治体の見守りネットワークの構築なども可能だという

 そうした実績をもとに、今回の新製品では、見守り機能の訴求を強化するという。

 タイガー魔法瓶の井上友見氏(ソリューショングループ 商品企画チーム 主事)は、「センサーによって、炊飯した時間や炊いた量が分かる。IoT炊飯器を通じて、離れて暮らす親世帯がしっかりとご飯を食べていることが確認でき、生活のリズムの変化も知ることができる。日常の見守りができるようになる」という。

 炊飯器は、電源を接続したままにしていることが多い家電の1つとされている。また、一年を通じて利用されている家電の1つでもあり、親世代の世帯ではほぼ毎日利用する家電とも言える。IoT家電という観点から見れば、日常的にデータが収集しやすい製品カテゴリーとも言えるだろう。

 今回発表された「JPA-S100」では、同製品を使用している親世帯(見守られる側)は特別な操作は不要で、日常通りに炊飯を行えばいい。炊飯器の使用状況が毎日20時に、見守る側のTIGER HOMEアプリに通知される仕組みだ。過去2週間の炊飯の履歴なども確認できる。

 「JPA-S100」は、エディオンスマートアプリの「エディオン見守りサービス」にも対応する。見守る側に毎日届く「見守り結果お知らせメール」に、見守られる側からの「元気」もしくは「調子悪い」の回答とともに、「JPA-S100」や、登録されている他のIoT家電の使用状況が記載される仕組みとなっている。

 この機能を使って、単身赴任している家族や一人暮らしをしている子どもの状況を把握するといった用途でも利用ができる。

見守り先となるIoT炊飯器の登録設定は「TIGER HOME」アプリで行う
「TIGER HOME」アプリの見守り表示では、過去2週間の履歴も確認可能
「エディオンスマートアプリ」からも炊飯状況を確認できる
「エディオン見守りサービス」で、見守る側に届く「見守り結果お知らせメール」の例。同サービスに登録されているIoT家電の機器操作状況の1つとして、IoT炊飯器の状況も確認できる

 井上氏は「タイガーの炊飯器は、高い炊飯性能とお手入れのしやすさから継続して使いやすいという特徴がある。また、59銘柄のお米に対応した炊き分けが可能であり、親世帯に銘柄米を贈れば、最も適した炊き方で食べてもらえる。親孝行にもつながる」と語る。

 このIoT炊飯器の新製品「JPA-S100」は、現時点ではタイガー魔法瓶の公式通販サイト「タイガーオンラインストア」での販売となっているほか、エディオンの店舗およびネットショップでも取り扱う予定となっている。

次は「IoT電気ポット」、CEATECで参考展示。「IoT水筒」の構想も?IoT家電でタイガーが目指す「温かいコミュニケーション」

CEATEC 2026では「IoT電気ポット」を参考展示。機能なども明らかにされる見込みだ

 CEATEC 2026では、「IoT電気ポット」の参考展示も行う予定だ。同社がIoT電気ポットを製品化するのはこれが初めてだとしている。

 さらに今後、ステンレスボトルのような、電源をつながない「水筒のIoT化」などを研究していることも明らかにした。

 タイガー魔法瓶は、今回のCEATEC 2026への出展に合わせて、新たに「温かいコミュニケーション」という言葉を使い始めた。

 井上氏は「デジタルやデータというと、冷たく、無機質な印象を持つ人が多い。しかし、デジタルを活用した見守りサービスによって、遠くに離れていても、温かいコミュニケーションを図ることにつながる。IoTによって家電が便利になるだけでなく、コミュニケーションにおいても貢献できる。それを『温かいコミュニケーション』という言葉で表現した」と位置付ける。

 タイガー魔法瓶は、同社のビジョンに「世界中に幸せな団らんを広める。」を掲げている。「温かいコミュニケーション」は、まさにIoT家電が生み出す「団らん」の姿と言えそうだ。

 今後、タイガー魔法瓶のIoT家電のメッセージとして、この言葉を使っていくことも検討しているという。

(左から)タイガー魔法瓶株式会社の井上友見氏(ソリューショングループ 商品企画チーム 主事)、岡本正範氏(執行役員 ソリューション本部長)、前田雄太氏(R&Dマーケティンググループ 副主事)、飯塚優司氏(商品開発グループ マイコンチーム マネージャー)

モバイルルーターをバンドルした「親孝行見守りパック」、エディオンが販売IoT炊飯器のWi-Fi設定も完了させた状態で提供。訪問サポートも

 エディオンとタイガー魔法瓶は、両社による新たな連携サービスを、CEATEC 2026で初めて一般に披露することになる。

 それが「親孝行見守りパック」である。

 タイガー魔法瓶のIoT炊飯器と、エディオンのモバイル通信回線サービスを組み合わせ、エディオンが持つ販売・サポート網を活用し、サービスマンが直接訪問して設置・設定まで行うというものだ。

 エディオンの兵頭氏は「見守り機能を利用したいと考えても、その前提となるネットへの接続ができない、初期設定ができないという方も少なくない。エディオンとタイガー魔法瓶の連携によって、この課題を解決できる」と語る。

 また、タイガー魔法瓶の岡本氏は「IoT炊飯器を購入しても、初期設定がうまくいかないということが大きな課題になっている」としながら、「親世帯では、自分たちだけではWi-Fiの設定ができず、年1回の子世帯が帰省してくるときに設定をしてもらうというケースもある。当社のお客様相談室への問い合わせでもネットワーク接続に関するものが多く、設定のハードルの高さが普及の大きな壁となっている。実際、当社の調査でも、親の行動が確認できるIoT機器は9割以上の家庭で未導入という結果が出ている。IoT炊飯器とTIGER HOMEアプリは、使うと便利だが、その便利さが伝わり切れていないという反省がある。エディオンとの共創によって、こうした課題を解決し、IoT家電による新たな価値を提供したい」とした。

