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”Society 5.0”の展示会「CEATEC JAPAN 2017」10月3日~6日開催

狩猟社会、農耕社会、工業化社会、情報化社会に続く第5の社会”超スマート社会”実現へ

CEATEC JAPAN実施協議会エグゼクティブ・プロデューサーの鹿野清氏

 10月3日~6日に幕張メッセ(千葉県千葉市)にて開催される展示会「CEATEC JAPAN 2017」では、「日本の成長戦略や未来を世界に向けて発信する“Society 5.0”の展示会」をテーマとして掲げている。Society 5.0とは、あらゆる産業がIoTやビッグデータ、AI、ロボットなどのイノベーションの力を活用して社会課題を解決、新たな産業を生み出す時代のことを意味する。

 主催するCEATEC JAPAN実施協議会が9月11日、報道関係者向けの説明会を実施。脱・家電見本市を宣言し、IoTをメインテーマにした「CPS/IoT(Cyber Physical System/Internet of Things)の総合展」へ舵を切った前回から、今年はどのような取り組みを行っていくのか、同協議会エグゼクティブ・プロデューサーの鹿野清氏が以下のように語った。

 昨年は大きな変革の年になりました。新たにもたらされる未来を共に創り出す場を目指しまして、CEATEC JAPANは昨年の最先端ITエレクトロニクス総合展示会からCPS/IoTエグジビジョンへと大きく舵を取らせていただきました。これまで減少傾向だった出展企業社数はCEATEC JAPAN 2016で648社・団体、来場者数は約14万人で前年を大きく上回ることができました。業種や産業を超えた連携、世界各国との制作連携などを含めまして、まさに共創を生み出す場所として新たな一歩を踏み出すことができたと考えております。

 今年は昨年からの新たな展示会開催コンセプトを踏襲し、CPS/IoTエグジビジョンをさらに本格化させてまいります。IoTの世界をより実現性の高いものにするセンシングデバイス、そこから取り込んだデータをより早く、大量に伝える通信技術。さらには、課題解決のためのITやソリューションシステム、これらの電子部品から実装される機器、トータルソリューションサービスまでが一堂に会する総合展示会として、さらに新たな産業界の皆様にも参加いただけるように考えてまいります。

 私どもが目指す世界は、日本の成長戦略や未来を世界に向けて発信する“Society 5.0”の展示会です。革新的な新技術や新製品、そして従来の展示会型から、日本政府の政策、企業としての新たなビジョンやビジネスモデル、さらには近未来の社会を見据えた“共創する展示会”と進化をさせてまいります。

 Society 5.0は狩猟社会、農耕社会、工業化社会、現在の情報化社会に続く第5の社会として超スマート社会の実現を目指し、日本の経済発展と国内外の社会課題の解決を両立し、快適で活力に満ちた生活ができる、まさに人間中心の社会を目指すという国家ビジョンでございます。1人1人がそれぞれ輝く世界に、未来のために、社会課題解決をテーマにしてIoT、AI、ロボットなどを活用した未来を描き、デマンドサイドとサプライサイド、一緒になって情報の発信を行う展示会の実現を目指してまいります。

今年のテーマは“Society 5.0”。

”BtoBtoC”の展開で、未来の生活をより想像しやすく

 展示エリアは、公共インフラ・交通システム・災害対策・エネルギー制御、環境モニタリングなど安心・安全・快適な社会構築などを提案する「社会・街エリア」、生活シーンを豊かにする技術やサービスを提案する「家・ライフスタイルエリア」、CPS/IoTを支える技術やソフトウェアサービスが集結した「デバイス・ソフトウェアエリア」などに分かれる。

 また、「特別テーマエリア」では異業種企業との共創を発信する特別企画展「IoTタウン2017」を展開。CEATEC初参加の6社・団体を含め、合計26社・団体が出展する。鹿野氏は「新生CEATEC JAPANの象徴となるような展示エリアになる」と期待を寄せている。

「IoTタウン2017」はブース展示だけではなく、フィンテック、スマートホーム、地方創生をテーマにしたフロントランナーによるコンファレンスやSociety 5.0を特集した冊子の発行・配布などを予定

 そのほか、同エリアではスマートファクトリーと地方創生の2つのトピックにスポットをあてた「Real 2020 Showcase」、人工知能(AI)にスポットをあてた産業技術総合研究所との特別企画展示「AI-人工知能パビリオン」、海外のスタートアップ企業が集まる「Global Startup Showcase」などを設置する。なお、今回は「India Showcase」として、インドの各企業の現地責任者によるIoTや人工知能のコンファレンスも実施する予定。

 「CEATECの昨年の改革により、BtoBの展示会に変わったのではないかという話を伺うが、それは必ずしも正しくはない。BtoB要素が増えたのは事実だが、Society 5.0の実現にはBtoBだけでは成り立たない」と鹿野氏は強調する。“BtoBtoC”としての展開が重要としており、CEATEC JAPAN 2017では最先端技術の具体的な活用の1つとしてスマートホーム関連の展示会やコンファレンスを実施する。来年以降にはアグリテック、ファッションテックといった生活に直結する衣食住とIoTをテーマにした展示なども展開していきたい考えだ。

 CEATEC JAPAN 2017への事前来場登録は9月第2週目の時点で約1万5000人に上っており、昨年より30%増加しているという。また、昨年は648社・団体のうち約4割が新規出展だったが、今回も約3割の企業・団体が初出展となる見込み。なお、今年の来場者数目標は前年比10%増となる16万人を目指す。

 「来場者数だけが目標ではない。ただし、より多くの方に足を運んでいただき、新しいCEATEC体験をぜひ実感していただきたい」と鹿野氏は語った。

事前来場登録者にアンケートを取ったところ、最も期待するテーマとしてトップに挙げられたのは「人工知能」「自動運転」「スマートホーム」だった