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ブラザーも“タンク市場”参入、1年分の超・大容量カートリッジ対応「ファーストタンク」インクジェットプリンター/複合機5機種を発表
2018年9月4日 10:00
エプソンやキヤノンが先行するインクジェットプリンターの大容量インクタンクの市場に、ブラザーも参入する。ブラザー販売株式会社は4日、「PRIVIO」シリーズのA4/A3対応インクジェットプリンター/複合機の新製品として、「ファーストタンク」シリーズ5機種を発表した。約1年分という「超・大容量」インクカートリッジに対応するとともに、カートリッジが空になったあともしばらく印刷できる“サブタンク”を搭載しているのが特徴だ。
ラインアップと市場想定価格(税別)は、A4対応プリンター/ADF搭載スキャナー/コピー機能を備えた「DCP-J988N」が3万5000円前後、さらにFAX機能も備えた複合機「MFC-J1500N」が4万円前後。A3対応機は、プリンター機能のみの「HL-J6000CDW」が6万円前後、ADF搭載スキャナー/FAX機能なども備えた2段給紙トレイの複合機「MFC-J6997CDW」が9万円前後、同じく3段給紙トレイの「MFC-J6999CDW」が10万8000円前後。発売日は、A4対応機2機種が9月中旬、A3対応機3機種が11月の予定。
大容量インク=ボトルとは限らない!?ブラザーはカートリッジ+サブタンク構造
ファーストタンクというシリーズ名称は、初めて大容量インクタンク機を購入する“タンクエントリー層”をターゲットにしていることから名付けたもの。エプソンやキヤノンが採用している“ボトル方式”ではなく、ブラザーの従来機種と同じ“カートリッジ方式”のままで大容量化したことが差別化のポイント。インクの容量やランニングコストではボトル方式には敵わないものの、カートリッジ方式は交換がしやすいといったメリットもあり、タンクエントリー層に最適だという。
新製品5機種に対応する「超・大容量」インクカートリッジは、A4文書で、モノクロが約6000枚、カラーが約5000枚印刷可能。従来機種の標準インクカートリッジに換算すると、ブラックインク16本分、カラーインク10本分に相当する。A4カラー文書を月間300枚印刷した場合、1回の交換で1年分の印刷ができる大容量だとしている。
ランニングコストは、A4文書で、モノクロが約0.7円/枚、カラーが約3.7円/枚。A4カラー文書では、標準インクカートリッジ対応機種のランニングコストの約44.1%となっている。
インクカートリッジが空になってもなお200枚印刷できる“サブタンク”構造
また、ファーストタンクシリーズでは、本体内に“サブタンク”を搭載した構造となっている。インクカートリッジ内のインクは順次サブタンクに注入され、そこからノズルでプリンターヘッドへ送られる仕組み。インク残量のインジケーターは、カートリッジ部分とサブタンク部分を分けて表示するようになっており、カートリッジが完全に空になってしまったあとも、サブタンクのインクにより約200枚の印刷が可能だという。
なお、超・大容量インクカートリッジは、透明な容器を採用したのも特徴。使用後の“インクを使い切った感”を視覚的に実感できるようになったとしている。
A4対応機で、ファーストプリントを大幅に高速化
A4対応の2機種の印刷スピードはモノクロ約12ipm/カラー約10ipm、ファーストプリントはモノクロ約8.0秒/カラー約8.5秒。従来機種の「DCP-J983N」と印刷スピードは変わらないが、ファーストプリントはモノクロ約13秒/カラー約14秒から大幅に高速化されている。
A3対応の3機種は、印刷スピードがモノクロ約22ipm/カラー約20ipm、ファーストプリントがモノクロ約5.5秒/カラー約6.0秒で、A3対応の従来機種「MFC-J6995CDW」と同じ。
インクカートリッジは5機種ともに4色独立式。A4対応の2機種はブラックが顔料インク、カラー3色が染料インク。A3対応の3機種は4色ともに顔料インク。なお、各機種に最初に同梱されているインクカートリッジは、超・大容量タイプではなく、「大容量」タイプのスターターインクとなっており、スターターインクでの印刷枚数はA4文書でモノクロ約3000枚、カラー約1500枚。