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速度は11acの倍、11ax対応のWi-Fi子機向けチップ「WCN3998」、Qualcommが発表

第2四半期にサンプル出荷

 Qualcommは、規格策定中のWi-Fi規格「IEEE 802.11ax」に対応したチップ「WCN3998」を発表した。2018年第2四半期にサンプルが出荷される予定。

 現在、規格策定中のIEEE 802.11axは、Wi-Fi子機が高密度で存在する環境における平均スループットの向上を目的として規格が定められており、11acの倍となる8×8のMU-MIMOをサポート。異なるユーザーに異なるサブキャリアを割り当てることで周波数分割多元接続を実現する「OFDMA」なども導入されるほか、「1024QAM」のデジタル変調も標準でサポートする。

 これらの技術により、多くのデバイスが高密度に存在する環境下では、11acと比較して約4倍高速なスループットを提供するとされる。規格上の最大通信速度は8ストリーム時で9607.8Mbps。

 WCN3998は、スマートフォンやタブレット、ノートPCといったWi-Fiクライアント向けのチップで11axの2×2をサポート。Qualcommnによれば、11ac wave2との比較で、最大通信速度は約2倍に高速化され、消費電力が67%削減されるという。

 Wi-Fi Allianceが1月に発表したセキュリティ機能「WPA3」もサポートしており、データ暗号化が強化されるほか、安全性の高いパスワード認証機能、ディスプレイのないデバイスへのセキュリティ設定機能を提供する。このほかBluetooth 5.1もサポートしている。

 またQualcommによれば、2018年の後半から2019年前半にかけて市場に投入予定の11ax対応アクセスポイント用プレドラフトをサポートしており、後方互換性が確保されるよう設計されているという。

 なお、Qualcommは2017年2月、11axに対応したルーター/アクセスポイント用SoCである「IPQ8074」を発表している。

【お詫びと訂正 16:42】
 記事初出時、チップの名称に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

誤:「Atheros WCN3998」
正:「WCN3998」