IoT炊飯器のWi-Fi接続設定などは「TIGER HOME」アプリから行う。慣れているユーザーであれば特に戸惑うことのない操作が大きな「壁」になっていた

 「親孝行見守りパック」では、タイガー魔法瓶のIoT炊飯器の新製品「JPA-S100」と、エディオンが提供するモバイル通信回線サービス「エディオンネット WiMAX+5G(S)」およびモバイルルーター、訪問設定サポートをセットにして提供する。また、「JPA-S100」は前述したように、TIGER HOMEアプリとともに、エディオンスマートアプリにも対応することになる。

 「JPA-S100」を含む「親孝行見守りパック」は、エディオンの約50店舗で取り扱いを開始し、順次、取扱店を拡大していく。

 なお、エディオンのサービスマンが行う設定作業の際に、梱包しているビニールをはがしたり、指で直接製品に触れたりすることなく作業できるよう、製品本体の梱包方法なども変更したという。ビニールを透明なものに変え、その上からボタンを押して設定作業を行えるようにしている。こうした細かい配慮も、タイガー魔法瓶らしいこだわりの1つである。

「JPA-S100」では、梱包しているビニールを付けたままで作業員がIoTの設定操作を行えるよう、他の炊飯器製品とは異なる透明な素材を使用している

 CEATEC 2026では、エディオンのブースおよびタイガー魔法瓶のブースの双方で「親孝行見守りパック」の訴求を行うことになるという。

 「両社のブースは隣接する場所にあり。『親孝行見守りパック』の詳細をエディオンのブースで見て、タイガー魔法瓶のブースで新製品のIoT炊飯器の機能を体験してもらうことができる」(エディオンの姫田氏)。エディオンでは今後、「親孝行見守りパック」の対象となるIoT家電の拡大も検討することを明らかにしている。

IoT家電がなかなか普及しないのは……エディオンとタイガー魔法瓶の協業で「設定の壁」打破へ

 今回のCEATEC 2026への出展を通じて、両社はどんな効果を狙っているのだろうか。

 エディオンの兵頭氏は、「エディオンスマートアプリや、親孝行見守りパックの取り組みを知ってもらい、連携する参加企業を増やし、サービスを広げたり、高度化したりといったことにつなげたい。さまざまな技術知見やコンテンツ、サービスを持つ企業との連携により、UXの進化や、新たな機能を取り込みにもつなげたい。そして、若い人たちにも、デジタルサービスに積極的に取り組むエディオンの企業姿勢を知ってもらいたい」とした。

 また、タイガー魔法瓶の岡本氏は、「これまでは、量販店の店頭、テレビCM、ホームページなどを通じてタイガー魔法瓶の製品の特徴を訴求してきたが、CEATECという場を利用して新たなかたちでの訴求にも挑みたいと考えている。IoT家電の普及に遅れがあるのは、価値が正しく伝わっていないだけでなく、私たちが気付いていない課題が存在しているということもあるだろう。今回の出展を通じて、課題解決に向けた新たなアイデアやヒントをつかみたい」としたほか、「IoT炊飯器を通じて、お米を食べてもらう機会を増やし、農業全体にも貢献したいと考えている。タイガー魔法瓶が持つ、食に関するデータを活かせるパートナーとの共創によって食や健康につながる活動につなげたい」と語る。

 そして、両社の連携による新たな提案は、IoT家電の普及における「壁」を取り払うきっかけの1つになるだろう。

 兵頭氏は、「家電メーカー各社が優れたIoT家電を発売しても、それが普及しなくては意味がない。IoT家電の社会実装に向けて、家電量販店として何ができるかを考えた結果、エディオンは、店舗網を持つ強みを活かすことができるのではないかという点に行き着いた」とする。

 IoT家電を利用したいと思っても設定ができないという人が多いことに着目し、全国約1200店舗を誇るエディオンの販売拠点を窓口に、物流網やサポート網を活かした直接訪問によって設定から運用までをサポートすることで、安心してIoT家電を利用できる環境が整備されることになる。

 また、日々の家電の操作から得られるデータを活用し、見守りに利用するだけでなく、さまざまなサービスへと発展していく可能性もある。さらに、自治体との連携による安全安心な地域づくりへの可能性にも期待が集まる。CEATEC 2026をきっかけに生まれる新たな共創にも期待したい。

 エディオンとタイガー魔法瓶のブースでは、IoT家電とアプリ、データを中心に、テクノロジーと人の力によって支える「暮らしと地域の未来」を体験することができそうだ。

 CEATEC 2026では「暮らしのDXパビリオン」に関連したコンファレンスも行われる。

 「家電を繋ぎ、豊かな暮らしと地域を支える-エディオンが推進するIoTの社会実装と新たなエコシステム-」では、エディオンの兵頭氏が講演。「エディオンスマートアプリ」の進化、新たに発表するスマートロック製品、タイガー魔法瓶との協業、データ活用の取り組みなどについて触れる。

 一方、「防災×IoTで実現~いつも・もしも~の安心」は、CEATEC 2026の主催者である一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)のスマートホーム部会スマートホーム防災減災研究会での活動をベースにしたコンファレンスだ。エディオンのほか、シャープ、リンナイからも登壇。防災科学技術研究所、フェーズフリー協会、パシフィックコンサルタンツも参加し、家電とデータを活用した産学連携で目指す防災への取り組みなどについて掘り下げる。