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Google Chrome、Flashに代わるHTML5のデフォルト化を開始、一部サイトから段階的に、来年10月には全サイトで

 米Googleは9日、ユーザーが使用を許可したウェブサイト以外ではAdobe Flash Playerを無効にする「HTML5 By Default」のGoogle Chromeにおける修正ロードマップを発表した。今後数日間のうちに少数のユーザーを対象に一部サイトで開始し、その後、段階的に対象のユーザーおよびサイトを拡大。2017年10月には全サイトをHTML5 By Defaultとする。

 Flashに代わりHTML5を利用できるウェブサイトではHTML5を優先的に表示し、Flashを使う必要があるウェブサイトでは初回表示時にFlashの実行を許可する画面を表示する。2016年8月時点の発表では、12月リリース予定のChrome 55で設定を有効化するとしていた。しかし、12月1日にChrome 55をリリースした際に、延期を発表していた。

 今回の発表によれば、Chrome 55ユーザーの1%だけに対して、今後数日間でHTML5のデフォルト設定を有効とする。また、8日にリリースされたChrome 56ベータ版では、ユーザーの50%でHTMLデフォルトの設定が有効化される。ただし、これらの設定は「Site Engagement Index(SEI)」が1以下のウェブサイトのみが対象となる。

 その後、2017年2月初頭にリリース予定のChrome 56安定版で、HTML5がデフォルトの設定を全ユーザーに拡大。あわせて、対象サイトもSEIが2以下のサイトに拡大する。さらに3月にSEIが4以下、4月にSEIが8以下、5月にSEIが16以下、6月にSEIが32以下、9月にSEIが64以下のサイトに対象を順次拡大。10月には、すべてのウェブサイトにおいて、Flashの実行にユーザーの許可が必要となる。

 SEIは、ウェブページにおけるユーザーのスクロールやクリック、入力、再生などの操作に基づいて、ユーザーのウェブサイトへのエンゲージメントを示す指標として、0~100のスコアで評価するものとなっており、数字が高いサイトの方がユーザーのエンゲージメントが高いことを示している。

 Googleでは今回の変更について、「FlashからHTML5への移行をスムーズに行うため、HTML5のデフォルト化を徐々に導入する」としている。また、すべてのウェブサイトがHTML5に移行すれば、Flash実行に関する画面は表示されなくなり、ウェブ全体はより高速で安全になり、電力効率も向上するとしている。